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レミゼラブル 恋愛編 エポニーヌ

2019-08-24 18:11:32 | ミュージカル
恋愛編の最後はエポニーヌ。
レミゼに登場する人物の中でも
トップを争う人気。
女性キャラの中では1位だと思います

好きな人に振り向いてもらえず、
劇中で死んでしまうという運命に
心打たれる人が多く、私もその一人。
ソロ曲も高い人気を誇っており、
レミゼ人気を支える重要キャラです。

ちなみに映画でエポニーヌを演じたのは
サマンサ・バークス
彼女は舞台でも長くエポニーヌ役をしており、ミュージカルファンとしても嬉しい抜擢でした。

初登場はコゼットと同じく幼少期。
宿屋で悪事を働くテナルディエ夫妻の実の娘であるエポニーヌは、女中としてこき使われるコゼットと違いとても大切に育てられました。

歌唱シーンはありませんが、可愛い洋服を身につけマダム・テナルディエに愛されコゼットを軽蔑の目で見るという場面になっています。

しかしバルジャンに引き取られお嬢様に成長したコゼットと違い、大人になったエポニーヌは泥臭い毎日を過ごしていました。

街での悪事に加担させられ、
汚い仕事をする日々。
身体や洋服も薄汚れており、
可愛いドレスを着ていた子と同人物とは
思えないほど惨めな暮らし。

しかしエポニーヌはその運命を嘆くことなく気丈にいきていました。

正確に言えば、どんな手を使っても生き抜こうとするずる賢い両親を見ていて
自分の人生に希望や楽しみを見出せなくなっていたんだと思います。

気が強く隙を見せないエポニーヌですが、一人だけ叶わない相手がいます。
それがマリウスです。

彼を一途に想い続けていますが、肝心のマリウスは全く気づいておらず相手にされません。(二人の初歌唱シーンはマリウス編で紹介した通り)

遂には、エポニーヌの目の前でマリウスが恋に落ちてしまいます。
しかも相手は宿屋で一緒に暮らしていたコゼットだと気づき愕然とします。

『エポニーヌの使い走り』の前半部分

 コゼット 思い出す
 コゼット 変わった
 惨めな今の私を見て


(マリウス編で紹介したシーンに続く)
エポニーヌからすれば相当な衝撃だったでしょう。
マリウスが一目惚れしてしまっただけでしんどいのに、その相手が昔自分より惨めな暮らしをしていたはずのコゼット。

自分に嘆くことなくいきていたエポニーヌが、まざまざと運命の違いを見せつけられたのです。

マリウスが恋の喜びを語る様子に複雑な思いを抱きながらも、彼に頼られる喜びに逆らえないエポニーヌ。
『こんなもんよ 私の恋 
笑っちゃうわねほんと』
となげやりになるんですが、
何かを恨んだりすることなく
じっと耐える姿に切なさを感じます。

そして、彼の役に立ちたい、
頼られたいという一心でマリウスを
コゼットの家に案内します。

以前も紹介した『プリュメ街』の後半部分

もう一度載せるのでぜひエポニーヌの気持ちになった見てください

 燃える太陽の矢が胸にとびこんだ
 そして僕の人生に天使たちの音楽
 エポニーヌ君のおかげだよ
 僕をここへ連れて着てくれた
 僕は飛ぶよ虹の空へ

 突き刺さる彼の言葉が
 彼が求めたら捧げてしまう
 みんな あげていいの

 熱く命に触れた人
 行こう待つわ


このシーンのエポの表情がとにかく好き。
映画だとより表情が観れるのでおすすめです。

『エポニーヌ 君のおかげだよ』
と言いながらマリウスはエポの手を取ります。思わず顔がほころぶんですが、彼はすぐに手を離しコゼットへの気持ちを歌います。

改めて現実に気づき笑顔が消えるエポニーヌ。この一瞬のやりとりが本当に大好きなのでぜひ見てくださいね、、、

みんなあげていいの、という台詞からも
エポニーヌにとって生きる希望や活力は
きっと彼にあるんだろうなと言うのが伝わってきて切ないですね。。

そしてこの最後の一節、原歌詞では

 Waiting near
 Waiting here

というめちゃくちゃ美しい対比になっています。

コゼットが近くで待ってくれているというマリウスに対し、私はここで待っていると呟くエポニーヌ。

たった一瞬の歌詞ですが本当に美しい…

そして、マリウスはコゼットと再会し
『心は愛に溢れて』を歌います。
エポニーヌはその様子を塀の外からずっと見ていました。

歌の後半、裏メロとしてエポニーヌが参加します。恋の喜びに燃える二人と、恋の終わりに打ちひしがれるエポニーヌの対比が見事な場面です

マリウス:緑 コゼット:ピンク 
二人:赤 エポニーヌ:オレンジ

 この愛を(片思いだわ)
 この愛を(仕方ないのね)
 一目で感じた 私も(私は一人) 
 いつも いつも(何か 何か言って)
 夢ではない(この愛は)
 夢ではない/(夢なら消えた)


