――メカと美少女と三角関係。
――ダ・ダ・ダ・ダ・ダン…♪
パパパパァ~パァ~~~♪――ズズズズズン…♪
パパパパァ~~~~~♪
――ダ・ダ・ダ・ダ・ダン…♪
パパパパァ~パァ~~~♪――ズズズズズン…♪
パパパパァ~パァ~~~♪
――ダ・ダ・ダ・ダ・ダン…♪
マクロのそぉ~~~らを~♪――ジャーン…♪
貫ぅ~いてぇ~~~♪――ズズゥーンズーン…♪
地球を撃~ぅったいっかぁずちぃはぁ~~~~♪
――フィフィッ♪
我等おさぁ~~~ない♪――ジャーン…♪
人るぅ~いにぃ~~~♪――ズズゥーンズーン…♪
目覚めてくぅ~れ・と♪ は・な・たれったぁ~~~~~~♪
マ~~クゥ~~ロス♪――ルルルルルル♪
マ~~クゥ~~ロス♪――ルルルルルルゥ~~♪
雄々しっくう~立ぁったぁ♪ わっかっ者ぉはぁ~~♪
愛するぅ~ひぃとを♪ 庇い~つつぅ♪
旅立つ日ぃ日を~♪ 戦ぁいひぃらくぅ~~~♪
ウィルュラァ~ヴ・ミィ~♪ トゥ~マァ~ロォ~♪
やっみぃを~切ぃ裂き♪ 飛び行ぅくぅ先ぃ~はぁ~~~♪
遠くぅ~♪ 輝くぅ♪
あ~おい星ぃ~~~~~~~♪
マ~~クゥ~~ロス♪――ペ~レレェ~~~♪
マ~~クゥ~~ロス♪――ペェーーーーー♪
――ジャ・ジャ・ジャ・ジャ・ジャン♪
マァ~~~~~♪ クロォ~~~~~~~ス…♪
パパパパァ~パァ~~~~♪
――パパッ♪――ジャジャン…♪
1982年10/3~1983年6/26迄、毎日放送をキーステーションにJNN系で放映されたTVアニメ。
『ヤマト』同様、複数の会社が参画した事で、知的財産権を巡り、かなり揉めてました。
幾度か訴訟が繰返された結果、映画の著作物としての権利は制作費を支出したタツノコプロに…キャラ&メカについてはデザインを担当したビックウエストとスタジオぬえに権利が有るとの判決が出されたそうな。
しかし実際のアニメ制作は、アートランド・アニメフレンド(タツノコの子会社)が主に担当してたそうで。
……真、著作権ってのは厄介ですな。(人気作品の場合、特にね)(汗)
OPタイトルは『マクロス』、作詞は阿佐茜…これは作品のチーフディレクター石黒昇氏・脚本家松崎健一氏・プロデューサー岩田弘氏の共同ペンネームだそうで、OP歌詞はその岩田氏が担当したそうな。
作曲は(故)羽田健太郎氏、歌ってるのは藤原誠氏。
西暦1999年(もう過ぎちまったんだな…)――
突如宇宙から飛来した謎の物体が、太平洋上の南アタリア島に墜落。
それは全長1km超もの、巨大な宇宙戦艦であった。
これにより異星人の実在を知った地球人類社会は、宇宙からの脅威に対処すべく、地球統合政府を樹立。
墜落艦を改修し、『SDF―1マクロス』と命名する。
2009年のマクロス進駐式当日――地球付近に異星人『ゼントラーディ軍』の艦隊が突如出現。
その存在を感知した途端、マクロスの主砲システムは勝手に作動し、異星人の戦艦群を撃破してしまう。
実はマクロスの正体は、ゼントラーディと敵対する陣営が仕掛けた、ブービートラップだったのだ。
こうして地球人類は否応無く宇宙戦争に巻き込まれる形となる。
ゼントラーディ軍の包囲網から逃れる為、マクロスはフォールド航行(要はワープです)を行い月の裏側への待避を図るも制御に失敗、南アタリア島一帯の住民を巻き込んでしまった末、冥王星軌道付近にまで飛ばされてしまう。
その際ワープ位置を設定する為のフォールドシステムが消失。
『マクロス』はロケット推進のみで、地球への長い帰還の旅を強いられる破目に陥る。
そんな中、巻込まれた南アタリア島住民5万8千人は、マクロス艦内に街を再建し、戦争の傍らで逞しくも普段の生活を営むのであった。
アクロバットパイロットだった主人公『一条輝』は、戦火の中出会った少女『リン・ミンメイ』に恋をし、彼女を守る目的から軍に入隊、可変戦闘機『バルキリー』のパイロットとなる。
