異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

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自民若手勉強会 タカは自滅、ハトは健在!

2015-07-08 23:53:49 | 政治 選挙 

 

http://dot.asahi.com/wa/2015070800003.html?page=1

自民若手勉強会 タカは自滅、ハトは健在

(更新 2015/7/ 8 07:00)

 

木原氏  (c)朝日新聞社 

木原氏  (c)朝日新聞社 

 

「大変遺憾で非常識な発言だった。党総裁として心からおわびする」

 7月3日の衆院特別委員会。自民党若手議員でつくる勉強会「文化芸術懇話会」で報道機関を威圧する発言があった問題について、安倍晋三首相はこう陳謝した。

 首相は当初、「私的な勉強会での発言」「自由闊達(かったつ)な議論がある」と謝罪を拒んだ。若手議員は自らにちかく、かばおうとする意図もあった。しかし発言への国民の批判が日に日に高まり、肝心の安全保障関連法案の審議も進まないことから、方針をしぶしぶ転換したようだ。

 すでに勉強会代表の木原稔・党青年局長を更迭し、発言者3人も厳重注意処分。「これで幕引き。さあ再出発」との心境だろうが、勉強会の若手からは首相への不満が噴出している。ある一人が言う。

「木原さんは問題発言をしていないのに役職停止1年は重すぎます。会をウラで主導していたのは萩生田光一・党総裁特別補佐。実際にさまざまな指示をしてきた。本来なら彼も処分を受けるべきです。若手ばかりに責任を負わせて……。今回の処分は疑問です」

 別の議員も「今後も首相を全力で支えるとは言えなくなった。会も消滅でしょう」と肩を落とした。

 安倍応援団として安保法案の重要性を発信し、総裁選の無投票再選の機運も高めるはずだったタカ派勉強会の大崩壊。かたや細々ながら存在感を保っている勉強会もある。5月にハト派議員らで発足させた「過去を学び『分厚い保守政治』を目指す若手議員の会」だ。

 先月25日の第5回勉強会には安保法案に批判的な漫画家の小林よしのり氏を呼ぼうとしたが、党から圧力がかかり急きょ中止に。7月1日に再開した会では、政治学者の御厨貴氏が保守政治のあり方について講演し、21人が出席した。メンバーの一人が言う。

「小林氏の回は、直前に党幹部から『法案成立に向けて団結すべきときに、なぜ小林氏を招くんだ』といった圧力が、武井俊輔共同代表にあったようです。会の一員である福田達夫衆院議員も怯(ひる)んで同調した。『国会会期中は休止すべきだ』との意見も出たが、『識者や戦争体験者から話を聞くことは重要』『屈してはならない』との意見が多く、継続となった」

 なんとも頼もしい“ハト”たち。今後は元沖縄県知事の稲嶺惠一氏を講師に招く計画もある。ライバルの「タカ派勉強会」が沖縄批判でミソをつけただけに、大きな注目を集めそうだ。政治評論家の浅川博忠氏は言う。

「ハトの会の背後には首相に批判的な古賀誠元幹事長がいるとみて、官邸も警戒を強めています。今後も講師の人選に口を出し、スパイ議員も送りこんでくる。メンバーの切り崩しもしてくるでしょう。一方で、党内の自由な議論を封じ込める今の官邸のやり方に、嫌気がさしている議員も多い。『ハトの会』を支援する人も出てくるのでは」

 長く続いた“アベ1強”状態も、いよいよ終わりか。

(本誌・長倉克枝、一原知之、永野原梨香/岸本貞司)

週刊朝日 2015年7月17日号

 

 


【戦争法案】 安倍官邸の工作失敗 「領域警備法案」を民主・維新、一転共同提出

2015-07-08 21:19:01 | 案内 情報 デモ 集会 逮捕

http://tanakaryusaku.jp/2015/07/00011522

【安保法案】 安倍官邸の工作失敗 民主・維新、一転共同提出  

「領域警備法案」を共同提出する民主と維新の両党。=8日午前10時35分、衆院事務総長室 写真:筆者=

「領域警備法案」を共同提出する民主と維新の両党。=8日午前10時35分、衆院事務総長室 写真:筆者=

 強行採決を誤魔化そうとする安倍官邸の目論見は外れた。

 戦争法案の行方を握る「領域警備法案」が、単独提出から、一転、民主と維新の共同提出となったのである。

 「民主と維新が共同提出する予定になっていた領域警備法案は、採決をめぐって両党が対立したため、それぞれ単独で提出することになった」 ― けさの新聞・テレビはこう伝えていた。

