「ヤバすぎる日本刀伝説」
(小和田 哲男/著 宝島社 p.143)
図書館の新刊書棚に並んでいましたので借りてみました。
日本刀の歴史は2300年以上前の縄文時代にさかのぼる。狩猟の道具から日本刀は戦いの場の武器へとその姿を変え、また各時代における権威の証として尊ばれてきた。現代へ継承されてきた日本刀は美術、工芸品として国宝、重要文化財の指定を受けているものもあり、博物館、美術館などで実物を見ることもできる。本書ではそれらの内50振りほどがその由来と共に紹介されている。いずれも戦国時代の名だたる武将が寵愛し伝承されてきた歴史に名を残す名刀である。
冒頭の7振り
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・ 祢々切丸(ねねきりまる) 妖怪祢々を斬った日本最大の太刀 刃の長さ216.7cm 日光二荒山神社所蔵
・ 鬼丸国綱(おにまるくにつな) 北条家に代々伝えられた悪夢から主を救った刀 宮内庁所蔵
・ 数珠丸恒次(じゅずまるつねつぐ) 日蓮上人の身を守った天下五剣のひと振り 本興寺所蔵
・ 大包平(おおかねひら) 一国に替え難い日本刀の最高傑作 東京国立博物館所蔵
・ 三日月宗近(みかづきむねちか) 刃文に三日月が輝く美しい不殺の刀 東京国立博物館所蔵
・ 毛抜形太刀(けぬきがたたち) 刀身と一体になった毛抜の形に似た柄 伊勢神宮徴古館所蔵
・ 七支刀(しちしとう) 「謎の4世紀」に迫る七つの刃を持つ鉄剣 石上神宮所蔵
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数十年前のことになりますが、雑誌に実物大の日本刀の写真が付録として折り込まれていました。柄を入れると1メートルを超え、研ぎ澄まされた輝き、計算されたかのような緩やかなカーブ、しのぎ、刃紋の美しさなどを目の当たりにして、歴代の武人が手中におさめたかったかが分かるような気がしました。
しかし、一方で刀は人を傷つけ、殺すための武器でした。冷たく長く光った刃で相手を切りつけました。博物館、美術館に展示されている中には実際に人を殺傷した刀剣もあるのではないかと思います。このように考えると単に美しいと見ていることに恐ろしさを感じ、このときの記憶は今でもテレビなどで日本刀を見るとときどき思い出します。
4.15/2021 05:37