言の葉花壇

何度聞いても美しい日本語に、今日もマナ女とカナ女がにぎやかに呟きます。ぜひお気に入りを見つけてください。

みゆるは月の

2023年09月23日 | 千載和歌集

#みゆるは月の……★☆ 山の端に 眞澄の鏡 かけたりと みゆるは月の 出づる なりけり: 藤原基俊 : 歌意:山の端にまるでますみの鏡をかけたかのように見えるのは満月が出てきたからだ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #千載和歌集 第四巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

やまのはに ますみのかかみ かけたりと みゆるはつきの いつるなりけり

みなさん、お元気?

眞澄の鏡(ますみのかがみ)=は少し の曇りもなく澄みきっている鏡と言う意味よ。

山の端(やまのは)=は山を遠くから眺めた時、山と空に接する部分ね。

山からちょうど空へ昇り始めたばかりの月なのに、一点の曇りもない鏡のように美しい満月と言っているのね。

そろそろ、月の美しい季節になって来たわね。

ほんまや。中秋の名月や!

秋は、満月を見ても三日月を見てもとにかくお月さんが美しいんや。

みんなも夜空を眺めてお月さんがきれいに見えたら、ウチのこと思い出して「きれいやなぁ~」って褒めてやぁ!


野路の玉川

2023年09月12日 | 千載和歌集

#野路の玉川……★☆ あすもこむ 野路の玉川 萩こえて 色なる浪に 月やどりけり: 源俊頼 : 歌意:明日も来よう。野路の玉川に萩の花を越えて寄せてくる色とりどりの波に月の光が宿っている。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #千載和歌集 第四巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

あすもこむ のちのたまかは はきこえて いろなるなみに つきやとりけり

みなさん、お元気?

そろそろ朝夕は涼しくなってきましたね。

のお花も見頃でしょう。

ほんまや。

の花が水に映って波が揺れると月の光も反射してキラキラや。

そうね。昼間のも美しいけれど、月が出てその光で映し出される自然のライトアップも素晴らしいわね。

この野路の玉川=は六(む)玉川と言って和歌に詠まれた玉川で全国に六つあるのよ。

井手・三島・野路・高野・調布・野田の六か所で歌枕にもなっているのよ。

野路は、現在の滋賀県草津市野路で、平安・鎌倉時代から近江のの名所だったので、「萩の玉川」とも言われていたそうよ。

なんにしてもキラキラの月の光、水の反射、花の色、すべてが、そろそろ涼しなって来た宝石箱みたいな景色やわぁ。

みんなも月の美しい夜にの花、堪能してみたらええでぇ~!


わくらばに

2023年08月28日 | その他

#わくらばに……★☆ わくらばに 人も訪ひ來ぬ 山里は梢に蝉の 聲ばかりして: 良寛 : 歌意:たまにしか人が訪れて来ない山里は木々の梢に蝉の声ばかりしている。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #良寛歌集 より■□■

#わくらばに……★☆ わくらばに 訪ふ人も なき我が宿は 夏木立のみ 生ひしげりつつ: 良寛 : 歌意:まれにしか訪れる人もいない私の家は夏木立ばかりにぎやかに生い茂っている。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #良寛歌集 より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

わくらばに ひともとひきぬ やまさとは こずえにせみの こえばかりして

わくらばに おとなふひとも なきわがやは なつこだちのみ おひしげりつつ

夏休みも終わりやなぁ~。

夏休みにおじいちゃん、おばあちゃんの家で楽しく遊んで、みんなが帰った後みたいな感じの歌やろ。

みなさん、お元気?

そうね、大勢の人でにぎやかだったのに、今は夏草と蝉の声だけって感じね。

わくらば=はちょっと難しくって「邂逅」こんな漢字を書いて、今の読み方は(かいこう)って読むのよ。

でも、古くは(わくらば)とも読むのよ。

意味としてはまれに、たまたま、偶然の巡り合うさまなどの意味よ。

邂逅(わくらば)は万葉集の柿本人麻呂が「わくらばに 人とはあるを(たまたま人としてあるものを)」と使っているわね。

へぇ~、難しい言葉や。

ウチはなんにしても、来年の夏休みも、おじいちゃん、おばあちゃんの家で夏休み楽しみたいわ。

おじいちゃん!おばあちゃん!来年も行くさかい、待ってってやぁ~!

 フフフ、どうやらマナちゃんは楽しい夏休みを過ごしたのね。


鳴る神の

2023年08月22日 | 万葉集

#鳴る神の……★☆ 鳴る神の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ: 詠み人知らず : 歌意:雷鳴が少し響いて空も曇って雨も降ってきたらいいのに。そうすればあなたが帰るのを引き留められるのに。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #万葉集 第十一巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

なるかみの すこしとよみて さしくもり あめもふらぬか きみをとどめむ

みなさん、お元気?

鳴る神=雷のことね、つまり、雷鳴よ。

昔の人は雷は神様が鳴らしていると思っていたのね。

響み(とよみ)=大きな音が鳴り響くとか、大声で騒ぐ音などで揺れ動くという意味ね。

あーー、だから「少し」なんや。

遠くで雷鳴りだしたから、帰るのもうちょとあとからにしたらって口に出して言いたいんや。

ちょっとでも長く一緒におりたい切ない乙女心やわぁ。

ウチもこの季節、雷多いから、こんな気持ちにいっつもなるんやでぇ~。

そうね。好きな人と一緒だと雷も怖くなくなるわね。

でも、やっぱり雷は怖いから、みんなも気ぃつけてやぁ~!


ゆふだちの

2023年08月20日 | 新古今和歌集

#ゆふだちの……★☆ ゆふだちの 雲もとまらぬ 夏の日の かたぶく山に ひぐらしのこゑ: 式子内親王 : 歌意:夕立を降らせた雲は止まらず流れて行った。夏の陽射しが傾いてきた山に蜩の鳴き声が聞こえてくる。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ #新古今和歌集 第三巻より■□■

みんなぁ、元気ぃ~?

読み方やでぇ~

ゆうだちの くももとまらぬ なつのひの かたぶくやまに ひぐらしのこえ

みなさん、お元気?

まだまだ暑いですね。

ホンマ!暑いわ!

そろそろ、夕立が降った後は涼しくなってほしいけどなぁ~

最近はゲリラ豪雨やし、雨が上がってもまだ暑いわ。

そうね。

雲もとまらぬ=は雨雲が留まっていなくて再び空が晴れたということね。

かたぶくやま=太陽が山の向こうに沈んで日が暮れかかっているようすね。

蜩(ひぐらし)は朝夕の涼しい時間帯に鳴きだす蝉ね。

立秋も過ぎてそろそろ夏も終ね。

ホンマはまだまだ暑いけど季節は確実に変わってきてるんやなぁ。

みんなも急な夕立には気ぃつけやぁ~