 昨夜、民主党から届いたFAXにも「8日午前9時、(単独)提出」とあった。マスコミの誤報ではなかったのだ。

 ところが、今朝になって事態は目まぐるしく動いた。国会議事堂内の民主党事務室前で待機していると、同党の事務方が田中や記者団に「9時の法案提出は延期」と告げた。午前8時50分頃のことだ。

 「えっ!?」記者団に どよめき が起きた。トイレに出てきた民主党議員にぶら下がると、「あくまでも共同提出する道を探っている」という。

党首会談に入る岡田代表と松野代表(中央)。長妻代表代行(右端)は余裕の笑みを浮かべた。=8日午前10時13分、衆院常任委員長室 写真:筆者=

党首会談に入る岡田代表と松野代表(中央)。長妻代表代行(右端)は余裕の笑みを浮かべた。=8日午前10時13分、衆院常任委員長室 写真:筆者=

 その後間もなく、長妻昭・代表代行が柿沢未途幹事長との協議に向かった。共同提出するための党首会談の設定である。

 法案提出という国対事項であるのにもかかわらず、協議は国対抜きとなった。

 ある民主党幹部は「国対が入るとややこしいことになるからねえ」と皮肉った。維新の馬場伸幸・国対委員長(大阪17区)が採決出席を主張するからだ。採決に出席すれば戦争法案成立に手を貸すことになる。

 ナンバー2による協議は30分ほどだっただろうか。党首会談が決まった。

 午前10時10分、岡田・松野両代表が常任委員長室に入った。両氏は比較的リラックスした表情で会談に臨んだ。

 党首会談の後、民主党の岡田代表は記者会見し、「領域警備法案」を共同提出することになったことを明らかにした。

 「徹底した審議を求めることを確認した」「採決については党首会談の中で出なかった」という。  

 10時35分、維新の柿沢幹事長、民主党の大串博志議員らが、衆院の向大野新治事務総長に「領域警備法案」を提出した。

 官邸の分断工作が失敗した瞬間だ。安倍首相と大阪維新の橋下最高顧問が、歯噛みする顔が目に浮かんだ。

橋下恩顧の馬場国対委員長は、表情に悔しさをにじませた。=8日午後2時、衆院第26控室 写真:筆者=

橋下恩顧の馬場国対委員長は、表情に悔しさをにじませた。=8日午後2時、衆院第26控室 写真:筆者=

 「関ヶ原の合戦」同様、昼前に大勢は決したのである。

 午後2時、維新の馬場国対委員長(大阪17区)が記者会見した。充血しているのか。目が赤い。

 記者団からの質問は「採決」に集中した。馬場氏は「(与党が60日ルールを使えないようになる)28日以降に採決をするよう民主党に求めていく」と答えた。

 馬場氏は「採決への出欠は執行役員会で決める」とも話した。採決出席はあくまでも馬場国対委員長の個人的見解なのである。

 支持率低下に悩む安倍政権は、何としてでも強行採決に対する批判は避けたい。「採決に応じるよう」。橋下最高顧問を通じた維新への働きかけはさらに強まるだろう。

 維新の分裂もありうるが、大阪維新という安倍自民の別働隊だけが採決に協力しても、それは「強行採決」である。

   ◇    ◇

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【原発】 <楢葉町避難解除>高木陽介副経済産業相「放射線を安心と思うかは心の問題だ」

2015-07-08 02:03:15 | 福島、原発

 

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http://kiikochan.blog136.fc2.com/

 <楢葉町避難解除>高木陽介副経済産業相「放射線を安心と思うかは心の問題だ」

楢葉町避難解除へ:副経産相「安心は心の問題」" href="http://mainichi.jp/select/news/20150707k0000m040115000c.html" target="_blank">楢葉町避難解除へ:副経産相「安心は心の問題」
毎日新聞 2015年07月06日 22時24分(最終更新 07月07日 09時14分)


福島県楢葉町議会の全員協議会で「避難指示解除の環境は整った」と語る政府原子力災害現地対策本部の高木陽介本部長=楢葉町で2015年6月17日、栗田慎一撮影


帰れぬ避難解除地区 分断された生活圏
 
政府の原子力災害現地対策本部(本部長・高木陽介副経済産業相)は6日、東京電力福島第1原発事故(2011年3月)で全町避難となった福島県楢葉町に、避難指示を9月5日午前0時に解除すると伝達した。
町民の間には水道水源のダム湖に高濃度の放射性セシウムが沈殿したまま解除されることへの不安が強いが、高木氏は伝達後の記者会見で「安心は心の問題だと思う」と述べ、町民の間に不信感が高まっている