しかしミンメイは『ミス・マクロス・コンテスト』で優勝し、艦内で人気アイドル歌手となって行くにつれ、輝から離れて行くのであった。(ミンメイ自身は輝に対し、「お友達」くらいの認識しか無かったらしい)
ミンメイの気持ちが読めず、苦悶する輝…何時しか彼の中で、喧嘩相手だった上官『早瀬未沙』の存在が、少しずつ大きくなって行く。
一方、戦いの中で次第に判明するゼントラーディ人の実態。
彼等は遺伝子操作により人種改良された、生まれつき戦う事しか知らない戦闘人種で在り、「文化」を持つ地球人種を『プロトカルチャー』と呼んで極端に恐れていた。
『プロトカルチャー』――それは『ゼントラーディ人』の創造主にして、遥か昔高度な文明を開いたと伝えられる異星人種の呼称。
地球文化との接触は、異星人の攻撃艦隊側に、文字通りのカルチャーショックを与える…。
――大分忘れてるんで、毎度粗筋はウィキ等から大幅に引用。(汗)
『ヤマト』・『ガンダム』に引き続き、アニメブームを起した作品として、アニメ史に記録されてます。(俗に「第3次アニメブーム」と呼ばれる)
2作品同様、やはり映画を切っ掛けに、一般にまで広く存在が認知されました。
んでこれも2作品同様、TV放映時はかなりの迷走を見せてまして。(笑)
放映前から誌上で特集を組まれ、ファンの期待はかなり大きかった。
複数の制作会社がタッグを組み、チーフディレクターはあの『ヤマト』で演出を担当していた石黒昇氏。
これまで目にした事の無い、斬新なメカニックデザイン(担当したのは宮武一貴氏と河森正治氏)
キャラクターデザイン美樹本晴彦氏の、可愛くお洒落な美少女イラスト。
…オタクの萌え心をこれでもかと刺激したのです。(笑)(余談ですが『オタク』と言う呼称は、この作品の主人公の呼び方から来てるとの説が有ります)
しかし蓋を開けてみれば、信じられない作画崩壊続き。
特に動画を間に挟まず原画のみで放送した11話は、アニメファンの間で「紙芝居」と揶揄された程。(原画・動画についての説明は、この章を御覧下さい)
これは海外発注していた動画が凄まじくレベルが低く、とても観賞に堪えうるものじゃなかったからだそうで。
日本の制作スタッフが修正しようにも間に合わず、結局動画を抜いたまま放送する事にしたんだと。
…今でも頻繁に起きてるトラブルだったり。(苦笑)
ちょっと話がズレますが…TVアニメにはさながらワインの如く、「当たり年」や「外れ年」と言うのが存在します。
1990年終り~1992年頃、1998年~2002年頃は、放映された殆どのアニメが作画崩壊を起してるという、魔の年代なのですよ。
嘘だと思うなら、その年代に制作されたアニメのビデオ(DVD)を借りて観ればいい。
高確率で「作画崩壊」を観られるから。(笑)(ビデオ収録時に修正が入れられてる場合も有るけど)
何でこういう事態が起るかと言うと、放送作品数が急激に増加し、アニメーターの手が足りなくなるから。
アニメーターと言うのは特殊な技能を持った職人さんで、腕の良い人なら尚更数が限られる。
各制作会社はその職人さん達を取り合ってる状況な訳ですよ。
以前ちらりと話したけど…現在アニメ業界は深刻な人手(主に作画アニメーター)不足に悩まされてます。
最盛期は5千人居たアニメーターが、今や1千人を切ってしまったそうで…。(恐ろしい事に500人前後だという説も有る…)
今放映されてる全TVアニメは、その約1千人をフルに稼動させ、何とか持ち堪えている状況なのですよ。
仕事がハードな割に給料が少ない(働いても初めは月3万位にしかならないとか…)等の理由から、辞めてく人が多いんですね。
好きな絵を描きたくてもPCで管理される様になってからは難しくなったし。
好きな演出したくても、「原作通りにしろ」と作者&出版社側から、一々チェック入れられるし。
