瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

銀河漂流バイファム感想その10

2008年11月23日 12時27分50秒 | 漫画&アニメ
ケンツ・ノートン…2049年7/9生まれ、9歳、B型(↑)…と言うのが公式サイトに載ってたデータだが、物語の中で「ルチーナの誕生日の1週間後」と言ってた事を考えるに7/2生まれじゃないかと…。
軍人一家に育ち、地球軍こそが正義だと信じている腕白少年、その為か年少ながらミリタリーマニアでRV等の兵器にやたら詳しく、制作スタッフにとっては便利な説明キャラだったろう。
しかし軍の暗号コードまで知ってるのはマズイんじゃねーか?教えたと思しき父ちゃんの顔が見たい。(笑)
普段の会話からして軍人気取り、肌身離さずバズーカを携帯、敵と見るや即発砲、結果仲間をピンチに陥らせた事数え切れず、間違えて味方を撃ったり、ジェイナスにニュートロンバズーカをぶつけたり、常にトラブルメーカーを担っていた……皆良くぞ無事に生きて来られたものだ。(笑)
「軍曹」と言うあだ名はバーツが命名したもの、他にクレアが摘み食いの常習者でもある彼を指して呼んだ、「頭の黒い鼠」と言うのも有る。
本人的にはいっちょまえに中核の積り、だが実力はバーツ曰く「戦闘予備要員」。
(無意識ながら)シャロンから惚れられるも本人は気付いて居らず…実はケンツ自身も嫌っては居ない様なのだが。
マキやクレア等年長の女子が苦手な点を考えるに、母親が最大の弱点と思われ。(母ちゃん勘弁!←by.ジャイアン)
カチュアの件でジミーと大喧嘩をするも、その後「青尻事件」を切っ掛けに、兄弟の契りを交すまでの仲になる。
後半トゥランファムのパイロットとして、相棒カチュアと共に活躍を見せてくれた、だが密かに自分の兄貴が乗ってるバイファムに憧れを抱いてたらしい。
思うに大きくなったら「パトレイバー」の太田さんみたくなるだろう。
趣味の音楽はロック。
尚演じてたのは、声優に詳しくない人にまで有名な、ベテラン野沢雅子氏でした。
最終回の感動は氏の熱演無しでは語れず。



・第35話「ケンツを助けろ!」脚本○ 演出○ 作画○ 総合○

ジェイナスに残された物を検めた結果、ミューラァは追っている地球人の中に、女子供が居る事を知った。
「まさか民間人…?」、不審に思うも上司から遺跡発見をせっつかれ、深く考えてる余裕は無い。
もしも遺跡が地球人の手に渡り、戦闘に利用されれば、ククト軍は壊滅してしまう危険も有る。
発見を急ぐミューラァは、今迄以上に兵を投入し、捜索の手を拡げる事にした。
密かに敵軍を偵察していたロディやバーツは、相手の様子から「今日は大人しくしてた方が無難」との判断を下す。

その頃キャンプを張って待つグループは、そろそろ朝食時を迎えようとしていた。
マキとペンチが料理してる最中の事だ…いきなり4人のククトニアンの子供が、食べ物を盗みに現れた。
騒ぎを聞き付けたケンツが、バズーカを構えて彼らを威嚇する。
しかしその行動は却って彼らの抵抗を強くし、隙を衝かれたケンツは人質にされてしまう。
そして彼らは奪ったバギーに食料を積み、バズーカでケンツを脅して運転させ、逃げて行った。
あまりに唐突な展開に呆然としてる皆を、激怒したシャロンが叱り飛ばす。