最後の音、コゼットの高音と合わさるハーモニーが本当に美しくて切なくて…

しかしこのあとピンチが訪れます。
エポニーヌの父、テナルディエがバルジャンの家を嗅ぎつけ部下を連れてやってきたのです。

コゼットを渡す時に払われた金額に納得していないテナルディエは、バルジャンを脅迫して大金を得ようと企んでいました。

そんな絶体絶命の状況をエポニーヌが身体を張って救います

『プリュメ街の襲撃』

テナルディエ:茶 テナルディエの仲間:灰色
エポニーヌ:オレンジ

 (家の前にいたエポニーヌに気づく)
 てめえの子が
   なぜいるのかわかんねえのか
 エポニーヌ帰れ 
   お前なしでここはやれるぜ
 銭などないよ 知ってるのさ
 爺さんと娘 ケチな暮らしさ

 邪魔するつもりか 余計なこと言うなよ

(エポニーヌを押さえつける)
 悲鳴をあげるよ さあ
 あげなよ 後悔させるぞ

(悲鳴をあげるエポニーヌ)
 このアマ舐めるな
 後悔させるぞ
 こいつは任せろ 下水道へ逃げ込め

(逃げるテナルディエ達)

(マリウス・コゼットが出てくる)
 やつらは逃げたよ 助けてくれたね
 ねえコゼット この子が案内してくれた
 誰かの足音 隠れよう

 
バルジャンが降りてきたため、
マリウスはエポニーヌとともに急いで門の外へ逃げ、コゼットは庭に残ります。

この時門を閉める瞬間、
エポニーヌとコゼットの目が合います
(後にも先にも二人が会うシーンはありません)

叫び声を聞いて出てきたバルジャンに
状況を聞かれ、コゼットは咄嗟に自分の
悲鳴だと説明。

怪しい男がいたがもう逃げたと安心させようとします。
しかし、それを聞いたバルジャンは
ジャベール刑事がやってきたのだと誤解し
身の安全に危機が迫っていると判断
娘を連れて外国に逃亡することを決め、
コゼットに、支度をするよう言いつけます。
コゼットは抵抗しますが聞いてもらえず、マリウスと別れることになるのでした。

エポニーヌが勇敢に戦う場面ですが、
実の父が盗みに入る姿に、ますますコゼットとの差を見せつけられる苦しい場面です

しかもそれを大好きなマリウスに見られているわけですから…

このあと、登場人物がそれぞれの思いを歌う『ワン・デイ・モア』で1幕が終わります



レミゼラブル 恋愛編 コゼット2

2019-08-24 11:03:00 | ミュージカル

さあ、ついに大人になったコゼットが登場です

バルジャンとともに街に出ていたコゼットがマリウスとぶつかり、一目惚れをするシーン。
(マリウス編で解説した通り)
(ちなみに映画版ではぶつからず
目があうだけ)

映画のコゼットはアマンダ・セイフライドが演じていますが
(マンマ・ミーアの主人公を演じた方)
もうめちゃくちゃ可愛い。綺麗。

舞台版でも他の方に比べて若い役者さんが多いのでもう目の保養です。
最近でいうと乃木坂46の
生田絵梨花さんも演じていますね
私も一度博多座で見たんですが、
尋常じゃないくらい可愛い
目がクリクリで華奢で、声も可憐。
マリウスが一目惚れして当然です。
もちろん歌の上手い方は他にもたくさんいますが、コゼットのあの可愛さ、箱入り娘感は最高にぴったりでした。

実は、幼少期を除くとコゼットにはソロ曲がないんです。
そこも彼女の影が薄くなってしまう要因だと思うんですが、、でも、『プリュメ街』の前半に見せ場があります。
長くはないですが、コゼットの歌唱シーンといえばここですね。
とても美しい旋律の曲ですが、
このあと続くマリウスとのデュエットも含め全体的にずっと高音なので歌うのが大変。。

