フレッド・シャッフル…2047年1/28生まれ、11歳、A型。(↑)
ロディの弟で、行動派の兄とは対照的に、頭脳派で泣き虫な少年。
危険を顧みない兄の行動に何時もやきもきさせられている。
大抵の場合年下の方が積極的な性格になるもんですが…てゆーかこの年で兄貴を「兄さん」と呼び、親しく懐いてるってのも珍しい様な。
コンピューターはマキに続いて扱い慣れていて、戦闘よりブリッジで活躍する姿をよく見掛けた。
その分ジェイナスを降りてからの活躍が今一影薄い…。
しかし『高下駄』は彼のアイディアで、それが無ければ年下組がRVに乗れなかった事を忘れてはならない。
大人しい性格が災いして、頻繁に食事当番を擦り付けられていた。
逆な性格が惹きつけ合うのか、ケンツと案外仲良しさん。
好きなコはペンチ、出会って早々一目惚れ、彼女の為なら火の中水の中、ミスを帳消しにしようとシチューを掻っ込む姿は、健気で涙を誘われたもの。
実はペンチもフレッドの事が好きなようで、さながら新婚さんの如くイチャイチャする2人に、周りが遠慮して場を譲るというシーンも見られた。
恐らく結婚は兄貴より早かろう。(笑)
余談だが声をアテていた菊池英博氏は当時リアルに小学生、演じている間に声変わりを迎え、どんどん声が低くなって行ったのには驚いた。
制作スタッフは内心ハラハラしてたに違いない。
★第28話「囚われのロディ」脚本○ 演出○ 作画○ 総合○
タウト星に地球人は居ない――知らされた真実に絶望し、深く沈黙するロディ。
そんな彼に、下から届く男の声が、「話がしたい」と訴える。
ショックのあまり1度は素気無く断ったものの、泣き叫ぶ赤ん坊の声が耳に入った彼は、男からお腹が空いてる事情を訊くと、シーツを引き千切り拵えた紐で、自分に与えられた食事を下ろしてやった。
「素晴しい御馳走を有難う!私達に出される物より、ずっと良いです!」、男が下から感謝を述べる。
食器を返して貰いに手繰り寄せた紐には、ロープが結わえてあった。
驚くロディに声が告げる――「少し貴方と話をさせて下さい!」
暫くしてロープを伝い、上って来た声の主は、「ジェダ」と名乗った。
その頃ジェイナスでは敵陣に単身潜り込んだロディを助けようと、スコット達があらゆる策を講じていた。
一縷の望みを持ってローデンに救援を乞うも、無線は貝の如く押し黙ったまま。
無鉄砲な兄を心配するフレッドは、ブリッジで生きた心地無く塞ぎ込んで居た。
クレアが飲物を渡して気遣うも、零れる涙は止らない。
拒まれたグラスを、クレアは無言でトレイに戻した。
ケ「早く何とかしないと処刑されちゃうぞ!!」
焦れて放ったケンツの一言を聞き、堪らずブリッジから飛出してくフレッド。
スコットから言動の無神経さを注意されたケンツも渋々ブリッジを出る。
その頃カチュアは密かにロディを救出に向う為の準備をしていた。
傍で心配するジミーに「この役目は異星人である自分にしか出来ない。だから黙って行かせてくれ」と頼んだ後、カチュアは小型艇に乗り出て行った。
突然ハッチが開いた事に驚き、ブリッジが確認を入れる。
「またケンツか!?」――だがそこへ噂の奴がスコットから受けた罰通りに、皆の非常食を用意してブリッジに現れた。
だとしたら誰が!?…訝しむブリッジに、無線を通してカチュアの言葉が流れる。
「私達は此処に捕まっている人達に会いに来ました!私は地球人ではありません、ククトニアンです!お願いします!両親に会わせて下さい!チャン、カア、ソドニ、タイアイ…!」
カチュアの考えを知ったジェイナスの他クルーは、手を出すのを我慢して見守った。
必死で呼掛ける彼女に、異星人のRVが忍び寄る。
一方ロディは、ジェダから彼らの素性や目的を訊かされていた。
我々は反戦争を掲げ、地球との和平の道を探るグループである。
その活動が政府の目に止り、危険思想を持った集団として、このタウト星に囚われたのだ。
ククトニアンの全てが戦いを望んでいる訳ではない。
その事を地球人に伝えて欲しい…。
「いけないと決め付ける事、この国ではもっといけないとされています。いけない事を『いけない』と言えない、この事1番恐い事です!」
話してるそこへ、ロディを連れにククト兵がやって来る。
別れ際ジェダは自分達が脱走を企てている事を打ち明け、機が訪れたら隙を衝いて逃げるよう彼に伝えるのだった。
タウト星に囚われたカチュアは、司令部からロディ同様の尋問を受けていた。
ククトニアンで在りながらククトの言語が通じない事に不審を露にする司令官達。
尋ねられたカチュアは自分の素性を素直に話した。
「自分は地球人に拾われ、育てられた」と…聞いた司令部に、どよめきが広がる。
そこへロディが連行されてやって来た。
カチュアの姿を見て、驚くロディ。
2人が揃った所で尋問が再開される。
――その時、遂にジェダ達が脱走計画を開始した。
隙を見て取り調べ室から逃げ出す事に成功するロディとカチュア。
一方ジェイナスに残ったクルーも、タウト星で起っている変化を感じていた。
ケンツが「きっと捕まってる人間達が反乱を起したんだ!」と叫ぶ。
