第12世代Core、買いました

製品のラインナップとしては一通り揃った感のあるAlder LakeことIntel第12世代Core。わたしもそろそろ買いたい、と今年に入って言い続けていましたが、今回はMicroATXのデスクトップケースに入れたいと考えていたため、なかなか良いものが発売されないので手が出せずにいました。手持ちのPCの中で引退させるのなら一番古い世代であるRyzen 7 1700搭載のPCですから。こいつが入っているのがMicroATX、しかも前述したとおり横置きデスクトップタイプのケースで、これ自体は気に入っているのでまだ使いたいのです。少々狭くて水平挿し仕様のSATAケーブルが使いにくいのが難点なのと、あとはわたしの好みの問題で

１．SATAは垂直挿し多め、もしくはマザーボード自体が小型。そのためならメモリスロットは2つしかなくてかまわない

２．拡張スロットは４つ装備

というのが欲しいのですが、全然出てくれません。どれも拡張スロットを減らし、SATAは垂直挿しは二つだけ、という特徴のないものばかり。それにしても一昔前は十分な拡張性のあったMicroATXも、すっかりダメになってしまいましたね。わたしなどちょっと前まではATXケースでMicroATXマザーを使う、というのを好んでやっていたくらいです。SATAはたいてい６つはついてましたし、拡張スロットも4つあるので必要十分、作業用スペースが取れるので不器用なわたしでも細かいコネクタが挿しやすく、作業がしやすいという理由で。今のMicroATXのラインナップじゃこんなこと全くやる気が起こりません。

そんななか、希望の光に見えたのがASROCKのマザーボードのラインナップ。ただ、日本語ページには商品がなくGLOBALに切り替える必要はありますが、そこで紹介されているB660M-HDVP/D5とH610M-HDVP/D5の二つ。一見したところ完璧なんです。SATAは4つしかないながらすべて垂直挿し、メモリスロットは二つしかないけど小型、でも拡張スロットは4つでPCI-Expressx16＋x1二つ＋x4のx16形状一つで言うことなし。よし、これが日本でも入手できるまで待つか、あるいは海外サイトから個人輸入して･･･とちょっとだけ思ったんです。でもこの2枚、型番が示す通りメモリがDDR5なんです･･･。確かにメモリはDDR4よりDDR5の方が全体的パフォーマンスは出るでしょう。が、まだまだ高いですよ、DDR5メモリ。入手性の問題もあってどのマザーボードメーカーもDDR5対応製品はハイクラス向けでDDR4の方が製品が多くなっています。ASROCKだってそうです。他のDDR5対応はチップセットがZ690のハイクラス向けATXばかりで、B660やH610といった下位チップセットでDDR5なのもMicroATXなのもこの2枚だけ･･･。なんでわざわざこういう特定のターゲットど真ん中からするりと逃げるような製品にするかなぁぁぁぁぁぁ！　まぁ最近すっかり影を潜めていたASROCKの本来の姿である変態気質がヘンな形ででてきたせいかもしれませんが、自分が対象になると腹が立ちます。メモリだけDDR4な製品は現状紹介されていませんし、待ってられません。

なのでいろいろ妥協することにしました。小型はあきらめ。SATA水平挿しもしょうがない、Ｌ字のケーブルを使ってなんとかします。普通はHDDの側に挿すＬ字コネクタですが、これをマザー側に使うことでなんとか水平挿しを使用可能にしようとする作戦です。マザーボードをケースに固定した状態では抜き差しが出来なくなってしまいますが、仕方ありません。その場合でも水平コネクタが上下二段になっていると片方しか使えません(逆Ｌ字で下から出そうともしましたが、無理でした)が、BDドライブの内蔵をあきらめてSATA3つでとりあえず良しということにもしました。ええ、そこまでして別の意味で使いたい、というマザーがあったんです。GIGABYTEのB660M D3H DDR4です。

