今年は少しは価格も下落するか? という期待だけはあるPC向けグラボ業界。そうでなくてもGPUは内蔵派のわたしじゃ全く買いたくならない性能と価格のグラボばかりな昨今、ギリギリ買う意味のある1スロットサイズのRX550が発売されました。
正直5年も前のロークラスのGPU採用でこの価格ははっきり高いと言えます。ただ、それでもAmazonで売っているやつよりはまだ安いです。なのでAmazonアフィリとかは自主的には貼りません。ただ、少数しか入荷していないのかツクモの通販サイトではすでに「品薄」になったりしていますが。
それでも買う価値はあると思います。まずなんといっても1スロットしか専用しない形状である点。もちろん補助電源不要なのでコンパクトに収まります。
第二に、GCN世代のRADEONであるため、あのFluid Motion Videoに対応している点です。AMDの次のAPUは内蔵GPUがRDNA2であるため、GCN世代の強力な機能であったFluid Motion Videoが使えない可能性が高いのです。それどころか先日発売されたRDNA2のロークラス、RX6500XTは動画エンコード機能さえ省略されてしまいました。APUを「ただの小型ケース向けGPU内蔵CPU」へと変動させつつあるAMDが6500XTのさらに下位となるAPU内蔵GPUから動画エンコード機能を外してくる可能性は決して低くありません。H.264/AVCはまぁCPUでも十分高速でエンコードできるので支障はないのですが、H.265/HEVCとなるとCPUエンコードではまだ重く、GPUのエンコードを愛用しているという人は決して少なくないはず。「GPUの動画エンコードはゲームの配信のためのもの。だから下位クラスのGPUを使う人はゲーム配信などやらないだろうから不要」という考えなんでしょうが、ささっと高速でMPEG2動画のファイルサイズを縮めたものを用意するにも便利なんですわ、GPUのエンコード。次世代APUでそれを切られるとなると、その代用品が必要になります。今回発売されたRX550はそれに当てはまる性能を持っています。もちろん3D描画機能などは次世代APU内蔵のGPUにすら劣るものになるでしょうが、描画そのものは内蔵で、FluidMotionVideoの処理や動画エンコードだけはグラボで、という併用の仕方は可能ですので、端っこのPCI-Expressx16形状のスロットにでも差し込んでおけば十分使い物になります。
AMDは現状、GPUの性能はゲームのフレームレートやベンチマークだけで判断されると考えているのか、動画性能を削ってその分のリソースをゲーム機能に振る方針でいるようです。RX550はロークラスながらその機能を全部残しています。サブGPUとして長く使うことになると思いますので、価格を飲める人なら買っても損はないかと思います。ええ、わたしは一枚買いました。もっとも、わたしが一番望んでいるのはこの購入が「損した」と思うような次世代APUであることなんですが。
あえて価格以外に苦情を言うとしたら、PCI-Expressx1でも使える形状をしていればもっと良かったのですが・・・。まぁ玄人志向が企画して設計したわけではなく海外で売られているものをカスタマイズしただけでしょうからそこまでできなくても仕方ありませんが。
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