こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『祝祭と予感』恩田陸

2020-03-19 19:57:05 | 読書感想
 
購入してから読むまでに5か月かかってしまいました。
『蜜蜂と遠雷』のスピンオフ小説です。

マサルと亜夜が恩師の墓参りに行くのに、なぜか塵が着いていく「祝祭と掃苔」
シルヴァーバーグ若かりし頃に、マサルたちと同じくピアノコンクールに参加した「獅子と芍薬」
課題曲「春と修羅」が、生まれるまでのエピソードを描いた「袈裟と鞦韆」
マサルが、シルヴァーバーグの弟子になるまでの紆余曲折「竪琴と葦笛」
亜夜の友人・奏が、相棒となるヴィオラに出逢う「鈴蘭と階段」
塵が、師匠に発見された「伝説と予感」

「祝祭と掃苔」を読んでいると、絶対、塵は入賞者ツアーで、マサルと亜夜の言葉を真に受けて、曲を交換して弾いて、周りを驚かせるよねー?と思いました。
「獅子と芍薬」で、若いシルヴァーバーグって、繊細だったんだーと感じました。
「袈裟と鞦韆」については、あの曲は弟子を想って創られた曲という事で、意外でした。
「竪琴と葦笛」では、マサルのしたたかさが知れました。
「鈴蘭と階段」・・・楽器も出逢いがあるんですね。
「伝説と予感」は、天才って舞い降りてくるように登場するんですかね?
逢うべくして逢った師匠と弟子だと考えました。

私としては、入賞者ツアーを物語として知りたいと思っています。
塵の行動と言動を感じたいです。
続編が読みたいなあ。
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ハヤカワ文庫から4月下旬発売予定 青谷真未『読書嫌いのための図書館案内』読者モニターより

2020-03-16 17:35:43 | 読書感想
早川書房が募集していた読者モニターに当選して、読ませていただきました。
まず、ここでのあらすじは、ゲラに付属してきたものを転載したいと思います。

高校2年生の荒坂浩二はある事件がきっかけで美術部を退部。本嫌いだが特に仕事もなく暇な図書委員会に籍を置いている。ところがやる気に満ちた新任司書から、クラスメイトの本の虫・藤生蛍とともに図書新聞の再刊係を任されてしまう。「身近な人のおすすめ本」を紙面の目玉にしようと考えた二人は、クラスメイトや美術部の先輩、生物教師に読書感想文の執筆を依頼。しかし彼らは提出に際しなぜか不可解な条件を出してくる。その謎を解こうとする浩二と蛍だったが、それは先輩や教師の抱える秘密、そして18年前の学校で起きた自殺事件の謎へと繋がり……。本嫌い男子と本好き女子が紡ぐ秘密の物語。

ここからは、感想です。
クラスメイトや美術部の先輩の選んだ本に出てくる主人公や、主要人物は、一般的評判がかなり悪いものですが、蛍によって違った一面を見せてもらえます。
そして、生物教師の選んだ作品は教師らしく難解なもので、それに伴う現実の謎も複雑ですが、二人が解き明かす事によって救われたように思えて、ホッとしました。

何よりも、内気な蛍が本の感想を通して荒坂に本来の自分を表現できるようになり、彼女の人間関係が好転しそうになってきた事が嬉しかったです。
また、実は荒坂にも思いがけない秘密が隠されていた事に驚かされました。

本嫌いが本好きに思いがけない好機をもたらすこの物語。
強くおすすめします。4月下旬発売予定だそうなので、お楽しみに。

最後に、こんな素敵な物語をフライングで読ませてくださった早川書房さんにも、お礼を申し上げたいです。
本当に、本当に、ありがとうございます。
また機会がありましたら、宜しくお願いいたします。
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DVD『SCHOOL STAGE ここはグリーン・ウッド』

2020-03-13 19:44:40 | CD・DVD等
 
昨年の夏、上演されたのに観る事は出来なかった『ここはグリーン・ウッド』の舞台。
ようやくDVDで観られました。

物語としては、スカちゃんが1年生の5月に入寮してから正月の帰省までを描いています。

主人公で直情型のスカちゃん、ルームメイトで女の子みたいな瞬、寮長で面倒見のいい光流先輩、生徒会長で悪の黒幕っぽい忍先輩はもちろんのこと、全てのキャラクターが丁寧に演じられていて、広くも細かくも楽しめました。個人の人格形成が、しっかりされています。

ミュージカルなので歌もありますが、私は「本当の優しさ」と「ハートの女王様~ネメシスTango~」が、真逆の歌詞ですが、大好きです。ただ、ネメシスって正義の女神様じゃなかったっけ?