始めは疑うもデータを分析した結果、中で爆発が起ってるのは間違い無いらしい。
ならばチャンス到来とばかりにバーツ・ケンツ・スコットまでもRVで出撃。
更にフレッドも向おうとしたが、スコットから「感情で突っ走る恐れが有る」と止められる。
その頃ロディとカチュアは、押収されたバイファムを取戻しに、爆音轟く基地内を走り抜けていた。
見付かったバイファムは幸い何処も異常無く、搭乗して脱出しようとした所で敵兵に見付かり戦闘。
ピンチに陥ったその時、奪った敵方の機体に乗るジェダ達が、救いに現れた。
それを丁度救出に来たスコット達が目にし、ロディのバイファムが敵RVに包囲されてると勘違いしてしまう。
突進するスコットを慌てて止め、事情を説明するロディ。
無事に帰還したロディとカチュアに大喜びするジェイナスのクルー達。
しかしタウト星には既に両親が居ない事を聞かされた彼らは、ロディ同様深く打ちのめされるのだった……。
(感想)…この回からOP前に流すスポット映像が流れなくなった。
まぁ本編でどうせ流れる映像だし、むしろ再び観せられずに済むようなって良かったが。(笑)
この回で最も印象深かったのはジェダさんの「いけない事を『いけない』と言えない、この事1番恐い事です」という台詞。
私の中ではクリィミーマミの「泣く事は暴力と同じ」に並ぶ名台詞で御座います。(笑)
ファシズムの始まりは言論弾圧なのだなと、幼いながら感じたものです。
それは兎も角…このジェダさん達は最終回まで絡んで来る。
で異星人なのに何故地球語喋れるかっつうと、翻訳機を持ってるからで、これは軍の司令部も同じ、決して「アニメのお約束」って訳じゃないのです。(笑)
後々翻訳機は出て来ますが、使用してるなら普通に発音させても良いんじゃないかと思わなくもない…雰囲気重視?しかし演じてる方々上手いなー。
それとククト語をわざわざ設定したスタッフも偉い、例え単なる並び替えでも。(笑)
ククト人の食べ物なんかもちゃんと設定してあるんですよ。
設定資料見た事有るんすが、詳細な説明入りで驚いた。
他細々気になったシーン…基地から逃げる際、煙を吸って咳き込むカチュアに、ヘルメットを被せてやるロディ…何気にフェミニストな主人公である。
スコットに罰として非常食を作るよう言われ、素直に持って来るケンツが可愛い。
そして何の助けにもならなかったが、勇ましく(練習用)バイファムに乗って救出に来たスコット…深刻な話を和ませる良いシーンでした。(笑)
にしてもジェイナスには一体何機のRVが在ったのでしょう?
★第29話「タウト星脱出命令」脚本○ 演出○ 作画○ 総合○
数時間後、タウト星はジェダ達和平論者の手で占拠された。
安全になった基地内を、先に訪れたロディとカチュアが、皆を案内して廻る。
その際ロディは、和平派のリーダーである「ジェダ」について話した。
シ「ククトニアンってさ!皆敵だと思ってたんだけど、そういうのも居るんだな!」
基地内を探検する途中、マルロ&ルチーナから「パパやママが居た部屋に行きたい」とせがまれたロディ達は、収容所へと向った。
薄暗くベッドも無い簡素な部屋で、クレアが壁に書かれた無数の文字に気が付く。
それは囚われた人達が残したメッセージ。
ひょっとしたら自分達の両親が残した物も見付かるかも!――薄明りの下、目をじっと凝らして読んで行く彼ら。
バーツが壁の1点を指差し、大声でルチーナを呼んだ。
「有ったぞ!ルチーナ!お前のパパとママが残したメッセージだ!」
ルチーナにせがまれた彼が、ゆっくりと読んでやる。
愛するルチーナへ……聞き終った途端、彼女は壁のメッセージに縋って泣いた。
それを見たマルロも泣きながら「自分の分も見付けてくれ」とクレアに強請る。
他の皆も俄然躍起になって探し回った。
未だ縋って泣くルチーナを、カチュアが優しく慰める。
啜り泣きが部屋いっぱいに充満した。
雰囲気に耐えられなくなったバーツ・スコット・マキは、年少組の世話をシャロンらに任せ、ロディの案内でジェダに話を訊きに行く。
そんな彼らを物陰から監視する視線が有った。
4人が訪れた時、ジェダの様子は何処と無く焦って見えた。
彼はロディ達にククト兵を独り逃した事を告げる。
更に彼は地球人の捕虜がククト星に連れ去られた事を教えてくれた。
「ククトニアンがその星で暮らせるかどうか…我々に最も近いアニマル…失礼!地球人を使って実験する目的で…」
その上でジェダはジェイナスに積んである遺跡の秘密を語った。
「あれは元々死んだ星を再生させる装置だったが、後にコンピューターの誤作動を誘発する機能を持たされた」と。
「コンピューターが狂わされて困ったでしょう?」と話すジェダに彼らは否定して返した。
「いえ、僕らにとっては『ガーディアン』でした」と――話を聞いて不思議がるジェダ。
そこへ地球艦隊接近の知らせが入る。
今は交渉する段階ではない、そう判断したジェダ達グループは、ロディに自分達の行き先もククトである事を告げ、タウト星を去って行った。
やがて到着した地球軍の艦隊は、ローデン大佐のものだった。
ジェダ達グループが攻撃されないよう説得に向う4人。
