こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

2014年の花から、シュウメイギク(秋明菊)、翁咲き(?)

2014-12-16 | 

庭にて、2014年9月下旬

 

時として、人を惑わせるような花名に出会う。元気な頃は花を育てることに熱中していた母親(故人)がシュウメイギクを良く咲かすことができたと喜んでいたとき、キク科の草花にもこのような形の花があるのかと、私は漠然と花を眺めていた。その頃は庭いじりに全く関心がなかったので、このものの花名の由来を調べる気もなかった。

時を経て、自分でシュウメイギクを育て始めると、このものがキク科ではなくキンポウゲ科の花であることを実感するようになった。なお、花弁に見えるものは萼片であるとされている。

 

さて、今秋はシュウメイギクの花付きが良かった。そして、昨年までとは異なって、翁咲きと表現できるような花が咲いた。翁咲きとは、雄しべの花弁化が八重咲きほど進行していない咲き方であると言われている(2014年9月下旬)。



面白いことに、同じ株で翁咲きと一重咲きの花が開いている。

 

 

私のみならず、花を見た人々は「このようなシュウメイギクは見たことがない」と驚いていた。八重咲きや翁咲きは突然変異で生まれると言われている。庭で突然変異のようなことが起こったのであろうか。例えば、狭い場所で育てていることによるストレスが、変異の一因となったのであろうか。今年だけの偶然の出来事だろうか。

 

来年も同様の花が咲いてほしい。そうなれば、突然変異が起きたと言えそうだ。ところで、他の場所の株では一重咲きの花のみが開いた。

花の上に落ちているものはキンモクセイの花、10月上旬。

 

 

終わりに、花の大歳事記(角川書店、1990年)から、シュウメイギクがキンポウゲ科の花であるにもかかわらず、自分が感動を覚えた句を引用する。「菊の香や垣の裾にも貴船菊 水原秋櫻子」。