「何見てんだよ!?早く追うんだ!!!」

慌ててスコットはロディとバーツに連絡させ、直ぐにトレーラーを運転してシャロンと後を追った。
連絡を受けたロディとバーツもRVで救援に向う。

一方バズーカを突き付けられバギーを運転するケンツは、レーダーに映るククトの部隊の機影に気付き、やけくそで「このまま軍に送り届けてやる!」と直進。
だがケンツの態度から意図を感じ取った子供達は、何故かククト軍から逃げるように彼を脅す。
脅しながら怯えた表情を見せる彼らをケンツは訝しんだ。
そこへ漸くバイファム(ロディ)とネオファム(バーツ)が追い付く。
2人が敵機を相手にしてる隙に逃げるバギー、しかし正面に敵のメカが立塞がる。
攻撃を受けて車から投げ出され、砂漠を逃げ惑うケンツと4人の子供達。
万事休す!――そのピンチをシャロンのバズーカが救った。
無事敵を撃退し、ククトニアンの子供達を保護したロディ達は、ケンツから彼らがククト軍を見て逃げようとした事を聞かされ、首を傾げる。
一体彼らの目的は何なのか…?
取り囲んだロディ達を、見知らぬ子供達は怯えた目で見詰めていた……。


(感想)…騒ぎが起きて皆が集まる迄の描写が巧い。
極めて自然な流れで全員出て来るんですよ。
好奇心から顔を出すマルロ達を止めるクレアとか、震えるペンチにただならぬ気配を感じ取るフレッドとか、臨場感溢れてるな~。
この回のシャロンの取り乱し方に、彼女のケンツへの愛が感じられる…涙ぐんでまで居るし。
連れ去る子供達の感情の動きなんかも良く表現されてます。
13人動かすだけでも大変だろうに、そこに4人の子供が加わって、計17人ですよ。
なのに全員隈無く活躍させるんだから偉い。

惜しむらくは敵のロボットがね…バズーカ1発で仕留められるって、信じられない脆さなんすけど。(笑)
ククト星に入ってからミューラァ以外の敵はぶっちゃけ雑魚に見えたなぁと。(笑)
敢えてバイファムの弱点探すなら「敵メカの魅力が薄い」事で、聞く所によると記録的に玩具が売れなかったそうな。
前半の茸やら虫に似たデザインも微妙だったけど(異星人の顔を徹底的に隠す演出も奏して)異様な恐怖感は有った。
後半梃入れされてからのが微妙…むしろ弱体化した様に感じた。
ミューラァの機体は流石に格好良く観えたけど、「デュラッヘ」って名前子供は言い難くいし覚え難そうだなぁ。(笑)
バイファムの敵ロボでは「バザム」と「ジャーゴ」が好きでした。
「バザム」は7話で登場した探査アームをウニョニョ~~ンと長く伸ばすロボ、「ジャーゴ」は6話位で登場したバッタの様に跳ねるロボです。
「バザム」なんて名前からして強そうで格好良いし。
話を戻して……シャロンが倒したロボット、まだパイロットは乗ってたんじゃない?
その後どうなったのか物凄く気になるんすが…。(笑)

この回心に残ったコント――他の女子達の為に移動式野外トイレを造ったシャロン。
形状記憶合金製のパラボラアンテナに布張って、普段は折畳めて持ち運ぶのに便利、使用する時は日光で温めればテント型に変形。
説明を受けて感心するも、ふと浮かんだ疑問をぶつけるケンツ。

ケ「あれ?けどよー、晴れてる日でなきゃ使えねェんじゃね?」
シ「はっ!それは考えてなかった!…じゃあさ、そん時はオシッコかけたら膨らむよ!温かいから!」

見事に本末転倒な大発明である。(爆笑)


★第36話「収容所に向かえ!」脚本○ 演出○ 作画○ 総合○

行掛り上ククトニアンの子供達をキャンプに連れて来たロディ達。
しかし言葉が通じない為、彼らの目的が掴めない。
ジロジロ観察するロディ達の前で、見知らぬ子供達は夢中で飯を掻っ込んだ。

シ「こいつら何か悪い事してズラかって来たんじゃねェの?」
ル「どろぼうなの?このコたち」
シ「判んねェけど、目付き悪いじゃん!」
マ「そんな事言うもんじゃないよ、シャロン!」

