2ヶ月前に「番指風寸伸び短刀拵え」(2011年4月11日)にてご紹介した鞘の塗りが完了しました!
前回の様子↓
http://blog.goo.ne.jp/kosiraeshi/e/8881386ef42f3805a7358bfd881d38f6
当該お刀は、寸伸びの平造り、典型的な末備前刀です。
相当働いたと見えて、大分痩せていますが糸直刃調の焼刃はしっかりと残っており、武士でしたら「ご一代は大丈夫」と表現するでしょうか?まだまだ美術品としても武器としても価値あるお刀です。
また、長船らしくザックリとした地肌には、古研ぎながら映りも見え、鑑賞の魅力ある一振りと感じます。
今回、長らくお時間をいただき、鞘の塗りを実施いたしました。
ご依頼内容は、黒の蝋鞘でしたので、特に研ぎだした時に黒が際立つ様に漆を調合しました。(職方用に調合されて発売されている黒漆では、少し赤が強い気がします。)
鞘の形状は、居合の添え差しとしてお使いになることを想定し、長時間脇に指しても身体に負担が無いよう、できるだけ細重ねに仕上げました。
鯉口には水牛を用い、くり型は使用時の強度を考えて銘木を用いました。コジリは丸。
ついに完成です!
この拵えの工作期間には、いろいろな出来事がありました。
結果、工作がかなり遅くなってしまいましたが、首を長くしてお待ちいただいているお客様には、毎度ながらご迷惑をお掛けいたします。
一日でも早い工作を心がけていきたいと思います。
前回の様子↓
http://blog.goo.ne.jp/kosiraeshi/e/8881386ef42f3805a7358bfd881d38f6
当該お刀は、寸伸びの平造り、典型的な末備前刀です。
相当働いたと見えて、大分痩せていますが糸直刃調の焼刃はしっかりと残っており、武士でしたら「ご一代は大丈夫」と表現するでしょうか?まだまだ美術品としても武器としても価値あるお刀です。
また、長船らしくザックリとした地肌には、古研ぎながら映りも見え、鑑賞の魅力ある一振りと感じます。
今回、長らくお時間をいただき、鞘の塗りを実施いたしました。
ご依頼内容は、黒の蝋鞘でしたので、特に研ぎだした時に黒が際立つ様に漆を調合しました。(職方用に調合されて発売されている黒漆では、少し赤が強い気がします。)
鞘の形状は、居合の添え差しとしてお使いになることを想定し、長時間脇に指しても身体に負担が無いよう、できるだけ細重ねに仕上げました。
鯉口には水牛を用い、くり型は使用時の強度を考えて銘木を用いました。コジリは丸。
ついに完成です!
この拵えの工作期間には、いろいろな出来事がありました。
結果、工作がかなり遅くなってしまいましたが、首を長くしてお待ちいただいているお客様には、毎度ながらご迷惑をお掛けいたします。
一日でも早い工作を心がけていきたいと思います。
わたしは拵え作成のほうは本当に素人で、見よう見まねでやっているにすぎません。
ただ、趣味でも何でものめりこむくせがあり、観察しているうちに拵えにおける伝統工芸の素晴らしさに気がついて、プロの方には当然及ばないながらも、なんとか再現してみようという欲に駆られるようになりました。
どの方もその道で食っているのは本当にすごいことです。芸が身を助けておられますね。
いろいろとありがとうございました。
これからも更新を楽しみにしております。
いつもご訪問いただきありがとうございます。
最近では、SASURAさんからの投稿を楽しみにしております。
投稿がないと、あれ?どうしたのかな?と気になってしまうほどです(笑)
お礼など、とんでもございません!
私は、入り口までサポートしたに過ぎません。
むしろ素晴らしいセンスとバックボーンをお持ちのSASURAさんだからこそ、私の意図を読み取っていただけたのだろうと存じます。
私は、独立してまだ10年しか経っておらず、気の長い伝統工芸の世界ではまだまだ新入りです。
そのため、日々勉強と心がけて皆様から学ばせていただいています。
SASURAさんがどの流派の系統かは存じ得ませんが、ネットの世界ではシガラミなく接点が持てますことをうれしく思っております。
ただ、どの流派であろうと心構えは同じです。掟を守り、武器を使用可能な状態に仕立てることと、示現化した神仏たる刀剣に神衣を造り奉る神職としての心構えです。
私たち現代人がどんなに努力しても、当時の思考を理解することは100分の1も出来ないと思います。
そのために、掟や心構えがあるのではないでしょうか?
