あしたはきっといい日

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歩く

2008-02-01 00:21:07 | つれづれ
昔よく、祖父の勤め先を尋ねて銀座通りの歩行者天国を歩いていた…というか、何かしらにつられて歩かされていたというのが真実だろうか。それがベースなのかどうかは別として、今でも歩くのは好きで、都内はもとより、旅行先でも当てもなく歩き続けていたりする。後者のほうは、おいしい雰囲気がする飲食店がなかなか見つからないという理由もあるが…

昨日は早めに職場を抜け出し、映画「転々」を観に行った。
オダギリ ジョーさん演じる、借金を抱えた大学8年生の主人公が、三浦友和さん演じる借金取りと散歩しながら霞ヶ関を目指すという、簡単に言うとそれだけのストーリーである。けれども、正反対の立場の二人が一緒に街を歩いているうちに、だんだんと心の距離が縮まっていく。そして、借金取りに対して父親に抱く思いを
持った時、目の前に現れるのは…

笑いどころが満載で、実際ついつい吹き出してしまう場面も多々あった。けれども、終盤に向けて何となく胸にこみ上げてくるものを感じ、涙が出てきた。もしかしたら、亡くなった父親の幻影を追い求めていたのだろうか。
その終盤、ほとんどつながりのない4人が食卓を囲み、食事をしているシーンがあった。世の中でも、家族全員が食卓を囲むことが少なくなったと聞くが、この映画は逆に関係のない(薄い)擬似家族が一緒に楽しく食事をするというのに、何となく皮肉を感じる。

そこでは、カレーがある意味を持って登場する。その辛さに涙する二人の男を見ていたらカレーが食べたくなった。一人壁に向かって食べるカレーは、味はおいしいものの食事としてはとても寂しいものだった。カレーは、家族の顔を見ながらたべたいと改めて思いつつ、その日が永遠に来ないのではという不安が頭をよぎった。
その前に、どこか歩いてみよう。

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