その途中でロディはジェイナスを密かに見詰める男に気付いた。
スコットらを先に行かせ、独り対峙するロディ。
逆光を背に只者ではない威圧感を漂わす謎の男…一瞬怯んだ隙に男はロディの前から姿を消した。
スコット達の説得を受け、ローデン大佐が直ぐに攻撃を止める。
しかしそれは「敵中の敵は利用すべき」という思惑有っての事だった。
そして都合良く異星人が撤退したタウト星を、地球側の前線基地にしようと企んだ大佐は、スコット達にククト星宙域からの退去を命じる。
だが両親が囚われてると言うククト星を目前にして、そんな話は子供達にとって到底納得行くものではない。
「考えが大人なんだよ!」
情より仕事を優先しようとする大佐をバーツが詰る。
しかしそこへ敵が大部隊を組んで巻き返しに来た。
直ぐに戦闘配置に付き、迎え撃つ地球軍。
両軍が交戦してる隙にロディ・バーツ・ケンツの3人は、大佐の艦隊が運んで来たRV用新装備『スリング・パ二アー』をこっそり持ち出す。
『スリング・パ二アー』とは大気圏内で飛行する為のアタッチメントで、来る地上戦を考えると絶対に必要な物に思われた。
両親を助けにククト星へ向う――大佐から何と言われようが、子供達全員の気持ちは変らなかった……。
(感想)…ローデン大佐の件は後に回すとして。
両親の手懸りを見付けようと皆で落書きを探すシーンが切なくて涙無しでは観られない。(アウシュ○ッツが元ネタかな…)
んで説明無いけど結局ルチーナの両親のものしか見付からなかったと思われ。
この回まで進むとキャラがそれぞれ自分の役割を掴んで動いてるのが解る。
特に年長組男子3人が必ず皆の中心に立って居て頼もしいったら。
そしてカチュア…皆が両親の身を案じて泣いてる時も、彼女だけは幼い2人を気遣ったりと、周囲を冷静に見ている。
その訳は彼女の優しさも勿論ですが、彼女は(地球人の)自分の両親が死んでるのを既に判っていて、案じる必要が無いからだろうと。
15話でもそんな描写が有りますが、見る度に切なくなる。
他ジェダさんが差別意識の無い善人に描かれてない所も細かい。
戦争反対を唱えながら一方で彼らも戦争している事を、暗に匂わせる描写に感心させられた。
謎の男の正体は此処では内緒、ただ対峙する際のロディの表情の変化に注目。
一瞬頼りなく怯えを見せた後、キリッとした顔で銃を構えるという…描いたアニメーターさんは素晴しい。
★第30話「決死の大気圏突入」脚本○ 演出○ 作画○ 総合○
ローデン大佐の艦隊と敵の艦隊が激しい攻防戦を繰り広げてる間に、ジェイナスは着々と発進準備を整えていた。
その一方でロディとケンツは、大佐の軍が苦戦してるのを気に止め、スコットに加勢するべきだと主張する。
だがスコットは「今更発進を遅らせる事は出来ない」と首を振った。
彼の言葉にマキやフレッドも同意する。
発進か、加勢か、二派に分かれて大いに揉めたものの、最終的にはキャプテンのスコットの判断で発進するジェイナス。
その頃大佐は、子供達が勝手に出た事を知らされ、苦々しい顔で呟いていた。
「あの聞かん気共が…!」
そこへ敵艦が火を噴きながらタウト星に衝突。
戦っていた両軍共、星の大爆発に巻き込まれ、呆気無く消滅してしまった。
果てしない闇の中、拡散して行く閃光。
その光景をジェイナスのクルー達は息を呑んで見詰めた。
ス「ローデン大佐!?大佐!!大佐ー!!!」
マ「…無駄よ…皆消えちゃったわ…」
無線で必死に呼び掛けるスコットを、マキが沈んだ声で止める。
ブリッジは重苦しい沈黙に包まれた。
ケ「見ろ!やっぱり応援に行かなきゃいけなかったんだい!」
フ「違うよ!これで良かったんだ!…行ってたら皆死んでたよ!!」
叫ぶフレッドにバーツやスコットも同調する。
再び子供達だけで宇宙を航行するジェイナス。
ロディらは手に入れたスリング・パ二アーを早速自分の機体に装着する。
作業が終った後で、ロディはバーツに自分の気持ちを漏らした。
やはりタウト星から自分達だけ脱出したのは間違いじゃなかったかと今でも悔やんでる…もしも加勢してれば全滅せずに済んだかもしれない…大佐を見殺しにしたようで気分が悪いんだ…。
その時、迎えに出ていたフレッドが、ロディを激しく詰った。
「自信過剰なんだ兄さんは!!自分は死なないとでも思ってるの!?自分が1番強いとでも思ってるの!?兄さんは何時も危ない所に居て得意になってるんだ!!」
傍で見ている僕の気持ちなんて考えてもくれない…一方的に怒鳴って去るフレッドを、呆気に取られた顔で見送るロディ。
そんな彼にバーツはフレッドの気持ちを代弁するよう言った。
「命知らずの兄貴を持つと、俺もああなるね」
バーツから、自分が捕まってる間フレッドは殆ど寝てない事を聞かされ、ロディは初めて自分を心配する周りの気持ちを意識する。
兄弟が揉めてる頃、キャプテンであるスコットは、ククト星にどうやって着陸するかで、頭を痛めていた。
ジェイナスで大気圏に突入するのは無理が有る、だとしてRVも持って行けない、気は進まないが宇宙に置いて行こう。
食事しながら話すスコットに、バーツやケンツやシャロンらが激しく異を唱える。
