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福田淳一前財務事務次官によるセクシュアル・ハラスメント問題に関連し、野田聖子総務相は5月7日に出演したBS11のニュース番組で、セクハラの再発を防ぐために「罰則や罰金が必要であれば、検討していけばいい」と、罰則規定を盛り込む法整備も検討する考えを示した。共同通信などが報じた。
福田前事務次官のセクハラ問題について、麻生太郎財務相が「セクハラ罪っていう罪はない」「殺人とか強(制)わい(せつ)とは違う」などと発言し、批判を浴びていたことなどを受けたもの。時事通信によると、野田総務相は、麻生財務相の発言を「『セクハラ』(という概念)が存在しない時代に生きてきたから、私たちの感覚とはまったく違う」と指摘した。
日本では、職場でのセクハラ防止対策が、男女雇用機会均等法で事業者に義務づけられてはいるが、防止が主目的で加害者の罰則規定などはない。加えて、実際にセクハラを受けたと被害者から訴えがあっても、そもそもセクハラ行為という判断に必要な法的な定義も明確にはないため、民事裁判で民法上の不法行為にあたるかどうかで違法性を判断しているのが現状だ。
また、公務員の場合、人事院規則でセクハラをしないように「注意しなければならない」という職員宛ての条文が盛り込まれているが、「禁止」とはなっていない。
こうした制度が被害者の立場を弱める一因になっているとして、セクハラの行為を明確に定義づける法的根拠や罰則規定などが必要だという指摘が出ている。
■フランスはセクハラが「罪」。拘禁や罰金も
独立行政法人「労働政策研究・研修機構」のサイトでの解説によると、フランスでは1992年に刑法上の「セクハラ罪」を創設、2012年の法改正を経て、セクハラと認定されれば「2年以下拘禁刑」「3万ユーロ以下の罰金」の罰則を課している。職権の濫用や15歳未満へのセクハラなど、一定の条件が加わると「3年以下の拘禁刑」「4万5000ユーロ以下の罰金」とさらに重い処罰が下されるという。
法律では、セクハラを明確に定義している。
「ある人物に対し、性的な暗示を含む言葉又は行為を繰り返し強いる行為であり、それらの言葉又は行為は、その人物を傷つける、又は侮辱するものであることから、その人物の尊厳を侵害する、又はその人物に対して威圧的な、敵対的な若しくは侮辱的な状況をつくるものである」
また、「繰り返す行為がなくとも、加害者本人のためであれ、第三者のためであれ、実際に又は明らかに性的な行為を行う目的で、あらゆる形態の重大な圧力を用いる行為」もセクハラとしてみなされるとしているという。
麻生財務相「事実言っただけ」=セクハラ罪ない発言繰り返す:時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018050800590&g=soc
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麻生太郎財務相は8日の閣議後記者会見で、福田淳一前事務次官のセクハラ問題に関し、「セクハラ罪という罪はない」と改めて主張した。4日にマニラでの会見で同様の発言を行い、批判が出ているが、「親告罪なので訴えられなければ罪ではない。事実を言っただけだ」と述べた。
野田聖子女性活躍担当相がセクハラで罰則の検討を提起したことについて、麻生氏は「(発言を)聞いていない」と言及を避けた。(2018/05/08-12:49)