「金無い、自由が無い、名誉も認められない」で、仕事してて「面白くない」んですな。
このまま行くと年間1~2兆円の利益を計上してる、国内に於いて数少ない黒字産業は廃れるかもしれないと、真剣に危機が叫ばれているのです。
…話が大幅にズレそうなんで、一旦止めて作品に戻ります。(汗)
信じられない作画崩壊を引起しつつ、他方で物凄い気合の入った演出&作画を観せる回が流されたりと、TVマクロスは回によって出来がまちまちだった。
板野一郎氏、平野俊弘(現:平野俊貴)氏、庵野秀明氏等、技術の高さからファンの間で注目を浴びるアニメーターも現れた。
特に板野一郎氏の描くメカアクションシーンは、立体的かつリアリティに溢れ、後のアニメーターに多大なる影響を与えたのです。
空中で縦横無尽天地無用に乱れ飛ぶミサイルは圧巻、観たファンはそれを『板野サーカス』・『納豆ミサイル』等と褒め称えました。(OPのバルキリー飛来~戦闘シーンは氏が担当したもの)
後に『ガイナックス』を立ち上げ、エヴァンゲリオンを制作する山賀博之氏・庵野秀明氏は、自主制作アニメの出来をCD石黒氏に認められ、アマチュアながら制作に参加、やはりファンから注目されます。
『うる星』同様、若い血を積極的に導入し、自由に表現させた事で、『マクロス』はアニメ史に名を刻む事が出来たのです。
第27話『愛は流れる』は現在の目で観ても(パワーの点では明らかに現在のアニメより勝ってる)、レベルが高いエピソード。
中盤のメカアクション~ラストには、感動せずに居られない。
…そこで終ってれば良かったんですがね~。(苦笑)
「玩具が売れたから延長しろ!」とスポンサーだった某会社に命令され、急遽9話分延長される事が決定。
結果昼ドラ的な要らんおまけが付きました。
あれは要らない…制作者側でも「真の最終回は27話」って言ってる事だし…今から観る人は27話迄にしといた方が良いですよ。(笑)
すったもんだ続きのTV放送で溜った鬱憤を晴らす様に制作された映画『愛・おぼえていますか(1984年公開)』は、作画&演出レベル最高峰と讃えられる傑作。
TV版とは大分設定変ってるんですが、27話で観せた様な展開を軸にして、見事に纏めてます。
設定が違うのは「戦勝20周年を記念して作られた映画」という、言わば劇中作として作られたからだそうで…だから主役は輝じゃなくミンメイ。
観た人の誰かが、「良く出来た(アイドル)プロモーションアニメだ」なんて皮肉述べてたけど…成る程と納得してしまったり。(笑)
クライマックスシーンだけで申し訳無いが、もしも興味有りましたら観てみて下さい。(音が出ます→http://www.youtube.com/watch?v=TagFZjZYFhw)
CG無くしてこれだけ描ける……人が持つ技術力に驚嘆します。
映画主題歌『愛・おぼえていますか(故:安井かずみ氏作詞、加藤和彦氏作曲)』は、本当に名ソングだと思う。
当時オリコントップ10内に入り、歌っていた飯島真理氏は『ザ・ベストテン』にまで出演したのです。
「アニソンを利用して歌(歌手)を売る」発想はうる星からだけど、実現化させたのはマクロスでして。
今声優さんが作品とは別に、タレントの如く歌ったり写真集出したりするのがブームですが、そのモデルを作ったのは飯島真理氏じゃないかと。
ミンメイ役として劇中で歌い、現実のアイドルとして育って行った彼女が、後の声優アイドルブームを築いたのではなかろうかとね。
放映中、マクロスが注目を浴びた箇所は数有れど、大きく挙げるなら2点――
・斬新なメカデザイン。
…1.2kmもの要塞(その中では人が街を造り居住している)が、戦闘時巨大ロボットに変形するというアイディアも凄まじいけど、なんと言っても『バルキリー』と呼ばれるロボットが革命的だった。