ス「仕方ないじゃないか!無理にしたら船は融けてしまうよ!」
シ「バーベキューか!」
ケ「いや5等級以上の船は緊急着陸出来る筈だ!」
ス「例え着陸出来ても二度と飛び立てなくなるだろう!」
ケ「でもジェイナスを置いてくなんて…!」
カ「キャプテン、遺跡はどうするんですか?」
バ「そうだぜェ、俺達の守護神を置いてく訳にはいかねェよな~?」
喧々囂々討論した末、スコットはバーツに手伝いを頼み、再び計算に向った。(自主参加でケンツも)
その頃フレッドは落書きプロムナードで、自分達兄弟の似顔絵をじっと見詰めていた。
彼を心配して現れたペンチに、泣いてぶちまける兄への不満。
兄さんなんて1度痛い目見ればいい…本意からではない叫びを耳にして、件の兄貴がやって来る。
毒づくフレッドをロディは無理矢理風呂に引っ張り込んだ。
始めこそ意地を張っていたものの、次第に打ち解けて来るフレッド。
湯船に仲良く浸かりながら、弟は兄に「もう危ない事はしない」と約束させ、兄は弟に頷きで返すのだった。
兄弟が仲直りして食堂に戻る頃、スコットとバーツ(&ケンツ)も計算を終えて帰って来た。
だが2人の顔は浮かない…バーツが「大破位で済めば儲けもん」と呟く。
出た結論は「ジェイナスで突入」だった。
そこへ敵の部隊が襲って来た――直ぐにロディ・ケンツ・カチュアがRVで、マキがファイターで迎撃に出る。
一方で大気圏突入を急ぐスコットは、バーツに突入時の準備を手伝わせ、迎撃に出た4人に突入迄の時間稼ぎを頼んだ。
しかし定められた突入の時間が来ても、ケンツとカチュアが乗るトゥランファムが戻らない。
戦闘に手こずってるのを知ったロディがバイファムで加勢に行く。
フ「駄目だよ兄さん!もう危ない事はしないって約束したじゃないか!!」
ロ「だからって仲間を見殺しに出来るか!フレッド、お前だって解る筈だろ!」
マキが帰還した所で、ジェイナスは突入態勢に入った。
最早3人が間に合わない事を察したスコットは船からドッキングカーゴを切り離し、それを使って後から大気圏突入するようロディ達に伝える。
「ククト星で待ってる…!」、フレッドの声を最後に、船からの無線は途切れた。
宇宙に残された3人は、赤く燃えて降下してくジェイナスを、無言で見送っていた。
そこへしつこく敵機が襲って来る。
3人は攻撃をかわしながら、カプセル型のドッキングカーゴに乗込んだ。
そして敵機を貼り付けたまま大気圏突入――押し潰されそうな衝撃に怯える3人――貼り付いた敵機が融ける頃、ドッキングカーゴはククト星に降下した……。
(感想)…結局ローデン大佐って新しい玩具を出す為に生出された存在だったんでしょか。
補給物資を与え新型機も与えSOSを聞いて駆けつけ…こんだけ世話になった人を見殺しにしては、ロディでなくとも後ろめたく感じずに居られない。
ジェダさん達が脱出するどさくさでロディの救出は叶ったのだから、わざわざ呼ぶ必要無かったと思うんですよ。
なのに呼び寄せた理由はぶっちゃけ「殺す為」だったんではと。
そもそも大佐の目的はクレアド星奪還だった筈、なのにタウト星まで子供達を送ってくれると言い、途中敵に襲われた時はジェイナスを護る為に自ら出撃、そして再び子供達だけで航海させた…不自然に(都合)良い人過ぎるでしょう。
そんな(都合)良い人を生かしといたら、また子供達に絡ませなくちゃいけなくなる。
このキャラの役目は終ったんだ――消そう!
というのが真相かなと…穿って観ちゃう程あっさりした死で御座いました。(笑)
殺す前に根っからの善人じゃなく描いた事で、「見殺しにした」という後味の悪さは多少緩和されたけど、なら登場した時の不自然な善人さは何だったのか気になってしまう。(苦笑)
前回基地に運び込んだコンテナに「BA○DAI」と書いてあったのが皮肉だ。
なぞとゴチャゴチャ書きましたが、一話として観るなら大変面白い傑作です。
どう突入するかで大いに揉める全員の会話が楽しい、寄って集ってギャーギャー騒いでる図って好みなんすよ。
んで頼まれてないのに付いて行くケンツが良い、いっちょまえに自分も中核の積りなんですな。(笑)
きっと後ろで騒いでるだけで、スコットとバーツはさぞや煩かったろうなと。(笑)
この回のロディとフレッドのシーンは今後に続く伏線…しかし会話聞いてると、兄弟と言うより、男女間のそれですな。
護られるしかない弱い自分、兄弟だからこそ抱くコンプレックスは強かろう。
ペ「ロディさん!貴方もケンツと一緒ね!」
ロ「え?あいつそうなの?悪いやっちゃな~!」
食堂でペンチに叱られつつ、しっかりウインナーを摘み食いするロディ。(笑)
考えてみればペンチがフレッド以外の男子と会話するのは珍しく、新鮮に感じた。
まぁフレッドの手前、あんま親しく話す訳にいかんだろうが。(笑)
ラストの大気圏突入シーンは圧巻。
無事着陸出来るのは判ってても、今にも押し潰されそうで…貼り付いたままの敵がどんどん融けてくのが怖い…あれ、察するに喰い込んで離れなくなっちゃったんでしょうか?(汗)
敢えてBGMを流さない演出が活きてました。