役者としては、手塚渚役の岡田あがささんが好きです。
渚にはまっているのと同時に、あの役は、演じていて気持ちいいだろうな、というのもあります(笑)

また、エンディングの後に『ノーブランド・ヒーローズ』を歌ってくださったのも嬉しかったです。
私も、ジョイサウンドのカラオケで、よく歌っていますが、名曲です。

あと特典映像もあって、ある意味、『サクラ大戦歌謡ショウ』の「花組カメラ」のおかげかな?と思っています。まあ、あちらはとんでもなく濃いので、本当には真似しない方がいいとは思いますが(役者が大変)楽しいです。

現在、コロナウイルスの影響で、様々な舞台が自粛になっていますが、どうか早く、再び生の舞台が観られるように願っています。演劇だけでなく、音楽でも寄席でも・・・ね?
できるだけ、参加したいです。
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『彼女は弊社の泥酔ヒロイン』梶尾真治

2020-03-07 19:48:36 | 読書感想
 
中田栄子は、三友商事に入社して間もなく行われた歓迎会で飲酒した事から、超人的な力を発揮してしまった。
自分に絡んできた酔客をのしただけではなく、知らなかったとはいえ、直属の上司に絡んでいたチンピラ二人組までやっつけたのであった。
それは、少なくとも祖母の代から受け継がれた特異体質で、力を発揮すると共に、異界から「怪魔」という化け物も呼び寄せてしまうというジレンマを伴っていた。

幸い、と言っていいのか、彼女が上京して住み始めた祖父の家の従姉が最初の目撃者であり、ヒーロー好きであった事から、直属の上司の友田と一緒に栄子を「Aクライ・プリンセス」というスーパーヒロインに仕立て、会員制護衛ビジネスを立ち上げた。

うーん、スーパーヒロインと化け物と怪獣ですかあ?
色んな要素がいっぱい詰め込まれていて面白いのですが、まだ、焦点が定まっていない感じがします。
「怪魔」という存在がどうしてあるのか、何者が、または何らかの原因から生まれたのか、など、気になる要素がたくさんあります。
これから、謎が明らかになっていくのか、ただ、「怪魔」を退治して終わるのか、延々と、スーパーヒロインを活躍させていくのか、とても、気になります。
多分、梶尾さんだから、謎は解明してくださると思ってはいるのですが、まだまだ、続きを書いていただきたい作品ですね。
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『七丁目まで空が象色』似鳥鶏

2020-03-01 19:51:41 | 読書感想
 
楓ケ丘動物園にて、マレーバク舎の建設が計画されており、それを実際に飼育している山西動物公園に、桃本をはじめとする担当者候補ら計4名が「研修」にやって来た。

そこで、桃本とその従弟の誠一郎が感動の再会!と思いきや、どうやら誰かの手引きで山西動物公園で飼育している象が園外に脱走してしまったようなのだ。

動物の気持ち・・・確かに、誠一郎に念押しされるまでも無く、本当に理解したり通じたりはほとんど無いのかもしれません。喜怒哀楽は、分かるのかもしれませんが。

それにしても楓ケ丘動物園は事件が多すぎます。
現実の作者や読者の視点ではなく、今後、この物語の中の人々から見て納得できる理由を、似鳥さんがどう編み出すかが気になるところです。

また、毎度の事ながら、あとがきがぶっ飛んでいると言いますか、面白すぎます。
本編を書き上げて躁状態なのでしょうか?まさかね?
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