「ファイター(戦闘機)」→「ガウォーク(コンパスに似た形状とでも表現したものか…)」→「バトロイド(人型)」と、三段階に変形する軍用ロボット。
カラーリングも従来のロボとは違い、すっきりとした白色で、女から見ても格好良い。
アニメ通りに変形する玩具が爆発的に売れ、以降のロボットは『バルキリー』を雛形にして進化してく様になったのです。
暫く『バルキリー』的な、腰を中心に、脚が後ろへ行くタイプのロボが続いたもんな~。(笑)
・作中に於けるヒロインの交代。
…初は『うる星』だけど、これは意図して行った訳じゃない。
アニメの場合は当初から「ラム」をヒロインに据えてたし。
所がマクロスの場合、どうやら当初から「ヒロイン交代」を企んでたらしい。(笑)
最初は別の女の子をヒロインの如く派手に描き、真のヒロインは地味目に設定していた。
そうして段々と立場逆転させてく積りだったそうな。
思惑は成功し、ファンはミンメイと未沙、どちらが主人公と結ばれるのか、最後までやきもきして見守る事に。
結果、選ばれたのは……だった訳ですが…かなり反響はデカかったです。(笑)
それを頭に入れてEDの歌詞を見ると…成る程と納得が行く。
良くも悪くも後のアニメに多大なる影響を与えた事から、『うる星』同様未だに賛否両論喧しいですが…「争いを治めるのは『文化』。異文化を受け容れられるかどうかが、戦争終結の鍵を握ってる」という作品の主張は、鋭いトコを突いてると感心してしまったり。
間違い無く80年代を代表するアニメだと思うのですよ。
参考)…マクロス公式サイト(→http://www.macross.co.jp/)&フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
…今TBSで水曜26:57~27:27(木曜の深夜2:57~3:27って事か?)に再放送してるみたいで…へ~~知らんかったな…。
――ダ・ダ・ダ・ダ・ダン…♪
パパパパァ~パァ~~~♪――ズズズズズン…♪
パパパパァ~~~~~♪
――ダ・ダ・ダ・ダ・ダン…♪
パパパパァ~パァ~~~♪――ズズズズズン…♪
パパパパァ~パァ~~~♪
――ダ・ダ・ダ・ダ・ダン…♪
マクロのそぉ~~~らを~♪――ジャーン…♪
貫ぅ~いてぇ~~~♪――ズズゥーンズーン…♪
地球を撃~ぅったいっかぁずちぃはぁ~~~~♪
――フィフィッ♪
我等おさぁ~~~ない♪――ジャーン…♪
人るぅ~いにぃ~~~♪――ズズゥーンズーン…♪
目覚めてくぅ~れ・と♪ は・な・たれったぁ~~~~~~♪
マ~~クゥ~~ロス♪――ルルルルルル♪
マ~~クゥ~~ロス♪――ルルルルルルゥ~~♪
雄々しっくう~立ぁったぁ♪ わっかっ者ぉはぁ~~♪
愛するぅ~ひぃとを♪ 庇い~つつぅ♪
旅立つ日ぃ日を~♪ 戦ぁいひぃらくぅ~~~♪
ウィルュラァ~ヴ・ミィ~♪ トゥ~マァ~ロォ~♪
やっみぃを~切ぃ裂き♪ 飛び行ぅくぅ先ぃ~はぁ~~~♪
遠くぅ~♪ 輝くぅ♪
あ~おい星ぃ~~~~~~~♪
マ~~クゥ~~ロス♪――ペ~レレェ~~~♪
マ~~クゥ~~ロス♪――ペェーーーーー♪
――ジャ・ジャ・ジャ・ジャ・ジャン♪
マァ~~~~~♪ クロォ~~~~~~~ス…♪
パパパパァ~パァ~~~~♪
――パパッ♪――ジャジャン…♪
1982年10/3~1983年6/26迄、毎日放送をキーステーションにJNN系で放映されたTVアニメ。
『ヤマト』同様、複数の会社が参画した事で、知的財産権を巡り、かなり揉めてました。
幾度か訴訟が繰返された結果、映画の著作物としての権利は制作費を支出したタツノコプロに…キャラ&メカについてはデザインを担当したビックウエストとスタジオぬえに権利が有るとの判決が出されたそうな。
しかし実際のアニメ制作は、アートランド・アニメフレンド(タツノコの子会社)が主に担当してたそうで。