ケンツが思わず「母ちゃーーーん…!!!」と叫ぶ気持ちも解ります。(笑)
ロディの弟で、行動派の兄とは対照的に、頭脳派で泣き虫な少年。
危険を顧みない兄の行動に何時もやきもきさせられている。
大抵の場合年下の方が積極的な性格になるもんですが…てゆーかこの年で兄貴を「兄さん」と呼び、親しく懐いてるってのも珍しい様な。
コンピューターはマキに続いて扱い慣れていて、戦闘よりブリッジで活躍する姿をよく見掛けた。
その分ジェイナスを降りてからの活躍が今一影薄い…。
しかし『高下駄』は彼のアイディアで、それが無ければ年下組がRVに乗れなかった事を忘れてはならない。
大人しい性格が災いして、頻繁に食事当番を擦り付けられていた。
逆な性格が惹きつけ合うのか、ケンツと案外仲良しさん。
好きなコはペンチ、出会って早々一目惚れ、彼女の為なら火の中水の中、ミスを帳消しにしようとシチューを掻っ込む姿は、健気で涙を誘われたもの。
実はペンチもフレッドの事が好きなようで、さながら新婚さんの如くイチャイチャする2人に、周りが遠慮して場を譲るというシーンも見られた。
恐らく結婚は兄貴より早かろう。(笑)
余談だが声をアテていた菊池英博氏は当時リアルに小学生、演じている間に声変わりを迎え、どんどん声が低くなって行ったのには驚いた。
制作スタッフは内心ハラハラしてたに違いない。
★第28話「囚われのロディ」脚本○ 演出○ 作画○ 総合○
タウト星に地球人は居ない――知らされた真実に絶望し、深く沈黙するロディ。
そんな彼に、下から届く男の声が、「話がしたい」と訴える。
ショックのあまり1度は素気無く断ったものの、泣き叫ぶ赤ん坊の声が耳に入った彼は、男からお腹が空いてる事情を訊くと、シーツを引き千切り拵えた紐で、自分に与えられた食事を下ろしてやった。
「素晴しい御馳走を有難う!私達に出される物より、ずっと良いです!」、男が下から感謝を述べる。
食器を返して貰いに手繰り寄せた紐には、ロープが結わえてあった。
驚くロディに声が告げる――「少し貴方と話をさせて下さい!」
暫くしてロープを伝い、上って来た声の主は、「ジェダ」と名乗った。
その頃ジェイナスでは敵陣に単身潜り込んだロディを助けようと、スコット達があらゆる策を講じていた。
一縷の望みを持ってローデンに救援を乞うも、無線は貝の如く押し黙ったまま。
無鉄砲な兄を心配するフレッドは、ブリッジで生きた心地無く塞ぎ込んで居た。
クレアが飲物を渡して気遣うも、零れる涙は止らない。
拒まれたグラスを、クレアは無言でトレイに戻した。
ケ「早く何とかしないと処刑されちゃうぞ!!」
焦れて放ったケンツの一言を聞き、堪らずブリッジから飛出してくフレッド。
スコットから言動の無神経さを注意されたケンツも渋々ブリッジを出る。
その頃カチュアは密かにロディを救出に向う為の準備をしていた。
傍で心配するジミーに「この役目は異星人である自分にしか出来ない。だから黙って行かせてくれ」と頼んだ後、カチュアは小型艇に乗り出て行った。
突然ハッチが開いた事に驚き、ブリッジが確認を入れる。
「またケンツか!?」――だがそこへ噂の奴がスコットから受けた罰通りに、皆の非常食を用意してブリッジに現れた。
だとしたら誰が!?…訝しむブリッジに、無線を通してカチュアの言葉が流れる。
「私達は此処に捕まっている人達に会いに来ました!私は地球人ではありません、ククトニアンです!お願いします!両親に会わせて下さい!チャン、カア、ソドニ、タイアイ…!」
カチュアの考えを知ったジェイナスの他クルーは、手を出すのを我慢して見守った。
必死で呼掛ける彼女に、異星人のRVが忍び寄る。
一方ロディは、ジェダから彼らの素性や目的を訊かされていた。
我々は反戦争を掲げ、地球との和平の道を探るグループである。
その活動が政府の目に止り、危険思想を持った集団として、このタウト星に囚われたのだ。
ククトニアンの全てが戦いを望んでいる訳ではない。
その事を地球人に伝えて欲しい…。
「いけないと決め付ける事、この国ではもっといけないとされています。いけない事を『いけない』と言えない、この事1番恐い事です!」
話してるそこへ、ロディを連れにククト兵がやって来る。
別れ際ジェダは自分達が脱走を企てている事を打ち明け、機が訪れたら隙を衝いて逃げるよう彼に伝えるのだった。
タウト星に囚われたカチュアは、司令部からロディ同様の尋問を受けていた。
ククトニアンで在りながらククトの言語が通じない事に不審を露にする司令官達。
尋ねられたカチュアは自分の素性を素直に話した。
「自分は地球人に拾われ、育てられた」と…聞いた司令部に、どよめきが広がる。
そこへロディが連行されてやって来た。
カチュアの姿を見て、驚くロディ。
2人が揃った所で尋問が再開される。
――その時、遂にジェダ達が脱走計画を開始した。
隙を見て取り調べ室から逃げ出す事に成功するロディとカチュア。
一方ジェイナスに残ったクルーも、タウト星で起っている変化を感じていた。
ケンツが「きっと捕まってる人間達が反乱を起したんだ!」と叫ぶ。
始めは疑うもデータを分析した結果、中で爆発が起ってるのは間違い無いらしい。