家に帰ったコゼットが、
マリウスを思い出すシーン。

 不思議ね 
   私の人生が始まったそんな感じ
 恋に落ちたからなの
 どうしたのよコゼット 独りでいたから
 知らないこと 多すぎたわ
 いつも何か探してた私の人生
 いつも遠くから私呼んでる声があるの
 そして遥かな世界の歌は
   私を待つのでしょうか
 彼は知っているのかしら
 彼は同じ思いかしら
 そうよ 私はもう独りじゃない
 どうぞ 見つけ出して


初めて恋に触れた喜びにあふれた可愛い歌ですよね。そして、そこに父バルジャンが入って来ます
(まさか娘が恋をしているとは知らない)
 
 お前寂しい子よ いつも悲しそうだ
 私にできることなら満たしたいけど
 家族はただ一人 私だけだから

 何も知らず聞いていない 
   昔どんな子供なのか
 何も言わず秘密なのね 
   どうしていつも二人だけなの
 ああ暗いわ 暗い秘密
 いつも満たされてたあなたに愛されて
 だけどねえパパ 
   あなたには森の中の迷い子?
 おやめ この世にはあるのだ
 聞かず そして言わない言葉が

 お願い話してよ 過去の真実全て
 もう大人よ

 やがて 時が来て教えるだろう 神が

前半と打って変わって、思春期の娘とパパの会話といった感じですね
コゼットは、バルジャンが本当の父ではないことを理解しているはずです。

「あなたには森の中の迷い子?」と歌っていますしね。
けれど、バルジャンが逃げる生活をしている理由は知らず彼の半生も知らされていません。
更にいえばこの時バルジャンは名前を捨て、身を隠しているためジャン・バルジャンという本名すら知らないのです。

愛される暮らしに感謝する反面、
好奇心旺盛なコゼットにとって
秘密を話してもらえず、
外の世界も見れない暮らしというのは
結構しんどかったでしょうね。

マリウスと出会い恋に落ちたことで余計に外の世界への憧れが膨らんだところもあると思います。

海外公演なんか見てると
「お願い話してよ〜」のシーンで、
結構荒ぶるコゼットがいて驚きます。
ほぼ怒鳴ってるじゃん、みたいな笑
完全に親子喧嘩、笑
日本版と映画版は結構控えめながら強い意志も感じます。

コゼットの成長過程を見るシーンがない分
彼女が決して苦労知らずのお嬢様じゃないんだぞ、みたいなことがわかる大事な場面ですね。

そしてこのシーンに続いてマリウス編で紹介した『心は愛に溢れて』が流れ、
超ピュアな二人のロマンスムードに戻ります。

次にコゼットが中心になるシーンはなんと革命終了後…
心身共に傷を負ったマリウスを支える
というシーンです。
『カフェ・ソング』(革命編2参照)
の次に歌われます

『心は愛に溢れて リプライズ』

 足取りも確かね 今は治りはじめたわ
 不思議だ僕をここへ 
   誰が運び入れたのか
 そのことはマリウス 考えないで
 私は毎日 あなたの側にいる
 忘れない あの夜のこと あの夜の誓い
 溢れる愛 二人の夜 誓いは真実

 コゼット コゼット…
 名前も知らずに
 あなたに我を忘れ

この曲、今の舞台版とは少し歌詞が違う気がしますが見つけられませんでした、、

ちなみに、マリウスを運び入れたのはバルジャンですがこの事実はのちに明らかになります。

弱っていたマリウスが、
コゼットの言葉に励まされ
自分を取り戻していきます。

そして、二人を見守るバルジャンが
歌に加わります。
中盤の『心は愛に溢れて』でいうエポニーヌの立場になっていますが、まだ紹介してなかったのでエポニーヌ編をお楽しみ

ここから三人の声が重なり合って
聞き取りづらかったので(?)は
わかりませんでした…

分かりにくいので、まずはコゼットとマリウスのパートを書きます。

コゼット:ピンク マリウス:緑 
2人:赤

 溢れる愛
 私を見て
 僕はマリウス・ポンメルシー
 コゼットです
 (?)
 近づく 君が 
 呼んだ
 夢ではない
 夢ではない(わ)

