「現象ではなく、根本を追え」
これは、私が生徒さんに授業をする時に心得ていることの1つです。
例えば、風邪をひいたときにお医者さんに行きます。
そして、今の症状をお話をして、薬をもらいます。
これは対処療法ということになります。
しかし、対処療法で終わらせてしまうと、またいつか同じ症状が出てくる可能性があります。
そしてその都度その都度お医者さんに行って薬をもらうのも悪くはないのですが、やはりそれでは、いつまでたっても根本的な解決にはなりません。
頻繁に風邪をひくなら、その原因を探る必要があります。
不規則な生活が原因なのか、睡眠時間が足りないのか、食生活が偏っているのか…
そうやって風邪をひいてしまう根本を探る、そうすることで風邪をひくという現象も抑えられると思います。
この話は勉強にもそのまま当てはまります。
苦手な教科について、まずはできるように対処すること、これはまずは大切なことです。
でもいつまでも対処療法のようなやり方では、万年風邪のようにずっとそれを繰り返すだけになります。
だからこそ、根本を見つめる必要があります。
なぜその教科が苦手なのか、そもそもなんで勉強が嫌いなのか…
そうやって根本を追っていくことが大切です。
もしかしたら全部の根本を探すことはできないかもしれません。
でも今起きている現象の根本を探そうという指導者の気持ちは絶対に必要です。
全ての根本は見つけられなくても、「ああ、こんな理由でこの教科が苦手なんだ」ということを1つでも2つでも見つけられる可能性はあります。
根本を見つけ出せれば、その根本を解決するための方法を考えられます。
そうすることで、少しでも苦手の根元を押さえて解決ができれば、だんだんと自立の道も見えてきます。
塾としてまずは対処療法的なものを求められている、それは間違いがないことです。
でも、それに終始してしまうと、いつまでも自立していくことができません。
常に起こる現象をだれかに解決してもらわなくてはいけない、そういうふうになってしまいます。
だからこそ、指導者は根本を追うべきだと、私は思います。
とはいっても、どうしても根本を追うのには時間がかかります。
12~15年間生きてきた中で身につけてきたものの中に眠る根本的な原因を、そう簡単には見つけられないからです。
でも、「自立して勉強ができるようにさせたい」と思うならば、この時間は無駄ではないと思います。
指導者にもいろんなタイプの人がいると思います。
私は現象だけに対応するだけの指導者にはなりたくないと思っています。
現象に対処しながらも、その根本を探し出す、そんな形で生徒さんと関わる指導者でありたいと思っています。