ならばチャンス到来とばかりにバーツ・ケンツ・スコットまでもRVで出撃。
更にフレッドも向おうとしたが、スコットから「感情で突っ走る恐れが有る」と止められる。
その頃ロディとカチュアは、押収されたバイファムを取戻しに、爆音轟く基地内を走り抜けていた。
見付かったバイファムは幸い何処も異常無く、搭乗して脱出しようとした所で敵兵に見付かり戦闘。
ピンチに陥ったその時、奪った敵方の機体に乗るジェダ達が、救いに現れた。
それを丁度救出に来たスコット達が目にし、ロディのバイファムが敵RVに包囲されてると勘違いしてしまう。
突進するスコットを慌てて止め、事情を説明するロディ。
無事に帰還したロディとカチュアに大喜びするジェイナスのクルー達。
しかしタウト星には既に両親が居ない事を聞かされた彼らは、ロディ同様深く打ちのめされるのだった……。
(感想)…この回からOP前に流すスポット映像が流れなくなった。
まぁ本編でどうせ流れる映像だし、むしろ再び観せられずに済むようなって良かったが。(笑)
この回で最も印象深かったのはジェダさんの「いけない事を『いけない』と言えない、この事1番恐い事です」という台詞。
私の中ではクリィミーマミの「泣く事は暴力と同じ」に並ぶ名台詞で御座います。(笑)
ファシズムの始まりは言論弾圧なのだなと、幼いながら感じたものです。
それは兎も角…このジェダさん達は最終回まで絡んで来る。
で異星人なのに何故地球語喋れるかっつうと、翻訳機を持ってるからで、これは軍の司令部も同じ、決して「アニメのお約束」って訳じゃないのです。(笑)
後々翻訳機は出て来ますが、使用してるなら普通に発音させても良いんじゃないかと思わなくもない…雰囲気重視?しかし演じてる方々上手いなー。
それとククト語をわざわざ設定したスタッフも偉い、例え単なる並び替えでも。(笑)
ククト人の食べ物なんかもちゃんと設定してあるんですよ。
設定資料見た事有るんすが、詳細な説明入りで驚いた。
他細々気になったシーン…基地から逃げる際、煙を吸って咳き込むカチュアに、ヘルメットを被せてやるロディ…何気にフェミニストな主人公である。
スコットに罰として非常食を作るよう言われ、素直に持って来るケンツが可愛い。
そして何の助けにもならなかったが、勇ましく(練習用)バイファムに乗って救出に来たスコット…深刻な話を和ませる良いシーンでした。(笑)
にしてもジェイナスには一体何機のRVが在ったのでしょう?
★第29話「タウト星脱出命令」脚本○ 演出○ 作画○ 総合○
数時間後、タウト星はジェダ達和平論者の手で占拠された。
安全になった基地内を、先に訪れたロディとカチュアが、皆を案内して廻る。
その際ロディは、和平派のリーダーである「ジェダ」について話した。
シ「ククトニアンってさ!皆敵だと思ってたんだけど、そういうのも居るんだな!」
基地内を探検する途中、マルロ&ルチーナから「パパやママが居た部屋に行きたい」とせがまれたロディ達は、収容所へと向った。
薄暗くベッドも無い簡素な部屋で、クレアが壁に書かれた無数の文字に気が付く。
それは囚われた人達が残したメッセージ。
ひょっとしたら自分達の両親が残した物も見付かるかも!――薄明りの下、目をじっと凝らして読んで行く彼ら。
バーツが壁の1点を指差し、大声でルチーナを呼んだ。
「有ったぞ!ルチーナ!お前のパパとママが残したメッセージだ!」
ルチーナにせがまれた彼が、ゆっくりと読んでやる。
愛するルチーナへ……聞き終った途端、彼女は壁のメッセージに縋って泣いた。
それを見たマルロも泣きながら「自分の分も見付けてくれ」とクレアに強請る。
他の皆も俄然躍起になって探し回った。
未だ縋って泣くルチーナを、カチュアが優しく慰める。
啜り泣きが部屋いっぱいに充満した。
雰囲気に耐えられなくなったバーツ・スコット・マキは、年少組の世話をシャロンらに任せ、ロディの案内でジェダに話を訊きに行く。
そんな彼らを物陰から監視する視線が有った。
4人が訪れた時、ジェダの様子は何処と無く焦って見えた。
彼はロディ達にククト兵を独り逃した事を告げる。
更に彼は地球人の捕虜がククト星に連れ去られた事を教えてくれた。
「ククトニアンがその星で暮らせるかどうか…我々に最も近いアニマル…失礼!地球人を使って実験する目的で…」
その上でジェダはジェイナスに積んである遺跡の秘密を語った。
「あれは元々死んだ星を再生させる装置だったが、後にコンピューターの誤作動を誘発する機能を持たされた」と。
「コンピューターが狂わされて困ったでしょう?」と話すジェダに彼らは否定して返した。
「いえ、僕らにとっては『ガーディアン』でした」と――話を聞いて不思議がるジェダ。
そこへ地球艦隊接近の知らせが入る。
今は交渉する段階ではない、そう判断したジェダ達グループは、ロディに自分達の行き先もククトである事を告げ、タウト星を去って行った。
やがて到着した地球軍の艦隊は、ローデン大佐のものだった。
ジェダ達グループが攻撃されないよう説得に向う4人。
その途中でロディはジェイナスを密かに見詰める男に気付いた。