2人が互いの名を入れ替えて歌い、
あの夜の想い出を辿っていきます。
コゼットが彼をリードして歌う姿に
頼もしさを感じる場面です。

続いてバルジャンのパート。
裏メロですね。

   俺のものじゃない 若くて自由
   (?)全て運命
   溢れる愛
   お前にやろう

俺のものじゃない、という歌詞に結構
違和感があったんですが、
原詞を読むと"私の本当の娘ではないのだ"
というニュアンスでした。
そっちの方がしっくりきますね。

ちなみに、
映画では司教も歌に参加しています。
(バルジャンを助けた司教)

舞台では最初にしか出てこない司教様、
映画でコルムウィルキンソンが演じており、こちらは割と出番があります。

(コルムウィルキンソンは舞台で初演時のジャン・バルジャンを演じた伝説の人と言われており、映画では友情出演のような形で出ています)

司教が「おかえりなさい」と歌い、
4人の美しいハーモニーが響く曲に仕上がっていて、こちらも好きです
(でも尺が短い)


愛し合う2人をみて、コゼットが自分の元から旅立っていくと感じたバルジャンは、
彼女の元から姿を消すことを決意します。

自分の過去をマリウスだけに話したバルジャンはコゼットの元を去ります。

コゼットは困惑し落ち込みますが
そんな彼女を今度はマリウスが支え、
やがて2人は結婚式を挙げます

純白のドレスに身を包むコゼットの
美しさ、やばいです。。

コゼットはその後再びバルジャンと再会しますが、彼にはもう死期が迫っていました

自らの死を悟り、遺書を託すバルジャン。そんな彼の姿に、死なないでと泣きながらすがりつくコゼットのシーンは、2人が本物の親子になっていることを感じ泣かずにいられません。

バルジャンが亡くなり、コゼットは泣き崩れますが、彼女をマリウスがそっと抱きしめます。

そのままラストシーンに突入し、
コゼットとマリウスは最後まで舞台中央で寄り添って終わるんです。

革命で亡くなった学生やエポニーヌ、
ファンティーヌも舞台に集まり
全員で『民衆の歌』(リプライズ)
歌う中、真ん中でライトに照らされて
未来を見据えるマリウスとコゼット

まさにレ・ミゼラブルの「光」であり
「希望」であり、「未来」なんだなと
最後まで感じさせます。

コゼットというキャラクターは
革命、正義と悪といったテーマから
隔離されています。
その分出番は多くありませんが、
レ・ミゼラブルを支えるヒロインだなと
見る度に感じています


次回はエポニーヌ!!!
大好きなキャラクターです、わくわく。


レミゼラブル 恋愛編 コゼット

2019-08-23 17:28:28 | ミュージカル
恋愛編2弾はコゼット。

レミゼラブルのヒロインです。
しかし、人気度でいうと彼女を1位にあげる人は少ない気がします。
ちなみに、舞台のポスターとかイメージ画像に使われている少女がコゼットです。
バルジャンやマリウスの運命を変える超重要人物なのに
なんか影が薄く感じてしまうコゼット
(異論は受け付けます)

まあどうしても、死んでしまうキャラクターとか 
二面性がある人の方に目が行きがちなんだと思います。
ただ、コゼットはレミゼの“光”
彼女がいるから作品に救いが生まれるんだな、と見るたびに感じます

そんなコゼットの初登場は幼少期。
母ファンティーヌは工場に出稼ぎに出ており、
父は家族を捨てて行方知れずになってしまったため、
コゼットは幼い頃から宿屋の夫妻に預けられて生活していました。

その宿屋の夫妻がテナルディエ、そしてマダム・テナルディエです。
後者は初演から森公美子さんが演じていることで有名ですね。
彼らは客に対する詐欺や盗みで生計を立てている非常にずる賢い夫婦
2人の娘エポニーヌは大切に育てられますが、コゼットは邪魔者扱い。
コゼットは夜一人で森に水汲みに行かされるなど奴隷のような仕打ちを受けますが、
そんな中でも幸せな家庭を夢見て懸命に暮らしていました。

リトルコゼット(幼少期のコゼット)の独唱
 
『幼いコゼット』

 あの雲の上に お城があるのよ
 お掃除なんかも しなくてもいいの
 お人形もあるわ 友達もいるわ
 誰も怒鳴らない いじめたりしない
 白いドレスの人 歌う子守唄
 私に囁くわ 
 “ねえコゼット 愛してる”と
 みんな楽しくて 誰も泣かないわ
 夢で行きたいな 私のお城に