政府は先月、「8月のお盆前」の解除方針を示していたが、町議会や町民から「生活環境の整備が不十分」との反発が強く、無料バスの運行本数拡大など「追加支援策」の準備を理由に約1カ月間遅らせた。
避難指示の解除は昨年4月の田村市都路(みやこじ)地区、同10月の川内村東部に続き3例目で、全町村避難の県内7町村では初。
政府は楢葉町を双葉郡復興の拠点と位置づけ、残る自治体の避難指示解除を急ぐ。

一方、会見で水道水源を巡る町民の不安について質問された高木氏は、水道水の放射性セシウムは検出限界値未満であることなどを指摘し「放射線の考え方は人それぞれ異なる。安心と思うかは心の問題だと思う」と述べた。

この発言に町民は反発を強めている。帰還に向け住宅再建を終えた60代男性は「帰る気持ちがうせる発言だ。住民の自己責任だと言うつもりだろうか」と批判した。50代女性も「古里に戻りたいという気持ちを理解できるのなら、あんな発言は出てこない」と話した。【栗田慎一】


 ◇安全への不信、帰郷の壁

「やっぱり政府は信用できない」。楢葉町から避難し、小学3年の一人息子と実家のある東京都武蔵野市で避難生活を送る遠藤昇さん(43)がため息をついた。
町民の安全・安心を求める声に、政府が耳を傾けていないと思うからだ。

震災直後、妻克子さん(40)は仕事の都合で単身、福島県いわき市にとどまった。
一方、楢葉町内の「道の駅」で調理師として働いていた昇さんは、幼稚園児だった長男昇汰君(9)の健康を考え「父子避難」を決めた。

昇汰君は今、避難先の学校が楽しくて仕方ない。
仲の良い友達がたくさんできて「武蔵野の学校を転校したくない」と言う。
震災から4年以上たち、避難生活が日常生活に変わりつつある。

一方で、「古里に帰って家族で暮らしたい」との思いは日に日に強まる。6月下旬に政府が東京で開いた解除に向けた住民懇談会に昇汰君を連れて参加したのは、息子にも楢葉の現状を知ってもらい、帰郷への思いを忘れないでほしいとの願いからだった。

しかし、政府の対応には違和感を覚える。
水道水源のダムの底には1キロ当たり1万ベクレル超の放射性セシウムが沈殿しているとされる。

昇さんは訴える。「政府に水道に使う上水は安全だと言われても安心できますか。子を持つ僕らの世代が戻らないと、古里は復興しない。だからこそ、戻りたいし、政府には安全な環境を全力で整えてほしい」【栗田慎一】





<それでも安全です>楢葉町木戸ダムの底にはセシウムが1万5000ベクレル/kg

そして、高木本部長は、実際に浄水場で処理された水を飲んで安全性をアピールしていました。
木戸ダム6

 

 


安倍・橋下にいいようにもてあそばれているこの国の政治

2015-07-08 01:43:50 | 政治 選挙 

新党憲法9条 インターネット政党

http://new-party-9.net/archives/category/%e5%a4%a9%e6%9c%a8%e7%9b%b4%e4%ba%ba%e3%81%ae%e3%83%96%e3%83%ad%e3%82%b0

天木直人のブログ

安倍・橋下にいいようにもてあそばれているこの国の政治

 世論調査が安倍政権に退場を突き付けているというのに、この国の政治はますます安倍首相にもてあそばれているかのごとくだ。

 いまから思うと、あの安倍・橋下会談が大きな意味を持っていたということだ。

 橋下にせっつかれて、維新の党が安保法制案の対案を出した。

 これで安保法制案の成立は決まりだ。

 維新の案と自民党の案は距離があるという。

 しかし、そんなものはどうとでも調整できる。

 しょせんすべてがあいまいない安保法案だ。

 どう書き換えても、いくらでもごまかせる。

 私が安倍首相なら維新の案を丸飲みしてもいいというだろう。

 安保法案など、もはやその書き方はどうでもいいのだ。

 安保法案は、成立させることが重要なのである。

 米国との関係では日米新防衛ガイドラインがあればそれで十分なのだ。

 維新の会が案を出せば、民主党も提案せざるを得ない。

 前原あたりは早くもそうテレビでしゃべった。

 もともと民主党は安保法案に絶対反対の党ではない。

 維新の会と同じく、是々非々を自慢にしている党だ。

 かくして自公と維新の会、民主党は安保法制案の対案協議のめりこんでいく。

 安倍首相の思う壺だ。

 衆院での採決はもはや決まったも同然だ。

 