言葉は通じなくとも雰囲気で判るのか、飯を掻っ込む彼らの表情が険しくなる。
そんな彼らにカチュアやマキは、優しくお替りを勧めた。
だがスコットが貴重な食料が減ると慌てて止める。
それを聞いたカチュアは珍しく語気を強めて反論した。

カ「キャプテンは何時も奉仕の心が大切だと言ってたじゃないですか!」
ロ「そうだよ、スコット!」
バ「そりゃねェよな~、なんたって奉仕の心が大切だよ♪」

ロディやバーツからも囃され、カチュアから「謝るならこのコ達にして下さい!」と叱られたスコットは、子供達に向い素直に頭を下げた。
伝わらない言葉で一生懸命謝る彼を、不思議そうに眺める子供達…両グループ間の溝が少しだけ埋った。

食べ終った子供達が転寝してる間、年長組は彼らについて話し合った。
ひょっとしたら反戦グループの子供かもしれない…だとすればジェダさん達の事を知ってるかも…でも言葉が通じないし…どうすれば良いんだ…?
スコットを中心に議論してるそこへ、子供達を監視していた(でも寝てた)シャロンが大声で知らせに来た――「あいつらが逃げた」と――知らせを聞いたロディ・バーツ・カチュアが捜しに行く。

その頃件の子供達は、提供された食事のお礼に、食べ物を捕りに出掛けていた。
感謝なんてしていない、けど受けた恩を返さないんじゃ、借りを作る様で気分が悪い…これからどうしよう?あいつらに付いてくの?…あいつらの目的が何なのか判ればなぁ…でも言葉が通じないし…どうしよう…?
年長の男子が中心になって話してる間に、釣りをしていた最年少の男子が、大魚に引き摺られて川に流されてしまう。
丁度そこへロディが駆けつけ、間一髪滝壺に落ちる手前で救出した。
「スクンサ!」――最年長の少年が、彼に抱き付いて感謝を示す。
その後他の皆も集まり、力を合せて大魚を釣上げた事で、互いの間に友情が芽生えた。
仲良く一緒に食事を終えた後、改めてスコットが彼らに目的を尋ねる…しかしやはり意思が通じない。
ロディが天体図を土に描き、自分達が何処から来たか説明すると、少しだけ通じた様に思えた。
そこへ最年少同士仲良く遊んでたルチーナ&マルロが、「チャン、カア」とはどういう意味か尋ねて来た。

ル「あのコ、さっきからそればっかいってるのよ!」
カ「『チャン、カア』…それなら『パパ、ママ』って意味だわ!」

最年長の少年が鞄から取出した写真には、彼らと、彼らの両親と思しき男女が、仲睦まじく写っていた。
「チャンカア、ソドニタイアイ!」――ククトニアンの子供達が叫ぶ。

カ「『チャンカア、ソドニタイアイ!』…『パパとママに会いたい』?」

この子らも自分達同様、両親に会おうと旅を続けている。
彼らの目的を知ったロディ達は、自分達も同じ目的であると伝える為、一芝居打つ事にした。

                  【戦え!!正義のバイファム仮面!!】

キャスト)…バイファム仮面/シャロン パパ/スコット ママ/クレア 子供達/マルロ&ルチーナ 悪い異星人/ケンツ 音楽&幕引き/ジミー&マキ

パパママ捜して宇宙を流離う、いたいけな子供達。
辛い旅路の果て、漸く巡り会ったパパとママ…しかしその前に悪辣な異星人が立ち塞がる。
パパとママを人質に取り、卑怯な高笑いを上げる悪い異星人。

ケ「ふっふっふ~!!こぉのバズーカで撃たれたくなくば神妙にしやがれィ!!」

嗚呼可哀想なパパとママ!このまま暗黒の只中で命尽き果ててしまうのか!?
だが絶望してはならぬ、此の世に悪の栄えた例無し。
颯爽と現れたるは正義の宇宙ヒーロー、バイファム仮面!
かませ必殺のスーパーバイオレンスターンキィ~~ック!!(←つまり回し蹴り)

――ズガキーン!!!