お母さん(ファンティーヌ)とはあまり会えなかったと思うので、
毎日肩身の狭い思いをしていたコゼット。

ある日、いつものように夜中の水汲みに行かされていたコゼットですが
運命の出会いを果たします。

ファンティーヌから遺言をもらい、コゼットを守ると約束した
バルジャンが引き取りにやってきたのです。

散々ごねる夫妻に大金を積み、コゼットを養子にしたバルジャン。
(この時は市長として稼いだお金があり割と裕福)

宿屋を出た二人の掛け合い
コゼット:ピンク バルジャン:紫
 
 さあコゼット いい子だ
 今日からは私と いつも一緒だ

 お城も見られるのね
 そうさ 君を お城が待ってるよ


おそらく母の死を完全に理解できる歳ではなかったので、単純に素敵な人がお父さんになってくれた喜びでいっぱいだっただろうと思います。
すぐ懐くところを見ても、相当酷い仕打ちを受けてたんでしょうね、、
ここでバルジャンに引き取られたことで、コゼットはその後の暮らしに困ることなく美しいお嬢様に育ちます。
バルジャンがファンティーヌと出会っていなければ、孤児としてより過酷な運命が待っていたと思うと…
(私はいつも浮浪児ガブローシュと比較して運命の残酷さを感じます)

映画ではバルジャンがコゼットを引き取った直後の歌唱シーンがあり、 
貴重な映画オリジナルソングになっています。
確かに、この親子の関係を語るシーンってないので、
コゼットに感情移入する間も無く、大人になってしまうんですよね。

舞台版にはこの曲が取り入れられていませんが
(バルジャンのソロが増えてしまうからだと思います)
とても好きな曲なので紹介します(訳詞)

ちなみに、この曲はバルジャンがジャベールから逃げるため、
コゼットを連れて馬車で逃げる途中に歌うんですが
窓全開にして歌ってるので、そんなんじゃバレるでしょうとツッコミたくなる笑

聞き返して見たらなんだか切るところがなかったので全文載せます

『サドゥンリー』
 不意に君は現れ 不意に何かが始まった
 2つの不安な心 1つに合わせよう
 昨日まで独りだった私
 今日はそばに君がいる
 まだ私には 見えぬ何かが始まったのだろう
 不意に世界が違う場所に見える
 愛に満ちた 光り輝く場所に 
 胸のうちに これほどの希望があふれくるとは
 過去は消え去った 今この子と二人
 夜をついて進もう
 これほど早く私に 幸せが訪れるとは
 私を信頼しきっている 君を失うのが怖い
 この子は知る由もない 私に付きまとう危険を
 行く先々に忍び寄る影 暗い過去は明かせぬ
 もう独りではない 決して離すものか
 私の心を温めてくれた太陽
 人生の贈り物 愛をくれた
 愛に見放された私に
 不意に見えた 今まで見えなかった何かが
 不意に今 何かが 始まったのだ…


まずこの曲、メロディーが美しいので是非聞いてほしい

でもよく見ると結構自己中心的な気がします。
コゼットを守り通そうというより、
孤独から逃れた安心感みたいなものを感じますよね。
警察から逃げている身で、幼い子を抱いてよくそんな余裕で…とも思います笑


もちろんファンティーヌとの約束を果たすために
コゼットを育てると決めたわけですが、決してそれだけではないんでしょう。
自分の人生にようやく光が現れた、
そのチャンスを決して逃すまいという思いがものすごく強い。
警察から逃亡し続ける自分の人生に、子供を巻き込むわけですから。

コゼットにとっては愛される人生になったので
もちろん良いことをしたという見方は間違ってないと思います。

ただ、バルジャンはそもそも絶対的な「善」の人ではなく
罪を背負った人なので、
この歌を聴いてそこら辺のリアリティーを感じました。

と、バルジャンについて語ってしまった…
まあでもコゼットがいかに人の「光」であったかを
語る上では外せません。

バルジャンにとって彼女との出会いは自分の価値観や運命を
劇的に変えてしまう存在だったんですね。

そしてここから二人だけの暮らし、
警察から身を隠す慎ましやかな暮らしがはじまるのです。

といってもその経過は全く描かれませんが。

(ちなみに、映画にはコゼットと夜逃げする最中に教会に匿ってもらう
シーンがあるんですが、バルジャンがあまりにも大きな声で歌うのがおかしい笑)