……真、著作権ってのは厄介ですな。(人気作品の場合、特にね)(汗)
OPタイトルは『マクロス』、作詞は阿佐茜…これは作品のチーフディレクター石黒昇氏・脚本家松崎健一氏・プロデューサー岩田弘氏の共同ペンネームだそうで、OP歌詞はその岩田氏が担当したそうな。
作曲は(故)羽田健太郎氏、歌ってるのは藤原誠氏。
西暦1999年(もう過ぎちまったんだな…)――
突如宇宙から飛来した謎の物体が、太平洋上の南アタリア島に墜落。
それは全長1km超もの、巨大な宇宙戦艦であった。
これにより異星人の実在を知った地球人類社会は、宇宙からの脅威に対処すべく、地球統合政府を樹立。
墜落艦を改修し、『SDF―1マクロス』と命名する。
2009年のマクロス進駐式当日――地球付近に異星人『ゼントラーディ軍』の艦隊が突如出現。
その存在を感知した途端、マクロスの主砲システムは勝手に作動し、異星人の戦艦群を撃破してしまう。
実はマクロスの正体は、ゼントラーディと敵対する陣営が仕掛けた、ブービートラップだったのだ。
こうして地球人類は否応無く宇宙戦争に巻き込まれる形となる。
ゼントラーディ軍の包囲網から逃れる為、マクロスはフォールド航行(要はワープです)を行い月の裏側への待避を図るも制御に失敗、南アタリア島一帯の住民を巻き込んでしまった末、冥王星軌道付近にまで飛ばされてしまう。
その際ワープ位置を設定する為のフォールドシステムが消失。
『マクロス』はロケット推進のみで、地球への長い帰還の旅を強いられる破目に陥る。
そんな中、巻込まれた南アタリア島住民5万8千人は、マクロス艦内に街を再建し、戦争の傍らで逞しくも普段の生活を営むのであった。
アクロバットパイロットだった主人公『一条輝』は、戦火の中出会った少女『リン・ミンメイ』に恋をし、彼女を守る目的から軍に入隊、可変戦闘機『バルキリー』のパイロットとなる。
しかしミンメイは『ミス・マクロス・コンテスト』で優勝し、艦内で人気アイドル歌手となって行くにつれ、輝から離れて行くのであった。(ミンメイ自身は輝に対し、「お友達」くらいの認識しか無かったらしい)
ミンメイの気持ちが読めず、苦悶する輝…何時しか彼の中で、喧嘩相手だった上官『早瀬未沙』の存在が、少しずつ大きくなって行く。
一方、戦いの中で次第に判明するゼントラーディ人の実態。
彼等は遺伝子操作により人種改良された、生まれつき戦う事しか知らない戦闘人種で在り、「文化」を持つ地球人種を『プロトカルチャー』と呼んで極端に恐れていた。
『プロトカルチャー』――それは『ゼントラーディ人』の創造主にして、遥か昔高度な文明を開いたと伝えられる異星人種の呼称。
地球文化との接触は、異星人の攻撃艦隊側に、文字通りのカルチャーショックを与える…。
――大分忘れてるんで、毎度粗筋はウィキ等から大幅に引用。(汗)
『ヤマト』・『ガンダム』に引き続き、アニメブームを起した作品として、アニメ史に記録されてます。(俗に「第3次アニメブーム」と呼ばれる)
2作品同様、やはり映画を切っ掛けに、一般にまで広く存在が認知されました。
んでこれも2作品同様、TV放映時はかなりの迷走を見せてまして。(笑)
放映前から誌上で特集を組まれ、ファンの期待はかなり大きかった。
複数の制作会社がタッグを組み、チーフディレクターはあの『ヤマト』で演出を担当していた石黒昇氏。
これまで目にした事の無い、斬新なメカニックデザイン(担当したのは宮武一貴氏と河森正治氏)
キャラクターデザイン美樹本晴彦氏の、可愛くお洒落な美少女イラスト。
…オタクの萌え心をこれでもかと刺激したのです。(笑)(余談ですが『オタク』と言う呼称は、この作品の主人公の呼び方から来てるとの説が有ります)
しかし蓋を開けてみれば、信じられない作画崩壊続き。