ケ「痛てっっ!……ひっでェな~~、本気でやる事ねェじゃんか…!」(←小声)
シ「馬鹿めっ!演技者の道は厳しいのだ!」(←小声)
ケ「そ、そかっ……うわァ~~!!やられたァ~~!!」
シ「ニャッハッハ~♪バイファムは強いっっ!!」

悪者を足蹴に勝利の雄叫びを上げるバイファム仮面。
かくして子供達は無事解放されたパパママと再会を喜び合うのだった。

子「「パパー!!ママー!!」」
ス「おお~!!息子達よ~!!」

【閉幕】

劇は和やかな笑いに包まれ目出度く成功、互いの目的が同じであると知った子供達は、ロディ達に収容所の位置を記した地図を見せる。
その内の何処かに彼らの両親が囚われている…ひょっとしたら自分達の両親も。
ロディ達は情報の提供に感謝し、目的が同じ者同士協力し合う事を約束した。

その頃、見張り番に就いたフレッドは、楽しい親睦パーティを他所に、独り寂しく防寒マントに包まって居た。

フ「あ~あ…嫌な日に当番が廻って来ちゃったなー…」

そこへペンチが温かいスープの差入にやって来る。
勿論フレッドは大喜びだ、しかしそれだけでなく、ペンチはフレッドの防寒マントを指して、大胆にも言ってのけた。

ペ「此処寒いのね…ね!そっち入っても良い?」
フ「え…!?」
ペ「良いでしょ?」

罪な微笑を向けられ思わず漏れる生唾、顔を真っ赤に火照らせつつ、彼は自分のマントを開いて、彼女の為のスペースを空ける。

フ「風邪引くと…いけないもんね」

仲良く防寒マントに包まる2人…とまぁこっちはこっちで楽しくやり、かくて夜は更けて行く――

明くる朝、一行は彼らの持っていた地図に従って、収容所を目指した。(BGM:君はス・テ・キ)
見晴らしの好い橋の上まで来た所で、1人の男子がトイレ休憩を申し出る。
途端にゾロゾロ続いてく年少男子組、それを受けてスコットは、橋の上で停車して小休止を取る事にした。
並んで立小便してる内に、「飛ばしっこ」を始める子供達。
1番遠くに飛ばしたのはジミーだった。
橋から落ちる小便の滝に虹が架かる。

シ「良いなーー…」
マ「何が?」
シ「男の友情に言葉は要らない…オレも1つ欲しいな!」
マ「…勝手にしなさいな!」

暫し流れる長閑な時間…そこへククト軍の偵察部隊が襲って来た。
慌てて皆を避難させようとするスコット、だが生憎橋の上という場所の悪さ、敵の目を逸らそうと直ちにRVで出撃するロディとバーツ。
その間にスコットはトレーラーに皆を乗せて橋を渡った。
しかし後からククトニアンの子供達を乗せてバギーを運転していたマキが立ち往生してしまう。
流れ弾が当たって危なげに軋む橋――自分達が乗ったままじゃ落ちてしまう――そう読んだククトニアンの子供達は、途中で降りてスコット達と共に救助に廻り、お陰で全員無事橋を渡り切る事が出来た。
敵から逃れた後、スコットがククトニアンの子供達に向い、お辞儀して礼を述べる。
「君達のお陰で助かった、有難う!」――しかし意味が通じず、相手はキョトンとするだけ。

ロ「違うよスコット!こうやるんだ!――スクンサ!」

ロディが笑いながら手本を見せてやる、それは川で彼が受けた、ククトニアンの感謝の仕方。
抱き付いて礼を言われた最年長の子供は、ロディ達の気持ちを知って顔を綻ばせた。