今日はここまで。

恋愛編と歌っているのに一ミリも恋愛がはじまってない。。

レ・ミゼラブル 恋愛編 マリウス2

2019-08-22 15:00:00 | ミュージカル
エポニーヌのおかげでコゼットの所在を知ったマリウスは、早速向かいます。

ここで流れるのが『プリュメ街』
(前半はコゼットソロ。後述します)
エポニーヌの案内でコゼットの家へ向かうシーンです。

マリウス:緑 エポニーヌ:オレンジ
二人:赤

 燃える太陽の矢が胸に飛び込んだ
 そして僕の人生に天使たちの音楽
 エポニーヌ 君のおかげだよ
 僕をここへ連れてきてくれた
 僕は飛ぶよ虹の空へ
 突き刺さる彼の言葉が
 彼が求めたら捧げてしまう
 みんな あげていいの
 熱く命に触れた人
 行こう 待つわ

あーー切ない。
コゼットしか頭にないマリウスと、
そんな彼の背中を見つめるエポニーヌ

なんて罪な男なんだマリウス。。

コゼットの家の門を乗り越えたマリウスは2階にある彼女の部屋の窓に、石を投げます。(このシーンが可愛くて好きな人も多い)
マリウスに気づいたコゼットが急いで表へ出ると、感動的な2人の再開。

映画版だとマリウスは中に入らず門の外にいますが、舞台版はより親密になっている感じがします。
(でも映画版の構図もドラマチック)

そして、『心は愛に溢れて』
マリウス:緑 コゼット:ピンク
二人:赤

 溢れゆくこの思い 君を困らせた
 あぁ君の名前も知らない
 教えて どうか 僕に
 この愛を恐れない
 僕はマリウス・ポンメルシー
 コゼットです
 何をいえばいい なんにも
 愛に 触れて
 夜さえも まぶしい(わ)
 もう離さないよ コゼット コゼット
 切れない絆ね
 夢か?いいえ

ひゅー!!!
ピュアー!!!
マリウスの純朴さが引き立ってますよね。
「もう離さないよ」って歌うんですが、コゼットに触れる勇気はないので、めちゃくちゃ照れながら歌うところが可愛い。
再会して熱いハグ、とかじゃなくて
あくまで初々しさが強調されている感じがすごく好きです。

そりゃ夜も眩しく見えるわ…。

しかしこの後、マリウスは革命に参加することに。そしてコゼットは、父バルジャンと共に街から逃げることになります
(その背景はコゼットの時に話します)

コゼットに会えないかもしれないと
またも落ち込むマリウス。

仲間たちに鼓舞され革命に参加することを決意しますが、結果的に自分だけ生き残ります。

絶望の淵にいた彼を支えてくれたのが、コゼットでした。マリウスはコゼットのためにもう一度生きる力を取り戻し、一生愛することを誓うんです。

ヘタレプリンスみたいに扱われることもあるマリウスですが、結果的にコゼットを一途に愛している姿を見ると本当にいい人なんだろうなと思います。
金持ちだからって鼻につく感じもないし。

終盤、バルジャンの遺書を読むコゼットを抱きしめるシーンにもマリウスの誠実さが表れています。
泣き崩れるコゼットを何度も抱きしめ、
何も言わず優しく包み込むマリウス。

羨ましいわ……


素直さ故に迷いが多いのもまた、マリウスの人間らしい1面であり愛らしい所です
バルジャンも彼の人間力を見て、コゼットを託せると感じたんだと思います。

あと個人的にマリウスの好きなシーンが
2つあるので紹介します!
(全部好きですけどね)

コアな部分かもしれないのでぜひ映画とか舞台で確かめてください!

バルジャンが自分の過去をマリウスにだけ告白するシーン。
昔パンを盗み19年間囚人として暮らしたこと、仮出獄後に身分を捨て逃げたこと。
衝撃の告白を聞いたマリウスは、
バルジャンに問いかけられます。

誰だ 私は?