で、普段ならAmazonのリンクでも貼って紹介するところですが、しません。売ってないからです。検索してもB660M DS3H DDR4という似た型番の別物しか出てきません。ツクモでしか売ってないんです。同社の通販サイトには｢※ツクモ限定モデル ｣という表記があるので、独占販売をしているようです。と言ってもツクモが直接買い付けているわけではなく輸入代理店を通してはいるようですが。

このマザー、なんで妥協してまで選んだか、といいますと、もちろん拡張スロットがちゃんと4つあるからです。しかも

お判りいただけますでしょうか？　拡張スロットの一つがなんとPCIバスなんです！　M.2.スロットばかり増やしたがる昨今事情の中でレイアウト的に不利になりそうなPCIバススロットのあえて採用！いや～変態気質はこういう形で発揮しなきゃいけませんよ。このマザー、PCIで使いたいと思うボードを持っていなければ4つの意味がなく、使わないのならむしろ他のマザーより使い勝手という点で悪くなります。ですが、どうしても｢挿すところがないという理由で引退させたPT2をこのPCIバススロットに挿してもう一度使ってみたい！｣という心の奥から湧き上がってきた誘惑に勝てなかったのです。一応パーツ用の袋に入れて冷暗所に保管してあったとは言え、長年放っておいたPT2、経年劣化で壊れてないか、確かめようもないし･･･。そういう迷いもありました。が、他に対抗馬だったPRIME Z690M-PLUS D4、こいつは拡張スロットは文句なしなのですがB660M D3H DDR4より一万円ほども高いのに内蔵LANがギガビットというのも己を納得させる理由として使うことにしたのです。

そして、その賭けには勝ちました。現在無事PT2が動いています。さすがアースソフト製、高品質です。PT3に不満があるわけではないですよ、むしろ分配器が内蔵されているところだけ見てもPT2より使い勝手はいいわけです。でもそれはそれ、これはこれ、なんで。PT3は折を見て他のPCで使うことにします。

と、妙な満足感を満たしてくれるB660M D3H DDR4ですが、SATA以外にも不満はもちろんあります。現状のBIOSでは内蔵GPUを｢有効｣｢無効｣｢AUTO｣の３つのどれかにするしかなく、｢優先｣できないのでグラボを挿すと内蔵をメイン出力として使えなくなり、UEFI画面出力用として使えなくなります。これはBIOS更新を期待するしかないでしょう。そしてそのUEFIが、どうも周波数かなにかが他と違うらしく、モバイルディスプレイやテレビのHDMI入力ではまともに表示させることが出来ません。わたし、普段はPCの組み立てや入れ替えは作業部屋でやり、動作確認などはCENTURYのモバイルディスプレイを使ってやってます。が、一瞬しか表示できず、HDMIケーブルを交換してもグラボ経由で出力させてもダメだったのでてっきりモバイルディスプレイが壊れたか？　と思ったのですが液晶テレビのHDMI入力でも｢接続機器の設定を確認してください｣などのメッセージとともに一瞬映っただけですぐに消えてしまったので、出力周波数の問題だろうと結論付けました。もちろんPC用ディスプレイならちゃんと表示されますし、最悪D-SUB経由で映像を出すこともできます。解像度が足りなくて左右が切れますが･･･。どちらも事前の情報収集でわかる話ではないので仕方ないですが、BIOS更新で解決可能かも知れませんので改善を待ちたいところ。一番痛いのは1スロ版RADEONを挿してFluid Motion Videoのレンダリングだけやらせるということが現状できないという点なので｢内蔵GPU優先｣をぜひ追加してほしいです。

今回は久々にこれ以外の細かいトラブル一切なしでスムーズに組み立てが出来ました。OSはWindows11を入れ、現在テスト中です。あ、CPUは当然Core i7 12700。毎回同じですがTDP(最近はPBPという表記に変えたそうですが)がミドルクラスの65Wものです。わたしのやり方は時間がかかるので結果の記事はもうしばらく先になります。まぁ今更第12世代Coreのパフォーマンス記事を出しても需要はないでしょうが、お付き合いいただけたら幸いです。