スコットらを先に行かせ、独り対峙するロディ。
逆光を背に只者ではない威圧感を漂わす謎の男…一瞬怯んだ隙に男はロディの前から姿を消した。
スコット達の説得を受け、ローデン大佐が直ぐに攻撃を止める。
しかしそれは「敵中の敵は利用すべき」という思惑有っての事だった。
そして都合良く異星人が撤退したタウト星を、地球側の前線基地にしようと企んだ大佐は、スコット達にククト星宙域からの退去を命じる。
だが両親が囚われてると言うククト星を目前にして、そんな話は子供達にとって到底納得行くものではない。
「考えが大人なんだよ!」
情より仕事を優先しようとする大佐をバーツが詰る。
しかしそこへ敵が大部隊を組んで巻き返しに来た。
直ぐに戦闘配置に付き、迎え撃つ地球軍。
両軍が交戦してる隙にロディ・バーツ・ケンツの3人は、大佐の艦隊が運んで来たRV用新装備『スリング・パ二アー』をこっそり持ち出す。
『スリング・パ二アー』とは大気圏内で飛行する為のアタッチメントで、来る地上戦を考えると絶対に必要な物に思われた。
両親を助けにククト星へ向う――大佐から何と言われようが、子供達全員の気持ちは変らなかった……。
(感想)…ローデン大佐の件は後に回すとして。
両親の手懸りを見付けようと皆で落書きを探すシーンが切なくて涙無しでは観られない。(アウシュ○ッツが元ネタかな…)
んで説明無いけど結局ルチーナの両親のものしか見付からなかったと思われ。
この回まで進むとキャラがそれぞれ自分の役割を掴んで動いてるのが解る。
特に年長組男子3人が必ず皆の中心に立って居て頼もしいったら。
そしてカチュア…皆が両親の身を案じて泣いてる時も、彼女だけは幼い2人を気遣ったりと、周囲を冷静に見ている。
その訳は彼女の優しさも勿論ですが、彼女は(地球人の)自分の両親が死んでるのを既に判っていて、案じる必要が無いからだろうと。
15話でもそんな描写が有りますが、見る度に切なくなる。
他ジェダさんが差別意識の無い善人に描かれてない所も細かい。
戦争反対を唱えながら一方で彼らも戦争している事を、暗に匂わせる描写に感心させられた。
謎の男の正体は此処では内緒、ただ対峙する際のロディの表情の変化に注目。
一瞬頼りなく怯えを見せた後、キリッとした顔で銃を構えるという…描いたアニメーターさんは素晴しい。
★第30話「決死の大気圏突入」脚本○ 演出○ 作画○ 総合○
ローデン大佐の艦隊と敵の艦隊が激しい攻防戦を繰り広げてる間に、ジェイナスは着々と発進準備を整えていた。
その一方でロディとケンツは、大佐の軍が苦戦してるのを気に止め、スコットに加勢するべきだと主張する。
だがスコットは「今更発進を遅らせる事は出来ない」と首を振った。
彼の言葉にマキやフレッドも同意する。
発進か、加勢か、二派に分かれて大いに揉めたものの、最終的にはキャプテンのスコットの判断で発進するジェイナス。
その頃大佐は、子供達が勝手に出た事を知らされ、苦々しい顔で呟いていた。
「あの聞かん気共が…!」
そこへ敵艦が火を噴きながらタウト星に衝突。
戦っていた両軍共、星の大爆発に巻き込まれ、呆気無く消滅してしまった。
果てしない闇の中、拡散して行く閃光。
その光景をジェイナスのクルー達は息を呑んで見詰めた。
ス「ローデン大佐!?大佐!!大佐ー!!!」
マ「…無駄よ…皆消えちゃったわ…」
無線で必死に呼び掛けるスコットを、マキが沈んだ声で止める。
ブリッジは重苦しい沈黙に包まれた。
ケ「見ろ!やっぱり応援に行かなきゃいけなかったんだい!」
フ「違うよ!これで良かったんだ!…行ってたら皆死んでたよ!!」
叫ぶフレッドにバーツやスコットも同調する。
再び子供達だけで宇宙を航行するジェイナス。
ロディらは手に入れたスリング・パ二アーを早速自分の機体に装着する。
作業が終った後で、ロディはバーツに自分の気持ちを漏らした。
やはりタウト星から自分達だけ脱出したのは間違いじゃなかったかと今でも悔やんでる…もしも加勢してれば全滅せずに済んだかもしれない…大佐を見殺しにしたようで気分が悪いんだ…。
その時、迎えに出ていたフレッドが、ロディを激しく詰った。
「自信過剰なんだ兄さんは!!自分は死なないとでも思ってるの!?自分が1番強いとでも思ってるの!?兄さんは何時も危ない所に居て得意になってるんだ!!」
傍で見ている僕の気持ちなんて考えてもくれない…一方的に怒鳴って去るフレッドを、呆気に取られた顔で見送るロディ。
そんな彼にバーツはフレッドの気持ちを代弁するよう言った。
「命知らずの兄貴を持つと、俺もああなるね」
バーツから、自分が捕まってる間フレッドは殆ど寝てない事を聞かされ、ロディは初めて自分を心配する周りの気持ちを意識する。
兄弟が揉めてる頃、キャプテンであるスコットは、ククト星にどうやって着陸するかで、頭を痛めていた。
ジェイナスで大気圏に突入するのは無理が有る、だとしてRVも持って行けない、気は進まないが宇宙に置いて行こう。
食事しながら話すスコットに、バーツやケンツやシャロンらが激しく異を唱える。
ス「仕方ないじゃないか!無理にしたら船は融けてしまうよ!」
