電撃的な金正恩訪中の全貌が教えてくれた安倍外交の孤立
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2018年3月29日天木 直人
一夜明けて金正恩電撃訪中の全貌が明らかになった。今日の各紙が大きく報じるその実態は驚きの数々だ。
その中でも、一番驚かされたのは、安倍首相の日本だけが何も教えてもらっていなかったということだ。
これまでにも私はさんざん批判的に書いて来た。
安倍外交ははしごを外されたと。
それどころではない。
完全に置き去りにされていたのだ。
そのことが今度の金正恩の訪中で証明されたのだ。
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なにしろ習近平はまっさきにトランプに会談内容を教えている。
それをトランプがツイッターですかさず公表し、歓迎するとまでつぶやいている。
出し抜かれた形になっている韓国であるが、きょう29日、板門店で南北閣僚級会談を開く。
同じ民族が朝鮮戦争の終結に向かって今度こそ本気で南北首脳会談を成功させようと決意した以上、文在寅大統領の韓国が主役から外れることはない。
つねに情報は北朝鮮から同時並行的に伝わっているのだ。
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蚊帳の外に置かれているのはプーチンのロシアと安倍首相の日本だけだ。
しかし、プーチンのロシアは、ついこの間まで、習近平の中国がトランプの米国に譲歩して金正恩の北朝鮮に対する経済制裁を強化した時、ただ一人それに反対し、北朝鮮を擁護した国だ。
おまけにプーチンはロシア疑惑でトランプの急所を握っている。
いざとなれば本当のことをばらすぞと凄めばいい。
どんなにプーチンのロシアと西側主要国の関係が悪化しても、トランプの米国はプーチンのロシアを敵に回す事は出来ない。
良くも悪くも、プーチンのロシアは国際政治の中心国なのだ。
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こう考えて行くと、安倍首相の日本だけが、いかにその存在価値のない、どうでもいい国であることがわかる。
極めつけはきょう3月29日の朝日新聞が報じた次の記事だ。
すなわち、北朝鮮関係によると、金正恩政権が最近、朝鮮労働党幹部らに「6月初めにも日朝首脳会談がありうる」と語っているというのだ。
しかもそれを内部の資料として配布しているという。
日本と国交正常化すれば200億ドルとも500億ドルともされる支援を受け取れるとまで書いているという。
6月初めというタイミングは、すべての首脳会談が終わったタイミングだ。
すべてが平和裏に終わり、北朝鮮の支援が始まれば金を出すのは日本だと言っているのである。
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これを安倍首相が言うのならわかる。
何しろ訪朝して拉致問題を解決し、日朝国交化正常化を成し遂げるのは安倍外交の最後のサプライズであるからだ。
しかし、金正恩政権がそれを先にばらしたのである。
何も知らされていないのは安倍首相の日本だけだ。
無理もない。
知らせてくれなかった、冷たいではないか、と文句を言ったら、トランプも習近平も文在寅もこう言い返してくるだろう。
今あなたは森友疑惑でそれどころではないだろう。
それを忖度して、今あなたにその事に専念して危機を乗り切ってもらいたかったからだと。
もはや安倍首相では力強い日本外交は進められない。
一刻も早く安倍政権を変えて仕切り直さなければ、日本外交は乗り切れないということである(了)
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