そしてマリウスが呟くように答えます

ジャン・バルジャン…

Who am I?(私は誰だ)
というのが作品の中に何度か登場する曲なので、そのリプライズになっているのですがこのシーンめっちゃ好き。
(特に映画)
コゼットにはこの事実を伝えないでくれと頼まれたマリウスは二つ返事で引き受けます。こういうところも誠実。

次のシーン!
マリウスとコゼットの結婚式に詐欺師の宿屋夫妻が紛れ込んでいたんですが、その正体に気づいたマリウス。
(簡略に説明してます)
宿屋の夫、テナルディエに近づき小声で
出ていくよう脅したり、最後には勢いよく殴るんです。珍しくマリウスがカッとなってるんですよね。

男らしいマリウスの一面が見れてグッときます。

もちろんエポニーヌの片想いに気づかないところなんかは何とも言えない気持ちになりますが、レミゼの光でありながら人間らしい所を持っていて、凄く好きです

エディ・レッドメインが演じた映画のマリウスは全女子に見ていただきたい!!
舞台版では、海宝直人さんが演じるマリウスが大好きです。
山崎育三郎さんも演じてましたね。

2回に渡ったマリウス編で、彼の魅力が伝わったでしょうか?
今回はここまで。




レミゼラブル 恋愛編 マリウス

2019-08-22 00:12:28 | ミュージカル
レミゼラブルの勧め 恋愛編 
前回は骨太なレミゼの世界を紹介したので、今回は恋愛編
レミゼの大きな魅力の一つです。

登場人物は、マリウス・エポニーヌ・コゼットの三人。
というわけで3回に分けて書きます。
まず簡単な紹介を。

マリウス:由緒正しい家に生まれたが、貧困に苦しむ街の人々を見て革命に加わることを決意する青年。アンジョルラスと共に学生軍の中心人物。エポニーヌに好かれているが全く気づかない鈍感な男。コゼットに一目惚れをしてからは、恋と革命の間で揺れる。

エポニーヌ:コゼットが幼少期を過ごした意地悪な宿屋夫妻の娘。親の悪事を手伝わされているが気丈に生きている強い女性。マリウスに片想いをしているが全然気づかれず、挙げ句の果てにコゼットとのキューピットを頼まれてしまう。

コゼット:母ファンティーヌの死後、バルジャンに引き取られ養子として育てられた少女。バルジャンを本当の父のように慕っている。裕福な生活をしているが逃げ隠れする暮らしのため(ここはまた別記事で)友達がおらず孤独。マリウスに一目惚れする。

では、本日はレミゼのプリンス、マリウスのお話から。
マリウスは本当に真っ直ぐな青年です。革命に参加するのもただ打ち倒したいみたいな気持ちでは無く、あくまで民衆を思っての決断。
舞台上でも、民衆に気遣うマリウスの姿がとても印象深く残っています。
でも、マリウスって「ミュージカル界3大ヘタレ男子」にも数えられることがあるんです。(ちなみに他二人は、ミス・サイゴンのクリス、そしてオペラ座の怪人のラウルです)
その理由の大きな部分を占めているのが、マリウスの鈍感さです

マリウスは昔からエポニーヌに想いを寄せられています。
結構エポニーヌは大胆にアピールするんですが、本当に気づかない。
その二人が舞台上での初絡みする歌唱シーンがこちら
(マリウス:緑 エポニーヌ:オレンジ)

 エポニーヌ 元気か?どこに隠れてた
 探してくれたの?
 サツも探してた
(マリウスが持っていた本を奪うエポニーヌ)
 大した本だね あたしも読めるわ
 見くびらないでよ 何でも知ってるわ

(エポニーヌから本を取り返すマリウス)
 この本は君の知らないことばかり
 (エポニーヌがマリウスの髪に触れようと手を伸ばす)
 その髪好きだわ
(驚いて避けるマリウス)
 何だよ ふざけて
 わかってないのね

エポニーヌはマリウスの気を引こうと本を奪ってじゃれついたり、髪も触ろうとしてるんですよね。それをおふざけだと思うマリウス。二人の関係性がよく表れています。
映画では歌詞がちょっと違います
参考までに

 マリウス 元気?国王を倒すって?
 まだ貧乏人のふり?
 おじいさんはお金持ち
 仕送りは受けてない
 家族とは縁を切った
 あなたの話し方が好き
 いつも僕をからかうね
 分かってないのね

舞台よりもエポニーヌの皮肉が聞いてますね。マリウスがお金持ちっていう説明を舞台よりきちんとしている感じでしょうか。
(舞台版ではあまり触れられてないので)

