Studio_Rosso 1/43 自動車模型制作日記1

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一番難問のNo.23の修理です

2019-12-10 19:57:54 | ミニカー修理
本日の山陰も少し雲が出ましたが天気の良い一日になりました

本日は定休日なので雑用をこなします
どんな雑用なのかと言いますと・・・中庭の子ヤギさんや子ヒツジさんをガレージに避難させています。
まあ冬ですから外は寒いですからね〜
春まではガレージの中で過ごして頂きましょう。


またお店のメンテナンスも必要になります
10年経過しましてお店の方もそろそろ色々な物が壊れてきますのでメンテナンスが必要になります。
10年でキッカリ壊れたのが私の部屋のエアコンです
知らない間にガスが抜けてしまいまして壊れてしまいましたダイキンさんの見積もりのよりますと室内機からのガス漏れでして14万円以上の修理費がかかるという事で・・・たまたまお越しになった大阪のお客様が電気関係の仕事をしていらっしゃいましてお客様から本体を送って頂きました。
まさかただと言う訳にはいかないので・・・しつこく値段を伺いましたら152000円と言われましたのでその分だけお支払いをしておきまして本日工事をしました。
同じ品番をネットで調べたらパナソニックで一番安い交流三相式200Vでその金額でした。
多分お客様もご覧になっていたのではないかと・・・色々な方々にお世話になりつつ11年目を向かえようとしています、以前ミニカーのご注文を頂いて久しぶりにアトリエに遊びにいらっしゃったのですが丁度エアコンが壊れた日だったので灯油のファンヒーターを使っていたんですね。
今日の午後からは暖かく仕事をさせて頂けます、有り難うございました。
ちなみに・・・12月16日は営業開始の記念日です。


さて難問のカーナンバー23番の修理を開始致します
どうやらダメージが一番大きそうなんですね。
メイクアップさんのアクリル製の展示ベースから外した時点でそれはよくわかりました
本来なら仮組台にすぐに付け替えて修理開始となるのですが・・・
すぐに修理開始とはならず・・・

まずは裏返して下側のシャーシの板を取り外します
と言っても先日の599の様にシャーシの裏板が曲がっていた訳では有りませんよ。
もっと重大な損傷でした。
何とフロントのアクスルが外れて前輪が遊んでいるのです。
ここが外れる事は大変珍しいので輸送中に大きな衝撃を受けたのではないかと思います
ここはホットグルーガンで取り付けられていますので衝撃にも強くて少々では外れないのです。

元通りにアクスルを接着します
取り付け場所や向きがわかっていたらそんなに困る様な事は有りません
エポキシ系の接着剤を使って元通りです
元に戻ったら仮組台に固定致します
ここから修理が始まります。

ウインドウは左右のサイドウインドウとフロントウインドウのモールの脱落がメインですが悪い事に部品が行方不明になっている所が有ります
左サイドウインドウの枠は無くなっています
右のフロントホイールのセンターロックの中央部分の丸いエッチングも有りません
リアの排気管の上側に付いているフードロックも片側有りません
リアフードの前側のロック(リアタイヤの前側です)も片側行方不明です

他の部分を調べていたらヘッドライトの右側の透明なカバーもパクパクしていまにも外れそうでした・・・
外れそうですが今有る部品は先に取り付けておきましょう
まずはライトカバーを接着します
カバーの厚みの部分に接着剤を付けて貼付ければそんなに難しくは有りません

問題はサイドウインドウの枠ですね
スパイダーボディは左側のサイドウインドウの枠が飛んでしまって無くなっています。
だから真鍮の帯金で3分割にして作ります
幅が0.6/0.7/0.8mmと有りますので実際に当てて雰囲気を確認しながらどれを使うのか決めましょう。

ウインドウに当ててみて長さを確認してカットします
そしてウインドウのRに合わせて曲げておいてからサフを塗っています

この後ボディカラーを調色して縦の物にはボディカラーを・・・実車は下の物がアルミ製なのでシルバーで塗っています
修理はまとめて部品を作る様な事は有りません・・・細かな事の積み上げですね。
そして近道は無いのです

ついでに外れていたセンターロックを取付けます
幸いにして外れた部品は有りましたが・・・
センターの丸い蓋の部分の部品が無いのです。
Studio_Rossoのシートベルトセットの中にステンレスの丸いエッチングが有りますのでそれを使って取付けておきました。
サイズが同じなので見分けがつかないと思いますね。

そして・・・前側のフードロックも無いのです

反対側は何とか付いていますが・・・接着は外れています

無い物は何とかしなくてはなりませんが・・・もう私の手持ちのP4の部品取りには部品が無いので・・・以前買っておいた秘蔵のFerrari250LMのエッチング部品を出してきて使いました
片側はまだ付いていますが左右で形状が違うのも格好が良く無いので左右とも交換します

これで完成かな!?
と思って見回していたら何となく顔つきが違います
!?と思って良く見ますとフロントのインテークの中央に有る縦の補強が無い・・・
黒いメッシュのエッチングの中央を押してみますと両端は接着されていますが中央は浮いています
恐らくボディが収縮してエッチングの両端が強く接着されていたので中央が持ち上がってしまったのでしょう、中央部分が持ち上がってしまったのでそこに接着されていた縦の補強が外れて飛んでしまったのではないかと想像します。

エッチングの部品はもう無いので・・・自分で作ります
0.2mm厚の真鍮板を使って埋め込みピンは0.3mmの真鍮線を使ってハンダ付けします。
ところでこの部分の補強ですが奥行きに種類が有るのをご存知ですか?
模型のP4に奥行きが深い物と浅い物が有るのです、今回は浅い方の物で良いと思います。

無塗装の状態できちんと合うのか確認をします
この時点で確認しておかないと塗装後に簡単に削る訳にはいきませんからね〜。

3台のP4の修理が完了しましたのでケースに戻そうと思いますが・・・カバーと下のベースが干渉しまして傷が付いていたのを磨きましたが輸送中のガタツキで傷が付かない様にマスキングテープをカバーの下面に貼っておきましょう。

これで完成かな・・・

最後に傷の防止の為に全体にラップを巻きまして梱包して午後からお客様の元に発送させて頂きました。


あと数日は修理に時間がかかりそうですね〜
ラストスパートです(笑)