特に動画を間に挟まず原画のみで放送した11話は、アニメファンの間で「紙芝居」と揶揄された程。(原画・動画についての説明は、この章を御覧下さい)
これは海外発注していた動画が凄まじくレベルが低く、とても観賞に堪えうるものじゃなかったからだそうで。
日本の制作スタッフが修正しようにも間に合わず、結局動画を抜いたまま放送する事にしたんだと。
…今でも頻繁に起きてるトラブルだったり。(苦笑)
ちょっと話がズレますが…TVアニメにはさながらワインの如く、「当たり年」や「外れ年」と言うのが存在します。
1990年終り~1992年頃、1998年~2002年頃は、放映された殆どのアニメが作画崩壊を起してるという、魔の年代なのですよ。
嘘だと思うなら、その年代に制作されたアニメのビデオ(DVD)を借りて観ればいい。
高確率で「作画崩壊」を観られるから。(笑)(ビデオ収録時に修正が入れられてる場合も有るけど)
何でこういう事態が起るかと言うと、放送作品数が急激に増加し、アニメーターの手が足りなくなるから。
アニメーターと言うのは特殊な技能を持った職人さんで、腕の良い人なら尚更数が限られる。
各制作会社はその職人さん達を取り合ってる状況な訳ですよ。
以前ちらりと話したけど…現在アニメ業界は深刻な人手(主に作画アニメーター)不足に悩まされてます。
最盛期は5千人居たアニメーターが、今や1千人を切ってしまったそうで…。(恐ろしい事に500人前後だという説も有る…)
今放映されてる全TVアニメは、その約1千人をフルに稼動させ、何とか持ち堪えている状況なのですよ。
仕事がハードな割に給料が少ない(働いても初めは月3万位にしかならないとか…)等の理由から、辞めてく人が多いんですね。
好きな絵を描きたくてもPCで管理される様になってからは難しくなったし。
好きな演出したくても、「原作通りにしろ」と作者&出版社側から、一々チェック入れられるし。
「金無い、自由が無い、名誉も認められない」で、仕事してて「面白くない」んですな。
このまま行くと年間1~2兆円の利益を計上してる、国内に於いて数少ない黒字産業は廃れるかもしれないと、真剣に危機が叫ばれているのです。
…話が大幅にズレそうなんで、一旦止めて作品に戻ります。(汗)
信じられない作画崩壊を引起しつつ、他方で物凄い気合の入った演出&作画を観せる回が流されたりと、TVマクロスは回によって出来がまちまちだった。
板野一郎氏、平野俊弘(現:平野俊貴)氏、庵野秀明氏等、技術の高さからファンの間で注目を浴びるアニメーターも現れた。
特に板野一郎氏の描くメカアクションシーンは、立体的かつリアリティに溢れ、後のアニメーターに多大なる影響を与えたのです。
空中で縦横無尽天地無用に乱れ飛ぶミサイルは圧巻、観たファンはそれを『板野サーカス』・『納豆ミサイル』等と褒め称えました。(OPのバルキリー飛来~戦闘シーンは氏が担当したもの)
後に『ガイナックス』を立ち上げ、エヴァンゲリオンを制作する山賀博之氏・庵野秀明氏は、自主制作アニメの出来をCD石黒氏に認められ、アマチュアながら制作に参加、やはりファンから注目されます。
『うる星』同様、若い血を積極的に導入し、自由に表現させた事で、『マクロス』はアニメ史に名を刻む事が出来たのです。
第27話『愛は流れる』は現在の目で観ても(パワーの点では明らかに現在のアニメより勝ってる)、レベルが高いエピソード。
中盤のメカアクション~ラストには、感動せずに居られない。
…そこで終ってれば良かったんですがね~。(苦笑)
「玩具が売れたから延長しろ!」とスポンサーだった某会社に命令され、急遽9話分延長される事が決定。
結果昼ドラ的な要らんおまけが付きました。
あれは要らない…制作者側でも「真の最終回は27話」って言ってる事だし…今から観る人は27話迄にしといた方が良いですよ。(笑)
