チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

ナンネル・モーツアルト

2011年05月11日 11時27分48秒 | 日記
あの天才作曲家のモーツアルトの姉ナンネル
作曲の才能は小さいときからモーツアルトより優れていたらしい
しかし当時の音楽界では
女の作曲家などは認められないし
才能があることすら家族にとっては恥ずかしい
弟モーツアルトの伴奏者として旅を続ける毎日

公の場所には男装をしていく
そういえばそのあとの時代の小説家ジョルジュ・サンドも
男装をして文学界をのし上がってきた

映画では
男装してルイ15世の皇太子に会いその才能を認められるが
後に女とわかり悪魔呼ばわりされてしまう

女に生まれたばかりに
と才能豊かな女達がずいぶん泣き沈んだ

そこへ行くと
我が日本の平安時代は女の文学の才能が冴え渡っていて
誰もとめようともせず
その才能を開花することが出来た

しかしその後は男の権力争いの影に追いやられ
才能のある女は男を牛耳ることに能力を発揮する
其れを「内助の功」などときれいごとで持ち上げる

其れとわからぬように操縦する女性は男より遥かに賢いが
いちいち自分がやっているという態度にでられると鼻白む
ただ醜い

過去もゲンダイもそして未来も
いろんな女が生息する
女の正しい生き方なんて言うのは無いかもしれないが

ナンネル・モーツアルトが両親、社会の才能つぶしの中にあって
弟の才能を伸ばしきることこそ自分の務め
と思い切るところが心痛む
そして彼女のお陰で私達は天才の音楽を今でも聴くことが出来る

ナンネルの才能を奪ったのは時代だったのだろうか

後にナンネルは晩婚で結婚生活に入るが
一度自分を殺した人生はもう光がやってこなかった
余り幸せな老後ではなかったらしい

これという才能の無いチャコちゃん先生ではあるが
男女平等という時代に生きていて
(本当は男社会で男の権力争いの中で生きているのだが)
男と同じように権力をかさに着てものをいっている女を
決して見よいものではないと思うし

男の陰にいて生き生きと生きている女性を美しいと見るし
現在は色んな女と出会えてそれもまた面白いし

そういう社会の中で
本当に自分を生かしきっているのだろうか
生かしきるというのはどういうことなのだろうか
と考えてしまう映画を観てしまった

重い

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