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レミゼラブル 革命編その2

2019-08-21 19:14:55 | ミュージカル
では、続きです

④ ガブローシュの死
夜が明け、再び軍の足音が近づきます。しかし前日の雨で弾が湿ってしまい、学生たちは絶望的な戦況にいました。
リーダー、アンジョルラスは市民の助けが来ないことを確信し、残っていた女性や子供を帰すことにしました。言い換えれば、死を覚悟したのです。しかし、そこでガブローシュが動きます。敵陣に身一つで向かったのです。死んだ兵士の弾を集め、少しでも戦いの役に立とうとしたガブローシュは、周りが必死に止める中バリケードを乗り越えてしまいます。(仲の良かったグランテールが悲痛な叫びをあげるところが何とも…)
そして敵は容赦なくガブローシュを撃ちます。一度目の銃撃を受け倒れたガブローシュはもう一度立ち上がりますが、二度目の銃撃で絶命するのでした。
映画版は、一度被弾した後立ち上がり前に進んでいる途中で撃たれます。
舞台版は、砦の向こうに行ったガブローシュの姿は見えず声だけが聞こえるなか、一度目の銃撃。その後敵の銃を持って砦に戻ってきたところで背後からもう一発受け、倒れたガブローシュをアンジョルラスが抱きとめるというシーンになっています。
もうこのガブローシュのシーン、とにかく辛い。。

⑤ 戦いの終わり
そしていよいよ最後の戦い。学生たちが銃を持ち敵に向かっていく姿はまさに特攻隊。
容赦なく砲撃され倒れていく中、互いを讃え別れを惜しむように握手するものたち、抱き合ったり、言葉を交わしたりする者たち。。
マリウスも被弾して倒れますが、バルジャンが彼を安全な場所に連れて行ったため彼だけは一命を取り止めます。そしていよいよ敵が乗り込み、アンジョルラス達は窮地に立たされます。戦いの最後、アンジョルラスは革命の印である旗を掲げ、仲間と共に銃撃を受けて絶命するのでした。革命は、失敗に終わったのです。

残されたマリウス
瀕死のマリウスをバルジャンは担いで運び下水道を使って安全な場所へ連れていきます。
このシーンも見どころですが、、
マリウスはその後、仲間達と革命に燃えた基地を訪れます。もちろんそこに仲間の姿は無く、ひとりになってしまったことを痛感するのでした。
マリウスの唯一のソロ曲『カフェ・ソング』が流れます

 言葉にならない 痛みと悲しみ
 空の椅子とテーブル 友はもういない
 自由を夢見て炎と燃えて 共に唄ったが その日は来ない
 新しい世界を まぶたに描いて 声も高らかに
 唄った歌の誓いそのまま 別れを告げた 砦の寂しい夜明け
 ああ友よ許せ 僕は生きている
 言葉にならない痛みと悲しみ 窓に映る影 床にも姿が 
 空の椅子とテーブル 友はもういない
 ああ友よ聞くな 散り果てた意味を
 空の椅子とテーブル 歌声もない

マリウスが、自分が生き残った罪の意識や仲間への思い、虚しさを歌い上げる名シーンです

その後、暴動が終わり静まり返った街をジャベールが歩くシーンがあるのですが大好きなので別記事でお話しします

レミゼラブルの革命シーンのモデルは「六月暴動」という実際にあった事件です。
登場人物はフィクションですが、映画と同じくわずか1日で制圧された悲しい暴動。
民衆の歌だけを知っている人は、革命で成功するイメージが強いかもしれませんが、実際は彼らがあっけなく死に、街は何も変わらないという本当に悲しい結末なんです。。
学生達一人一人のキャラを見たり、注目すべきポイントはまだまだあります。
簡単にまとめようと思っていたのですが全然まとまりませんでした、、笑
レミゼは結構骨太の作品だぞ、というのが伝わればいいかなと。

レミゼラブル 革命編

2019-08-21 19:10:14 | ミュージカル
レミゼラブルの魅力 革命編
ミュージカルに苦手意識がある男性の中には、「ロミオとジュリエット」的なラブロマンスのイメージが強い人もいるのでは?
でも、レミゼの見どころの一つは、革命に燃える学生たち。彼らのシーンで胸が熱くなる男性、絶対多いはず!
そんなわけで革命編(初心者向け)のご紹介。あまりコアなところは掘り下げず、初めての方向けにしてます
ネタバレががっつり入っていること、歌詞・タイトルが多少違う可能性があることをご了承ください。あと歌詞は省略してます

レミゼラブルの舞台は革命期のフランス。貧困に苦しむ町の人々を救おうと、学生たちが立ち上がります。ではまず、革命シーンを語る上で外せない人の紹介から。

先頭を率いるのは“アンジョルラス”
正義感が強くて仲間思い、とにかく熱い男です。
そして彼と共に学生運動に参加するのが“マリウス”
レミゼの中心人物で、主人公バルジャンの養子コゼットに一目惚れし、革命と恋の間で揺れ動く青年です。実はマリウスはお金持ちの家に生まれたのですが、街のひどい状況に心を打たれ、身内の反対を押し切って革命に参加するとてもまっすぐな男。(映画ではエディレッドメインが演じてます。めちゃ格好いい。)
そして見せ場があるのは少年“ガブローシュ”
とりあえずこの三人を覚えておきましょう。ガブローシュは街の浮浪児ですが、大人にも負けない生命力を持つ少年です。加藤清史郎くんや高橋一生が舞台でこの役を演じました。ではこの三人を紹介したところでもう少し詳しく説明を。