これからも、屈託ないご意見をお聞かせいただけましたら幸いです。
素晴らしいお知恵をいただき、目が覚める思いです。
宗教ごとなら誰にも引けを取らなかったので、山伏問答には、あっと思いました。
非常に奥深いものに触れた気がしました。
刀剣と会話がまだまだできていない状態なので、しばらく刀霊と語り合ってみようと思います。
何かお礼をしたく存じますが、お店のご住所などお教えいただけないでしょうか?
あくまで私の拵え工作時の心構えですが、ひたすらに刀剣と会話し、作刀者の意図を自分なりに解釈する様に努めています。
そのためなら、断食や山篭りといった非科学的な手法も有効でしょう。
図書館に入り浸って、時代背景や宗教的思想を学習することも欠かせません。
当該お刀の場合でしたら、なぜ作刀されたのか?誰が用いたのか?どのような歴史を刻んできたのか?をお考えになられると必然的に方向性が固定されると思います。
私なら、山伏問答からヒントを得ます。
「汝、腰に佩びたる利剣は何ぞや?」
「不動明王の智剣なり、煩悩魔障を破断するものなり!」
不動明王と一体になるための媒介と考えてみてはいかがでしょうか?
以上、生意気にも押し付けがましい言い回しにて申し訳ありません、ご参照くださいませ。
さっそくのご返答、誠にありがとうございます。
丁寧かつ、すごいアドバイスをいただき、ひたすら感謝いたします。
>>森羅万象の神霊に敬意を表して、修験道の思想的デザイン
・・・がとても私の感性を刺激いたしました。
想像力貧困でおまけに素人臭い質問で恐縮しますが、目貫と縁頭に天狗や独鈷のデザインの入ったやつを使うとか、そういった工夫でしょうか?
プロの方に重ね重ね申し訳ありません。
さらにご教示くだされば有難く存じます。
金剛兵衛ですか~!いいですねえ。
西国物は一段低く見られがちですが、なんのなんの実に鑑賞の魅力あふれるお刀でございますね。
数打ちとご覧になられたようですが、室町期の金剛兵衛となるとそこまで粗悪なイメージがありませんがどうなんでしょう?
写真判断なのでなんとも言えませんが、同時代の美濃同様、武器としての性能美を感じます。
少々肌荒れが見えますが、実物はどうですか?次の研ぎ時に、押さえて研げば、ほとんど肌は目立たなくなると思いますね。
このお刀に合う拵えとなると・・・う~ん悩みますねえ。とりあえず、太刀拵よりは打刀の方がシックリきそうです。
慶長摺り上げでしょうか?後にマチをおくっていそうですね?ここは一つ天正拵で仕上げてみてはいかがでしょう?
私なら、森羅万象の神霊に敬意を表して、修験道の思想的デザインを取り入れたいです。
そして、あまり飾りっ毛のない拵を考えたいです。
全身黒尽くめなどいかがでしょう?鞘は漆黒の蝋鞘、鮫皮はつや消しの黒漆を塗って、柄巻きも暗い色を選びたいです。
鍔は武骨な刀匠鍔、目貫は独鈷や素剣の物を用いて、縁頭は鉄か燻銀の物を選びたいですね。
以上、あくまで私の趣味(笑)ですので、黙殺くださいませ。
やはり短刀には喰い出しがバランスよく映りますね!
ところで
わたしも今、拵えしようかどうか迷っている刀があります。
金剛兵衛 吉盛 作 63.2cm
こちらで手に入れました。
http://www.l-wise.co.jp/super-jsa/auction.cgi?num=7139&mode=detail
・・・ところがいまいち食指が動かず困っています。
どうも数打ちらしいので芸術的な感性を刺激してくれないのか、などと考えたりしております。
もし、何かご教示いただければ有難いのですが。