マリウスはエポニーヌこと全然嫌ってないんです。本当に友人として信頼している。

髪を触られそうになって避けているので、エポニーヌを女性として扱っていることは確かなんですが、自分は彼女を引き止める時に平気で腕をつかんじゃう。そんなこと気のない女にするなよ!と見てる側はなるわけですが…

好きな男がそんなボディタッチしてきたらそりゃ嫌いになんてなれないよねえ…。
あと話す時にエポニーヌの目をしっかり見つめるところもずるい。

しかしこのあと、エポニーヌの目の前でコゼットに一目惚れします。
コゼットとぶつかった瞬間、二人の恋が始まるのです。

(最近、Love so sweetをかけたら何でも恋の始まりになるみたいなの流行ってますが、このシーンはまさにそれ。目があった瞬間に音楽が鳴り響きスポットライトが二人を照らします)

その場ではコゼットを見失ってしまいますが、マリウスの頭は彼女のことでいっぱいになります。どんだけ純粋なんだよマリウス。
そして彼はコゼットに再会したいあまり、驚きの行動に出ます。
エポニーヌに、コゼットの居場所を探るよう頼むんです。
私の大好きなシーン

『エポニーヌの使い走り』
(タイトルがもうすごい)

 あの子は誰さ?
 金持ちの小娘
 探してくれよ
 何くれる?
 何でも
 どこがいいのかね夢中ねあんた
(マリウスがお金を渡そうとする)
 ムッシュ金など もらいたくないわ
 (背を向けたエポニーヌの腕を掴む)
 エポニーヌ 必ず見つけ出して 
 気をつけてな 会いたいのさ  
 ポニーヌ 狂いそうさ

 (ご機嫌に去るマリウス)
 こんなもんよ あたしの恋
 笑っちゃうわね ほんと


このシーン、マリウスは浮かれ気分で心ここに在らず。
しかも金出せば行ってくれると思っちゃうあたりほんと、わかってない。
なのにエポニーヌの腕を掴んでからは近距離でじっと見つめるんです。
そりゃ断れないよーーーー!
しかもポニーヌ、なんて愛称で呼んでるし。
よく考えればエポニーヌはマリウスの頼みに首を縦に振ってないんですが
「気をつけてな」って勝手に行くことにしてる。
マリウスの天然が爆発してるシーン、みんなエポニーヌの気持ちになるとうわあって頭抱えます笑

これ、英語詞を聞いていると更に頭を抱えることになりました。

「エポニーヌ 必ず見つけだして」の所からの原詞

 Eponine,do this for me
 Discover where she lives
 But carefull how you go
 Don't let your father know
 Ponine! I'm lost until she found

まず、何がやばいって「do this for me」
ですよね。
これは僕のためなんだよって言っちゃう。
それを言われたらエポニーヌも逆らえなくなりますよねぇ。

しかも、「気をつけて」の意味は
君の父に知られるとまずい、
というなんとも自己中な理由。

彼女を見つけるまで僕は迷子だよ〜
なんてエポニーヌに言うんじゃない!って感じですが、この喜びを誰かと共有したくていっぱいなんでしょう…

それに対するエポニーヌ。
(上記の「こんなもんよ」からの部分)
去ろうとするマリウスの背中に向かってこう歌います。

 You see, I told you so
 There's lots of things I know
(マリウス、立ち去る)
 Ponine, she knows her way,around

日本語版と違い、前半2行はマリウスに向かって「私は色々知ってるって言ったでしょ?」=「コゼットの居場所もわかるわ」と言っています。

これは僕のためなんだと言われて、
つい引き受けちゃったんですね。。

マリウスが立ち去った後にこぼす、
最後の一文がとても切ない。
マリウスに呼ばれた"Ponine"という相性で語るところもなんだか切なさ増してます

こういうところ見てると、やっぱ鈍感すぎるだろお前!なんてやつだ!ってなっちゃうのもわかっていただけるかと…

そして、学生軍の基地に戻ったマリウス
異変を感じ取った仲間から事情を聞かれると、彼らに言い返します。

 君が今夜居合わせたら 
   僕のこの想いがわかるだろう
 息も止まる喜びだ 
   ただ一筋 その光で 
 世界までが変わるだろう

 
革命に燃える仲間にキラキラした目で恋の喜びを語るマリウス、なかなか空気読めてなくて面白い笑
もうどこまでもピュア貫いてます。全然悪くないんですけどね、、


で、いよいよコゼットのもとへ向かうわけですが
思いの外長くなったのでまた次回。