岐阜県下呂市にある金山(かなやま)巨石群は「岩屋岩蔭(いわかげ)遺跡巨石群」と「東の山巨石群」そして「線刻石のある巨石群」の3ヶ所からなる巨石群なのだ。
いくつもの巨大な岩が絶妙なバランスで配置されている様子は、イギリスのストーンヘンジを思い起こさせる。
それもそのはずで、ストーンヘンジは古代の天文台だという説があるが、この金山巨石群も古代に太陽観測を行っていた場所ではないかと言われているのだ。
つまり、自然に点在している巨石ではなく、人為的に配置された可能性が高いのである。
その証拠の一つが、それぞれの巨石の残留磁化方向だ。
火山岩は冷えて固まる過程で磁化されて、永久磁石となるが、これを残留磁化という。
金山巨石群の岩石も、火山噴火の時の火砕流堆積物からできた火山岩だ。
各巨石ができた当初のままの場所に有るなら、残留磁化の方向は揃っているはずなのだが、調査の結果は各巨石の残留磁化は異なる方向を示している事がわかった。
これは何者かによって巨石が移動・配列された可能性を暗示している。
しかも、巨石の隙間から差し込む太陽光の位置によって、春分・秋分や夏至・冬至といった特定の日を観測できる仕組みになっている事も明らかにされているのだ。
金山巨石群の周辺からは、縄文時代の土器などが見つかっている。
縄文時代の日本で太陽観測所が作られ、すでに太陽暦まで存在していたという事なのだろうか。
謎の研究のため、調査は現在も続いているようだ。