シ「バーベキューか!」
ケ「いや5等級以上の船は緊急着陸出来る筈だ!」
ス「例え着陸出来ても二度と飛び立てなくなるだろう!」
ケ「でもジェイナスを置いてくなんて…!」
カ「キャプテン、遺跡はどうするんですか?」
バ「そうだぜェ、俺達の守護神を置いてく訳にはいかねェよな~?」
喧々囂々討論した末、スコットはバーツに手伝いを頼み、再び計算に向った。(自主参加でケンツも)
その頃フレッドは落書きプロムナードで、自分達兄弟の似顔絵をじっと見詰めていた。
彼を心配して現れたペンチに、泣いてぶちまける兄への不満。
兄さんなんて1度痛い目見ればいい…本意からではない叫びを耳にして、件の兄貴がやって来る。
毒づくフレッドをロディは無理矢理風呂に引っ張り込んだ。
始めこそ意地を張っていたものの、次第に打ち解けて来るフレッド。
湯船に仲良く浸かりながら、弟は兄に「もう危ない事はしない」と約束させ、兄は弟に頷きで返すのだった。
兄弟が仲直りして食堂に戻る頃、スコットとバーツ(&ケンツ)も計算を終えて帰って来た。
だが2人の顔は浮かない…バーツが「大破位で済めば儲けもん」と呟く。
出た結論は「ジェイナスで突入」だった。
そこへ敵の部隊が襲って来た――直ぐにロディ・ケンツ・カチュアがRVで、マキがファイターで迎撃に出る。
一方で大気圏突入を急ぐスコットは、バーツに突入時の準備を手伝わせ、迎撃に出た4人に突入迄の時間稼ぎを頼んだ。
しかし定められた突入の時間が来ても、ケンツとカチュアが乗るトゥランファムが戻らない。
戦闘に手こずってるのを知ったロディがバイファムで加勢に行く。
フ「駄目だよ兄さん!もう危ない事はしないって約束したじゃないか!!」
ロ「だからって仲間を見殺しに出来るか!フレッド、お前だって解る筈だろ!」
マキが帰還した所で、ジェイナスは突入態勢に入った。
最早3人が間に合わない事を察したスコットは船からドッキングカーゴを切り離し、それを使って後から大気圏突入するようロディ達に伝える。
「ククト星で待ってる…!」、フレッドの声を最後に、船からの無線は途切れた。
宇宙に残された3人は、赤く燃えて降下してくジェイナスを、無言で見送っていた。
そこへしつこく敵機が襲って来る。
3人は攻撃をかわしながら、カプセル型のドッキングカーゴに乗込んだ。
そして敵機を貼り付けたまま大気圏突入――押し潰されそうな衝撃に怯える3人――貼り付いた敵機が融ける頃、ドッキングカーゴはククト星に降下した……。
(感想)…結局ローデン大佐って新しい玩具を出す為に生出された存在だったんでしょか。
補給物資を与え新型機も与えSOSを聞いて駆けつけ…こんだけ世話になった人を見殺しにしては、ロディでなくとも後ろめたく感じずに居られない。
ジェダさん達が脱出するどさくさでロディの救出は叶ったのだから、わざわざ呼ぶ必要無かったと思うんですよ。
なのに呼び寄せた理由はぶっちゃけ「殺す為」だったんではと。
そもそも大佐の目的はクレアド星奪還だった筈、なのにタウト星まで子供達を送ってくれると言い、途中敵に襲われた時はジェイナスを護る為に自ら出撃、そして再び子供達だけで航海させた…不自然に(都合)良い人過ぎるでしょう。
そんな(都合)良い人を生かしといたら、また子供達に絡ませなくちゃいけなくなる。
このキャラの役目は終ったんだ――消そう!
というのが真相かなと…穿って観ちゃう程あっさりした死で御座いました。(笑)
殺す前に根っからの善人じゃなく描いた事で、「見殺しにした」という後味の悪さは多少緩和されたけど、なら登場した時の不自然な善人さは何だったのか気になってしまう。(苦笑)
前回基地に運び込んだコンテナに「BA○DAI」と書いてあったのが皮肉だ。
なぞとゴチャゴチャ書きましたが、一話として観るなら大変面白い傑作です。
どう突入するかで大いに揉める全員の会話が楽しい、寄って集ってギャーギャー騒いでる図って好みなんすよ。
んで頼まれてないのに付いて行くケンツが良い、いっちょまえに自分も中核の積りなんですな。(笑)
きっと後ろで騒いでるだけで、スコットとバーツはさぞや煩かったろうなと。(笑)
この回のロディとフレッドのシーンは今後に続く伏線…しかし会話聞いてると、兄弟と言うより、男女間のそれですな。
護られるしかない弱い自分、兄弟だからこそ抱くコンプレックスは強かろう。
ペ「ロディさん!貴方もケンツと一緒ね!」
ロ「え?あいつそうなの?悪いやっちゃな~!」
食堂でペンチに叱られつつ、しっかりウインナーを摘み食いするロディ。(笑)
考えてみればペンチがフレッド以外の男子と会話するのは珍しく、新鮮に感じた。
まぁフレッドの手前、あんま親しく話す訳にいかんだろうが。(笑)
ラストの大気圏突入シーンは圧巻。
無事着陸出来るのは判ってても、今にも押し潰されそうで…貼り付いたままの敵がどんどん融けてくのが怖い…あれ、察するに喰い込んで離れなくなっちゃったんでしょうか?(汗)
敢えてBGMを流さない演出が活きてました。
ケンツが思わず「母ちゃーーーん…!!!」と叫ぶ気持ちも解ります。(笑)