ごきげん練習帳 〜自分トリセツの作り方〜

自分と人生を楽しむための”セルフ・コーチング”ノート

映画『隣る人』『はちみつ色のユン』をみて

2013年03月29日 | ●心のごはん(本、映画・演劇、音楽・美術…)




昨日、ずっとみそびれていた映画『隣る人』と
『はちみつ色のユン』を
二本立てでみてきました。

共に、実の親と暮らせずに
養護施設、そして国籍の違う里親のもとで暮らす、
子どもの日常を描いた
ドキュメンタリー。

前者は日本のとある施設を舞台に
日本で撮られた作品、
後者は韓国人の孤児で、
幼くしてベルギーの家庭にもらわれて行った
監督本人が
アニメーションと過去・現在の実写で描いた作品。



『隣る人』の舞台となる施設では、
施設の担当者を「ママ」と呼んで、
子どもたちは寝るときも布団を並べて
一緒に寝ます。
共同生活をする子どもたちは、きょうだい同様。

子どもたちは、みんな「ママ」が大好きで、
「ママ」の肌が恋しくて、
「ママ」を独占したがって喧嘩をします。

施設をやめることになった「ママ」と
分かれなければならなかった子どもが
ママから離れまいとして泣き叫ぶ姿には
心をわしづかみにされて
揺さぶられるように感じました。


スクリーンの中の場面が、
4人の子どもたちを育てながら、
私自身が何度も出会ってきた場面と
オーバーラップし、
私自身が「ママ」の気持ちにもなり、
また、観客として、子どもの気持ちにもなりました。


何カ所かで、切なくて思わず涙しましたが、
見終わって、心がほっと温かいのは、
登場する子どもたちが、
実の親の家庭では育つことができなかったけれど、
彼らを本当に愛する人たちの中で
彼らとの絆を結びながら
生きている姿をみることができたからかもしれない
と思います。


映画の中では、
実の母親が、娘の母であろうとして
努力してみるけれど、
うまく折り合わなくて悩む姿もありました。

子どもを手放して、
施設に送らなくてはならない親たちが
子どもを愛していないわけではないのだ、
ということもよくわかります。

子どもと向き合う、というのは、
沢山の喜びをもたらしてくれるものではあるけれど、
時にぞっとするほど、
自分自身の暗闇とも向き合うものだと思います。


それにしても、
子どもとは、
健全に育つためにはまさに「餓鬼」のように
愛情を貪り食うかのごとく必要とする生き物である
ということも、
改めて認識しました。


愛情は、子どもが、大人に育つための
ガソリンであり、
気球が空へ上がるためのガスであり、
花が育つための土であると感じます。

それが満たされてこそ、
自分が存在することにOKが出せて、
すべてのスタート地点に立てるのでしょう。




本来、そうした愛情を注いで
自分の土台をつくってくれるのが
親なのでしょうけれど、
その親からうまく愛情を得られない、
まして、その親自体がいない、
その上、文化的な背景も違うところで育つとなると、
アイデンティティの危機感が
さらに高まることになります。

そんな危機感を抱きながら生きるということが
どんなものなのか、
そして、それを救うのも「愛」であるということ、
それを綴ったのが、『はちみつ色のユン』でした。




子どもに必要な「愛情」を与えられる人が
共に暮らしてくれるならば、
それはもう「家族」。
そこに、血のつながりは必要ないのだということを、
この映画たちは語っていました。

いっぽうで。
どんなにそうだとしても、
自分の存在の根源である親を、
人は自分の中で消し去ることはできず、
あるいは求め続ける。

親もまた、親として子どもを愛したい、
関わりたいと思いながら、
それができずに悩んだりする。



親と子。
血のつながりのある親と、ない親との
関係を描きながら、
「家族」や「親子」の危うさと
素晴らしさを描いている作品たちでした。



……とつらつら書きましたら、
なんか、私のことばでは
映画の良さについてはうまく表現できていません……


どうぞ、機会があったら、ぜひ、ご覧ください。


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●『隣る人』 参考情報
http://www.tonaru-hito.com/sakuhin.html
http://www.youtube.com/watch?v=aD_OkGxXyew
http://ameblo.jp/kamiyamaz/entry-11257128190.html

●『はちみつ色のユ』 参考情報
http://hachimitsu-jung.com/
http://www.youtube.com/watch?v=m7uXEmGe7fM




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