読書とかいろいろ日記

読書日記を中心に、日々のあれこれを綴ります。

『ザ・ロード』 コーマック・マッカーシー

2009年01月19日 | 読書日記
ザ・ロード』 コーマック・マッカーシー(黒原敏行・訳)
¥1,800+税 早川書房 2008/6/25発行
ISBN978-4-15-208926-7

生きるものの姿のない道を、父と息子が歩く。
果てのない絶望。
圧倒的な悲しみ。
人はかくも無力だ。
静かに、けれど圧倒的に。

物語の力。

死んだ道に雪が降る。

ストーリーはつまり終末SFで、たぶん核戦争後の世界で(明示されない)、冷え切った地上でわずかな生存の可能性を求めて、南へと旅をする親子。
ただそれだけの物語で、生き残りの暴徒に襲われる緊迫したシーンもあるけれど、基本的に展開に派手さはなく、淡々と進む。
それなのにこの圧倒的に胸に迫る悲しみはなんだろう。


ところで。

> どうするのパパ? と彼はいった。
> どうするかな、と少年はいった。(250頁)

この台詞は、普通だったら前者が少年で後者が父親のものだと思うのですが、訳は逆になってます。これはどういう意図の元でこう訳されているのでしょう。
まさか単純な誤訳ってことは…ないよね?

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