 そうなれば、参院の審議は敗戦処理であり、誰も関心を示さない。

 参院の審議日程について民主党は時期尚早だとして拒否しているらしい。

 民主党が参院の審議を拒否し続けるのなら大したものだ。

 私ははじめから野党は安保法案をボイコットすべきだと書いてきた。

 協議をすれば成立に手を貸すことになるからだ。

 協議しても聞く耳を持たないのであるから、自公が勝手に作った法案にして正統性を奪ったほうがいいのだ。

 しかし、世論の反発をおそれて、民主党はいまさら審議を拒否はできない。

 参院選の不毛な審議はそのうち始まる。

 そして安保法制案は安倍首相の思惑通り成立する。

 そしてその後は選挙だ。

 ここでもまた橋下が安倍の手先のようになって動いた。

 関西で維新の会の新党を作ると言い出した。

 維新の党の柿沢未途幹事長は聞き捨てならないと橋下に文句を言ったらしいが(7月7日日経「記者手帳」)、柿沢ごときが橋下に文句を言っても通用しない。

 かくて維新の会の分裂は必至だ。

 維新の会が割れれば民主党も割れる。

 もし、維新の会も民主党も、分裂を恐れてそのままでいたらどうか。

 矛盾を抱えて政党としての機能はマヒする。

 これではまともな国会審議などできるはずがない。

 安倍暴政を追及することなどできっこない。

 世論がここまで安倍首相にノーを突きつけているというのに、この国の政治はますます安倍首相のやりたい放題だ。

 いまこそ国民政党としての新党憲法9条実現が不可欠である(了)

 

 

 


地球物理学者の島村英紀氏「火山・地震国の日本で原発は無謀」

2015-07-08 01:43:08 | 福島、原発

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/161349

地球物理学者の島村英紀氏「火山・地震国の日本で原発は無謀」

2015年7月6日

 日本全国で火山の噴火が頻発している。ここ1年ほどで、御嶽山、浅間山、口永良部島などが噴火し、警戒中の箱根山でも、先月末、ついに小規模噴火が起きた。いったい今、日本列島で何が起こっているのか。地震・火山研究の第一人者である地球物理学者の島村英紀氏に聞くと、「今が普通の状態」と、意外な答えが返ってきた。

――日本の火山が異常に活発化しているように見えます。何が起こっているのでしょうか。

 異常ではありません。むしろ、日本の火山も地震も普通に戻りつつある。今までが異常に噴火が少なくて、日本人は火山のことを忘れていただけです。だけど、忘れてはいけない。地震国、火山国に住んでいるということを、日本人は頭の隅っこにとどめておかないといけません。

――つまり、現在の状況が普通ということでしょうか。
各地で噴火が起こっているのは通常の状況です。それよりも大きな「大噴火」がいつ起きてもおかしくありません。火山学者が言う「大噴火」とは、東京ドームで数えると約250杯分以上の噴出物があるものです。その大噴火は1914年の桜島、1929年の駒ケ岳を境になくなっています。それまでは100年の間に4~6回のペースで起こっていた。それがぱったりなくなっているのは非常に不思議で、普通はありえないことなんです。そうした噴火が21世紀中にあと4回くらい起きても決して驚かないというのが火山学者の間では通説となっています。

――普通に戻るきっかけは、やはり2011年3月の東日本大震災でしょうか。

 3.11だったと思います。あの大地震でプレートがずれて、地下にマグマができた。マグマは周りの岩より軽いものですから、岩の合間を上がってきて、火山の下にマグマだまりをつくる。そのマグマだまりの一番上がいっぱいになったり、揺すぶられると噴火するんです。
 
―不気味な動きを続けていた箱根山は、ついに6月30日、小規模噴火が起きました。

 箱根は昔、大変な噴火をした。3200年前に、山の上半分が吹っ飛ぶ噴火があって、その時に芦ノ湖や仙石原をつくった。火砕流は静岡県側まで到達しています。6万年前の大噴火では、50キロ離れた横浜まで火砕流が到達した記録がある。その時は人間は住んでいませんが、今起これば大変なことになる。そうした噴火の事実があり、同じことが今後は起こらないとは言えないんです。

――箱根山から約25キロしか離れていない富士山の動向も気になります。

 富士山は1707年の宝永噴火を最後に噴火していませんが、宝永噴火の時は首都圏に10~30センチの火山灰が積もった。今だったら大事件です。経済も電気もみんな止まります。交通機関では数ミリの火山灰で道路の破線が消えて、滑走路も消えるといいます。ミリの単位で影響が出るところに、火山灰が数センチも積もったらどうなるのでしょうか。しかも、火山灰は雪と違って時間とともに消えることがありませんから、大変なことになると思います。
 