やがて一向は収容所の周辺に辿り着く。
双眼鏡で偵察した限り、そこはククトニアンの収容所で、地球人の姿は1人も見えなかった。
がっかりするロディ達…その時突然、ククトニアンの子供が大声を上げた――「チャン!!」
そこに居たのは彼らの父親だった……。


(感想)…この回も見せ場だらけで挙げ切れない。
平野脚本で網野演出で芦田作監の大傑作、西島氏が最後に原画を担当した回でもあったり…この後彼はスタジオをディーンに移して『うる星』の作画に戻るのです。

細々気に入ったシーンを挙げてくと――

ズラッと並んでククトニアンの子供を観察する子供達…1場面の人口過密度の高さでバイファムを超えるTVアニメは無いんじゃなかろうか?
謝った後頼り無さそうな表情でロディ達を振り返るスコット。
ジミーと見張りを交替する際に、寒くないよう防寒マントを渡すケンツ。
急に動きが活発になった大魚、気絶でもしてたんだろうか?…あ、これは「気になった」シーンって事で。(笑)
初めて意思の疎通に成功し、涙を流して感動するスコット。
写真を巡る子供達の動き…見方にそれぞれ性格が出てるのです。
性格が出てるといえば、トゥランファムの昇降ケーブルに乗るカチュアも…ちょっとおっかなそうな様子が、如何にも女の子らしくて彼女らしい。
1人がトイレに立った途端、わらわらと出て行く年少組男子…その後の「飛ばしっこ」も含め、見事に等身大の少年が描けておるなぁと感心した。
それを見詰めるスコットの表情に郷愁が漂ってる様で、過ぎ去った己の少年時代を思い出して居るのかなと想像したり。
焦ってチャックで挟んじゃった(痛)ケンツとジミーの「タンマ!」には爆笑した、敵ロボの装甲がオシッコで濡れてく描写もリアルで良いな~。(笑)

…等々色々有りますが、やはり最高にウケたのは、『バイファム仮面』のキャスティングの素晴しさ!(あ、タイトルは私が勝手に付けたものです…念の為)
きっとケンツとシャロンで主役を巡ってかなり争ったんだろうなぁと。
そんで最終的にジャンケンかなんかで決めて、結果負けたケンツは相当むくれたに違いない。
それをバーツが上手い事煽てて納得させたんだろうと…想像付くじゃないですか。(笑)
ケンツが回し蹴りされる瞬間、クレアとスコットが首を竦めてるのが細かい。
最後にジミーがハーモニカを吹きながら幕を引いて、マキと一緒に影で片付けてるのも良いシーン。
それぞれがそれぞれの役所を、極めて自然にこなしてる事が、心地好さの理由でしょう。
その影で齢10~11歳のクセして、1つ布団ならぬマントに包まる、マセガキ2人の将来が楽しみで仕方ない。(笑)

先ず最年少の子供達同士で仲良くなる描写に至極納得、赤ん坊は世界共通語で喋れると言うからなぁ。
尚ククトニアンの4人の子供達には、ちゃんと名前が設定されていて、物語中でもさり気に出て来る。(わざとらしい紹介が無いのが良い)
推定12歳の最年長男子が「ガイ」、推定10歳の女子が「メル」、推定8歳の男子が「ケイ」、推定6歳の最年少男子が「ユウ」、この内ガイとユウは兄弟の設定。
文字数の都合より、以後は名前で書いて行きます。

この回心に残ったコント――突然姿を消したククトニアンの子供達、一体彼らは何が目的で僕らに近付いたんだ?悩むスコットにシャロンが一言。

シ「あいつらきっと食い逃げだよ!!」
ス「…考えられなくもないな」

真剣に考えるトコじゃないよ、リーダー。(笑)


