駆け込み需要の裏の形

前から書いていますが、中古屋というのは結構現在の流行に左右されるものなので、持ち込まれる品物が多くて多種に渡っていると、時の変化を感じられて楽しい商売です。暇な時はこれほど暇な商売もないんですけどね。

で、この何週間か妙に持ち込み希望が多くなったのが、３～４年前の旧式の37型液晶テレビ。ちょっと前は１～２年前の32型が多かったのですが、主流が入れ替わった感じです。先月までとは明らかに異なる流れです。
それだけで推理するのは乱暴ですが、やはりエコポイントの改訂による駆け込み需要とは無縁ではないでしょう。もちろんみなさまご存じの通り、別に四月になるとエコポイントが無くなるわけではないのですが、テレビに限って対象条件が厳しくなり、いくつかの製品が対象商品から外されます。と、言ってもCellREGZAのようなエコより性能重視の高級機か、あるいは性能の低い低価格機が中心なわけで、種類は減っても売れ筋は問題なしなんですが・・・。
なぜかこの「エコポイント、対象商品減る」の話はあらゆるメディア、それこそテレビや新聞はともかく雑誌にネットまでが「早めに書けば特ダネだ」とどこも思ったのか、一斉にその情報を書いたために誰しもの目に一度は触れるようになったうえ、どの電気量販店もチラシでその点を主張(あくまで地元の新聞に挟まれていたものだけから読み取ったものですが)しているので、「エコポイントの対象商品が多い今のうちに」といういわゆる駆け込み需要心理が働いてしまったのでしょう。ただ、政府や総務省・テレビ局の目論む、まだデジタル放送を導入していない家庭が主ならともかく、あくまでウチの状態から見る限りですが、先行導入者層にも同様の心理が及んでしまったようです。そのため買い換えが進み、旧式と化した37型の持ち込みが増えたのではないでしょうか。とは言っても37型を買った人が32型以下に買い換えるとは思われませんので多くは37型～42型に買い換えると思われますが、その層は一番メーカーが力を入れる売れ筋なので、多くがエコポイントからは外れないんですけどねぇ。
先行導入者層は新し物好きであると同時に情報収集にも割と熱心なので、新しいテレビに入る新機能搭載テレビと比べ、自分のテレビに見劣りを感じてしまうのでしょう。それを買い換えるいいキッカケになったのかも知れません。
ただ、３～４年前の液晶テレビというのは、実は商品価値のあるギリギリの年代なわけですよ。断るものもありますしね。特に、HDMIがなくて最高D端子までしかない液晶テレビは商品価値がもうありません。例の「20世紀少年第二章」BDの初期不良によって、ソフト供給側の都合でいつでもアナログ接続の画質を落とすことが出来ることがハッキリしたため、その傾向はますます強くなりました。少なくともわたしはそう考えています。ただ、そこまで考えていない店もあっても不思議ではありませんが、必ず近いうちに値段はゼロになります。

昨年の四月に液晶・プラズマテレビがリサイクル法の対象にされた時は本当にこっそりと導入されたので、ほとんど話題になりませんでした。むしろエコポイントの導入の方に関心を誘導することに総務省は成功したわけです。2011年7月24日の直前には、またこの駆け込み需要が来るでしょうし、旧式液晶テレビの需要は落ち込むかも知れません。ですから・・・もちろん普通にリサイクル法によってリサイクル料金を払う気があるなら別ですが・・・もしちょっと前の液晶テレビを売って新しいものに買い換えたいというのなら、今のうちかも知れません。