革命シーンは大きく分けて
① 革命前夜
② エポニーヌの死
③ 学生たちの夜
④ ガブローシュの死
⑤ 戦いの終わり
⑥ 生き残ったマリウス
となります(独断)

革命前夜
革命に燃える学生たちのもとに、ガブローシュが“ラマルク将軍の死”を伝えにきます
ラマルク将軍とは貧困に問題意識を持ち、市民が慕っていた政治家でした。彼が亡くなったことでこの先の政治に希望はないと、学生たちは将軍の葬式の日に革命を起こすことを決意します。革命シーンの中で最も明るいシーンといえるでしょう。
この場面を彩るのは、『ABCカフェ/赤と黒』

 レッド 熱き血潮 ブラック 呪いの過去
 レッド 夜明けの色 ブラック 夜の終わり
 さあみんな街へ出て行こう 市民は立つ
 声を聞いて 群となりて

コゼットを忘れられないマリウスも、揺れる心を抑えて革命に参加することを決意します。
そして革命の日、あのテーマ曲が流れます。そう『民衆の歌』です。

 戦うものの 歌が聞こえるか
鼓動があのドラムと響き合えば
新たに熱い命が始まる 
朝が来た時そうさ明日が
列に入れよ我らの味方に 
砦の向こうに世界がある  
戦え それが 自由への道

学生たちを迎え撃つ警官の中には、主人公バルジャンの宿敵ジャベールもいました。
彼は学生たちを欺くため、志願兵と名乗ってバリケードの中に入り込み、学生達に「軍は夜のうちに攻めて来ない」と嘘をつきます。学生はまんまと信じるのですが、ガブローシュだけは騙されませんでした。志願兵ではなく敵のジャベールだと気づき、学生は難を逃れます。ガブローシュ、よくやった!!
(というか学生達もだいぶ迂闊…)

エポニーヌの死
そしてついに軍がバリケードに襲撃をしかけ、戦いの火蓋が切って落とされました。
バリケードの中から銃で攻撃する学生に対し、相手は大砲。懸命に戦う中、最初の犠牲者はマリウスに想いを寄せる女性“エポニーヌ”。マリウスを庇って銃弾に倒れたエポニーヌはマリウスの腕の中で亡くなります(二人の関係は別記事で掘り下げます)。
『恵みの雨』は号泣ものです。(この曲も後で解説)
彼女の死をきっかけに、仇を取ろうと士気を高めた学生たちですが、厳しい戦況がつづきました。彼らの計画では、学生に続いて市民が声をあげ、戦いに参加してくれるはずだったのですが、市民は窓を閉め、革命に参加するものはいなかったのです。
一概に市民が悪いとも言えません。敵は大砲で攻めてくるのに対して、学生側は家具で作ったバリケード。
勝てる見込みは最初からないんです…。
学生も市民を責めることはなく、怯える市民を見捨てないと歌っています。
切ない。

学生たちの夜
夜になると軍が一度撤退。しばしの休息を得ますが、すっかり敗戦ムードに包まれていました。一縷の望みである市民の助けを待つ中で、どこからともなく、学生が歌い始めます。
『共に飲もう』
 過ぎた日に乾杯 死も恐れぬか
 世界は忘れないか? 死など無駄じゃないのか?虚しくないか?
 過ぎた日に乾杯 人生に乾杯
 友よ言うな 死ぬとは
 長く続け友情 過ぎた日に乾杯


ガブローシュと仲が良くいつもお酒を持っている陽気な青年、グランテール
彼がこの革命は無駄ではないか、自分の死は無駄死にになるのではないかと問いかけるところも胸が打たれます。学生たちを支援する数少ない女性たちと共にこの歌を歌い、それぞれが複雑な想いを抱えながら眠りにつくのです。
一方マリウスは、エポニーヌの死、そして愛するコゼットと二度と会えない悲しみにくれて投げやりになっていました。

 死んでもいいさ コゼットは旅に出る
 今は虚しい人生 僕が死んだならコゼット
 泣いてくれるか


しかしその歌を、コゼットの父バルジャンは聞いていて、コゼットと恋仲になっているのが彼であると知ります。(バルジャンはマリウスを探しに志願兵として加わっていました)
マリウスの純粋な想いを知り、眠りについた彼のそばで祈りを捧げるのでした。
バルジャンの美しいファルセットが響く『彼を帰して』です

 若い彼に平和を与え給え 聖なる神よ彼に命を
 死ぬなら私を死なせて 彼を帰して 家へ


次回、革命の終わり編につづく