・第37話「囮になったロディ」脚本○ 演出○ 作画△ 総合○

辿り着いた収容所では、ククトニアンの子供達の両親が、強制労働をさせられていた。
父親を発見したガイが堪らず飛び出そうとするのを、焦って止めるロディ達。
だが彼は納まらない、メルやケイやユウも一緒になって、ロディ達に必死で助けを願う。
同じ境遇同士、彼らの気持ちはよく解った。
スコットがリーダーの立場から「仲間を危険な目に遭わせる訳にはいかない」と説くも、「収容所に囚われてる人から自分らの両親の情報が得られるかも」とのロディの意見が決め手になり、救出する事に決定。
とは言え実行するなら、なるべく危険が少ない作戦を立てようとスコットが提案し、その後2日間は充分な偵察に時間を割いた。

結果収容所の1日のパターンを知った一同は、警備が手薄になる深夜に事を起そうと決める。
その前夜にカチュアとメルが収容所に潜り込み、囚われた人達に作戦を伝える役を担った。
「ククトニアンの自分なら潜り込み易い」――危険な役目と知りながら、志願したカチュアが言う。
心配する仲間達に見送られる中、2人は首尾良く収容所に潜り込んだ。
収容所でメルは父親と涙の再会を果たした。
幸いにも彼女の父親は地球語を解し、お陰で作戦をスムーズに伝える事に成功する。

その日の夜、ロディはバイファムで、バーツとマキはトゥランファムで出撃、捕虜救出作戦を実行した。
奇襲を受けて大混乱に陥る収容所、その隙にスコットやカチュアらが、捕虜を安全な場所へ連れて行く。
だが奇襲の連絡を受け、ミューラァの部隊が収容所へやって来た。
ロディが単身囮となって敵を引き付ける役目を負う。
彼の活躍のお陰で囚われてた人々は全員脱出に成功し、ガイ達は両親と再会する事が出来た。
両親に会えて喜びを爆発させる子供達…眺めるシャロンやペンチらの胸に苦い羨望が広がる。

シ「…キツイよな、目の前で見せ付けられてんだから」
ペ「…あたしだって…!」

その頃スコットやバーツは、囮役を買って出たまま戻らないロディに、心配を募らせていた。
兄の身を案じ、影で泣いてるフレッドを、カチュアが優しく力付ける。
「大丈夫、彼は絶対やられやしない」…多難な一夜は未だ明けなかった……。


(感想)…前回作画が良かっただけに、差をどうしても感じてしまった。(汗)
脚本や演出は良かっただけにねー、つっても動きが止る訳じゃなし、アニメーターさんは頑張って描いてたと思う。
ひょっとしたらこの辺りから最終回、次の番組の制作等に、人員を割いてたのかもしれない。

カチュアは本当に人間が出来た良いコだなぁといじらしく感じた。
異星人である己をちゃんと受け止めてる…この若さで。(涙)
メルのパパが地球語喋れるのをご都合主義に思う人も居るでしょうが(笑)、反政府の活動をしている(つまりレジスタンス)人間を収容してる場に居たのを考えると納得が行きます。
ジミーを「帽子」と呼ぶシャロンが良いな~、後シャロンから双眼鏡奪われ、首の紐が締まって苦しがるケンツとか。(笑)
バーツがマキを女の子扱いしている…やはり34話は2人にとってターニングポイントだったらしい。
タウト星での時と違い、静かに不安と涙を堪えるフレッドに、彼の成長を感じた。
それだけに痛々しいのですが…。
先に両親と再会した子供達を羨むシャロン達…こういう負の感情も隠さず表現するスタッフは偉い。
主人公達のイメージが悪くなる事を嫌い、負の面を描かない作品も多いってのに。

とまぁ色々有る訳ですが…この回心に残ったコント――捕虜救出作戦実行中、初対面のメルのパパに、スコットが挨拶。

ス「初めまして!僕、リーダーをやってます…」
ケ「そんなの後でいいだろ!!」

どんな時も礼儀を忘れないのは偉いが、ケンツの言う通り、そんな場合じゃないですよ、リーダー。(笑)
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