すったもんだ続きのTV放送で溜った鬱憤を晴らす様に制作された映画『愛・おぼえていますか(1984年公開)』は、作画&演出レベル最高峰と讃えられる傑作。
TV版とは大分設定変ってるんですが、27話で観せた様な展開を軸にして、見事に纏めてます。
設定が違うのは「戦勝20周年を記念して作られた映画」という、言わば劇中作として作られたからだそうで…だから主役は輝じゃなくミンメイ。
観た人の誰かが、「良く出来た(アイドル)プロモーションアニメだ」なんて皮肉述べてたけど…成る程と納得してしまったり。(笑)
クライマックスシーンだけで申し訳無いが、もしも興味有りましたら観てみて下さい。(音が出ます→http://www.youtube.com/watch?v=TagFZjZYFhw)
CG無くしてこれだけ描ける……人が持つ技術力に驚嘆します。
映画主題歌『愛・おぼえていますか(故:安井かずみ氏作詞、加藤和彦氏作曲)』は、本当に名ソングだと思う。
当時オリコントップ10内に入り、歌っていた飯島真理氏は『ザ・ベストテン』にまで出演したのです。
「アニソンを利用して歌(歌手)を売る」発想はうる星からだけど、実現化させたのはマクロスでして。
今声優さんが作品とは別に、タレントの如く歌ったり写真集出したりするのがブームですが、そのモデルを作ったのは飯島真理氏じゃないかと。
ミンメイ役として劇中で歌い、現実のアイドルとして育って行った彼女が、後の声優アイドルブームを築いたのではなかろうかとね。
放映中、マクロスが注目を浴びた箇所は数有れど、大きく挙げるなら2点――
・斬新なメカデザイン。
…1.2kmもの要塞(その中では人が街を造り居住している)が、戦闘時巨大ロボットに変形するというアイディアも凄まじいけど、なんと言っても『バルキリー』と呼ばれるロボットが革命的だった。
「ファイター(戦闘機)」→「ガウォーク(コンパスに似た形状とでも表現したものか…)」→「バトロイド(人型)」と、三段階に変形する軍用ロボット。
カラーリングも従来のロボとは違い、すっきりとした白色で、女から見ても格好良い。
アニメ通りに変形する玩具が爆発的に売れ、以降のロボットは『バルキリー』を雛形にして進化してく様になったのです。
暫く『バルキリー』的な、腰を中心に、脚が後ろへ行くタイプのロボが続いたもんな~。(笑)
・作中に於けるヒロインの交代。
…初は『うる星』だけど、これは意図して行った訳じゃない。
アニメの場合は当初から「ラム」をヒロインに据えてたし。
所がマクロスの場合、どうやら当初から「ヒロイン交代」を企んでたらしい。(笑)
最初は別の女の子をヒロインの如く派手に描き、真のヒロインは地味目に設定していた。
そうして段々と立場逆転させてく積りだったそうな。
思惑は成功し、ファンはミンメイと未沙、どちらが主人公と結ばれるのか、最後までやきもきして見守る事に。
結果、選ばれたのは……だった訳ですが…かなり反響はデカかったです。(笑)
それを頭に入れてEDの歌詞を見ると…成る程と納得が行く。
良くも悪くも後のアニメに多大なる影響を与えた事から、『うる星』同様未だに賛否両論喧しいですが…「争いを治めるのは『文化』。異文化を受け容れられるかどうかが、戦争終結の鍵を握ってる」という作品の主張は、鋭いトコを突いてると感心してしまったり。
間違い無く80年代を代表するアニメだと思うのですよ。
参考)…マクロス公式サイト(→http://www.macross.co.jp/)&フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
…今TBSで水曜26:57~27:27(木曜の深夜2:57~3:27って事か?)に再放送してるみたいで…へ~~知らんかったな…。