――噴火を予知することは難しいのでしょうか。

 富士山も箱根も一番困るのは、最後の噴火が起こる前の記録が残っていないことなんですね。宝永噴火の前の文書か記録があれば、火山性地震などの兆候がわかるのですが、それがわからない。今の段階では何が前兆であるかが、わからないんです。それにもかかわらず、箱根は年間2000万人が訪れる観光地ですし、富士山は夏は夜でも数千人が登っていて、昼間は何万人も登っています。そうした山がいきなり噴火したら、どうなるかは非常に恐ろしいことです。

――直前の記録がどれだけたくさんあるかで、予知や事前に取れる対策が変わってくる。

 富士山や箱根山と違って、浅間山や桜島は、これから何が起こるのかがかなりわかります。浅間山は最近100年間に50回噴火したことがわかっています。ですから、記録もある。大学の先生もついて観測している。地震計だけでも20個以上ある。富士山や箱根山とは桁違いの予知環境なんです。桜島も同じです。口永良部島はその中間ですが、地元の人が火山慣れしていたので、大事には至らなかった。
 
――火山ひとつひとつは全く別物なんですね。

 そうです。ですから、気象庁が2007年に導入した「噴火警戒レベル」は、一律に適用できないものなんです。火山はひとつひとつ違うのですから。気象庁はよせばいいのに、全国の火山をひとくくりにして「危なくなったら噴火警戒レベルを適用する」と言い出した。「俺たちが前に出るから、学者は後ろに下がっていて」と言っているようなもんです。この時、学者は「大丈夫だろうか、噴火レベルを決める根拠がない山がいっぱいあるんじゃないか」と、かなりいぶかったんです。実際、その通りになりました。

――昨年の御嶽山の噴火では被害を防げませんでした。

 気象庁としては、御嶽山で非常に手痛い失敗をした。噴火が起こる2週間前に、火山性地震があったにもかかわらず、警戒レベルが1のままだったんです。「1」というのは、山頂まで行ってもいいレベル。それで、戦後最悪の57人が亡くなってしまった。二度と失敗はできないということで、箱根山では強引に警戒レベルを上げた。非常に政治的な判断です。一方で、岩手山のように、あらゆる噴火の前兆があっても、噴火しなかった山もある。天気予報は“方程式”があって明日どうなるか計算できる。でも、火山や地震にそうした“方程式”はないんです。地震や噴火を機械で観測するようになって、せいぜい10~20年。日本列島に人が住み着いて1万年。でも、噴火や地震は数千万年単位で起きている。そのごく一部を知って全部わかった気になることは、かなり無理なことなんです。
 
――「大噴火」より規模の大きい、恐ろしい「カルデラ噴火」の可能性もありますか。

「カルデラ噴火」は「大噴火」の400倍以上の大きな噴火です。日本では過去10万年で12回起きている。数千年に1度は起きる計算です。一番新しいのは7300年前で、九州の南方で起こっていて、そのマグマは東京ドーム10万杯分にもなった。数千年前に起きたから、あと1000年は大丈夫という保証はどこにもありません。もしかしたら来年起こるかもしれない。カルデラ噴火というのは、今のところ全く予知ができないんです。

――九州といえば、原発に対する火山の影響が気になります。桜島や口永良部島が噴火するなど火山活動が活発化していますし、阿蘇山では9万年前にカルデラ噴火も起きています。その阿蘇山や桜島などの火山に川内原発は囲まれているため、もしそれらが噴火したらどうなるのか、再稼働を危惧する声もあります。
 
九州電力が「巨大噴火は予知できる」などと言っていますが、あれは大嘘なんです。火山学者のほとんどが「危ないに違いない。九州電力の言っていることはあてにならない」と反対している。カルデラ噴火の前兆をつかまえて、「数十年後、数年後にいよいよ起きるぞ」とわかったためしは一度もないんです。

――そうなると、そもそも火山・地震大国の日本が原発に頼ることにムリがある。

 原発のような危険なものを造ること自体、無謀だと思います。そうしたことを私は以前からさまざまな場面で発信していますが、政府は耳を貸しません。政府としては、まず「原発推進」という大方針がある。それは、反対の意見も聞かないで推し進められている今の安保法制と一緒です。今からでも原発の見直しは遅くないと思います。このままでは後世の人につけを残すことになるだけですから。

▽しまむら・ひでき 1941年、東京都生まれ。武蔵野学院大特任教授。東大理学部卒。同大学院修了。理学博士。北海道大教授、北海道大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所長などを歴任。専門は地球物理学。近著に「火山入門」。