読書とかいろいろ日記

読書日記を中心に、日々のあれこれを綴ります。

『灼夜』 永瀬隼介

2009年02月21日 | 読書日記
灼夜』 永瀬隼介
¥1,700+税 角川書店 2008/8/31発行
ISBN978-4-04-873858-3

中学三年生の森本篤。新聞は読まない、テレビのニュースも見ない、世の中のことをなにも知らない、ありふれた14歳。
明日から夏休みという日、嫌なことがあってむしゃくしゃした篤は、たまたま見かけた薄汚いこどもをついいじめてしまう。謝ろうと思って翌日こどもに会いに行くが、可愛げのない態度に再び小突いてしまい、こどもの義姉リーホワに殴られる。
その晩、リーホワが篤のアパートにやってくる。こどもを誘拐しただろうというのだ。
誘拐。動転した篤は、衝動的に尾崎を頼った。柔道部の先輩で、中国人の血を引いていると噂がある。彼ならきっと助けになってくれる。それが波乱の夜の幕開けだった…。

> 「生きるためなら、なんだってやる。中国人が日本で生きることは、ヘドやクソの中を泳ぐことだ。へなちょこの日本人に判ってたまるか、このやろう!」(63頁)

> 「人間にとって愛するものをさらわれ、その命が危うくなるほどつらいことはない。それはつまり、弱点だよな。ワルの中国人は弱点をとことん攻める。傷口に塩をすりこみ、フォークで突き刺すような真似を平気でやる」(75頁)

> 「おれたち中国人は夢を見てはいけないんだ」
> 「かなわない夢を見るよりは現実だ。目の前に立ち塞がるひどい現実を乗り越えない限り、生きていけない。おまえら日本人には永遠に判らないことだ」(287頁)

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