連合は原発ゼロに舵を切るべき
立憲民主党が提出予定の「原発ゼロ基本法案」の骨子を電力総連などに説明する会合が2月8日に開かれました。その席で電力総連側から「強い反発と憤り」の表明がありました。
何か勘違いをしているのではないでしょうか。立憲民主党は雇用問題などでは労働運動の意見を尊重する立場です。しかし、福島原発事故は東京を含む東日本から5000万人が数十年にわたり避難しなければならなくなる瀬戸際の大事故でした。そうなっていたら日本は壊滅の危機でした。今でも多くの人が避難しています。憤っているのは福島原発事故で故郷を追われた何十万もの人々です。
連合は全国に組織のある有力単産の電力総連に引っ張られて、立憲民主党の原発ゼロ政策に必ずしも賛成していません。立憲民主党は電力会社をつぶして失業者を出そうとしているわけではありません。逆に原発にこだわることが電力会社の経営にマイナスだと考えています。ドイツでも再エネへの転換に遅れた電力会社が経営難に陥っています。東電の新社長も再エネ事業の拡大を表明しています。
昨日は連合フォーラムの設立総会がありました。連合としては来年の参院選に向けて旧民進党グループが再結集することを期待しているようです。しかし、来年の参院選では「原発ゼロ」是か非かが大きな争点になります。原発に対する方針が異なれば再結集は無理です。国民の多数は原発がなくても電力が供給できるのなら「原発ゼロ」が望ましいと考えています。連合もそうした国民の多数の意思を見極めて、連合全体が原発ゼロにかじを切ることを期待します。
設立総会 民進党系結集は未知数
毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20180217/k00/00m/010/129000c
2018年2月16日 21時19分(最終更新 2月16日 23時51分)
連合は16日、野党の国会議員と政策を議論する「連合フォーラム」の設立総会を東京都内で開いた。来夏の参院選に向け、分裂した民進党系3党の再結集を促すのが狙いだが、労組の一部が立憲民主党への支持を明確にするなど、連合傘下の労組の対応がバラバラになり始めており、触媒の役割を果たせるかは未知数だ。
フォーラム設立には、連合が国政選挙で支援する立憲民主、希望、民進、自由、社民の5野党と無所属の国会議員計152人が賛同。総会には立憲の枝野幸男代表、民進の大塚耕平代表ら約100人が出席した。
連合の神津里季生会長は「議員一人一人との関係に重きを置いた新たな枠組みとしてスタートさせたい。名簿に名を連ねた皆さんは私たちにとって宝のような存在だ」とあいさつ。その後の記者会見で「政策、理念を共有する方々が一つの大きな固まりになってほしいというのがベスト。そのことは言い続けたい」と語った。
連合は比例代表に多くの組織内候補を抱え、参院選に向けた態勢作りは急務だ。しかし、私鉄総連(約11万人)が立憲に公認を申請し、自治労(約80万人)が選挙での立憲支援を打ち出すなど旧総評系労組で「立憲シフト」が加速している。
一方、旧同盟系の労組と立憲の溝は広がりつつある。立憲が提出予定の「原発ゼロ基本法案」の骨子を電力総連、基幹労連などに説明する会合が8日に国会内で開かれた際、電力総連が「強い反発と憤り」を表明。立憲議員が手渡した名刺の受け取りを拒否する場面があった。旧同盟系には希望と民進が合流する新党への期待があり、参院選に臨む野党陣営の構図が見えない状況は続きそうだ。【影山哲也、真野敏幸】