草津には何回も行ってはいるもののまだ泊まったことがないなぁと話していたら、最近のホテルチェーンのあまりにも安い料金設定のPRをいくつか見つけ、その中でもスコブル付きの宿があってこの料金でどんなものかという興味もあって一泊旅行を試みた。
ホテルグループは言わずと知れた格安料金を売りにするおおるりグループ、選んだ理由は雪がまだ心配な草津に出かけるのに往復送迎バスサービスがあったから。その往復料金がなんと300円というのはJRバス関東の新宿から草津温泉ターミナルの片道が2500円というのに比べたらベラボウな値段、それに一泊二日で朝夕バイキング付の料金5300円を加えても交通費込お一人5600円ポッキリというのは信じられんなぁ。まぁこの値段なら雪景色を眺める旅をして、温泉に入るだけでもいいじゃないかと、それ以上を期待しなくてもいいものね。
さてその結論は学生合宿所に毛が生えた程度よりはもっとマシでごく普通、手入れは行き届いているとは言えないもののそんなにヒドイというものではない。食事も安い素材で家庭料理風なものながら品数は多いから腹一杯にしたい人にも量は不足しない。一番の取得は草津にあるグループ3ホテルの風呂のハシゴが出来ること、泉質に大差があるわけではないものの感じが変るからと全部に入って堪能してしまった。草津の名湯を満喫するには文句はないものであったと言える。
もう少し気分よくというために改善点を一つだけあげるとすると、大浴場着替室をもっときれいにすることそれと入口の暖簾も新しくしたいな、どのホテルもこの場所だけは裏寂れた汚れが目立つ、浴室そのものはそんなでもないんだけれどね。部屋などの壁紙は張り替えているんだからこちらもこまめに手を入れて欲しいもの。草津だけで3ホテルあるのなら1000円程度の多少の値段差をつけてランク差をつけたらどうですか、その分で改装すれば工夫次第で魅力をアップすることができるんじゃありませんかね。
集合時間少し前に横浜西口天理ビル前のバス集合地に行けば、旗を持った係員がいてバスの停車場所を教わる。バスはこまどり自動車というからおおるりと同じく鳥の名が付けられていて、後で知ったがおおるりグループの送迎を一手に引き受けているそうだから同一経営なんでしょうな。横浜を7時半に出発、途中高速で1回のトイレタイム、この日は祝日でスキー渋滞はややあったものの10時すぎには渋川ICを降りて少し走って田吾作というドライブインに、こちらも帰りには昼食場所にもなっていて系列店ですね。ここからは民主党政権になってスッタモンダしている八ツ場ダムの工事場所を抜けて草津に。それにしてもここの道路付替えに伴う橋梁工事は土木工法のオンパレードといった、こんな場所にこんなに立派なという橋が次々に現れたのには口をアングリ、こりゃぁ公共工事の無駄を言われるわけだ。もう造っちゃっているものは完成するまでやるんだろうけど、これをどう活用するんだろうかと税金を払う方からは心配になっってしまうぞ。川原湯温泉の観光用も意識したんだろうけどもっと質素にすればよかったのにと、大盤振る舞いと言われても仕方ない工事だねぇ。ダムが中止になればこの吾妻渓谷の自然も残るわけで、これは良かったと僕は言いたいね。
この吾妻渓谷沿いもっと雪があるかと思ったのだが、周囲に積もっていたのは最終の草津に入る手前から、でも登るにつれて一気に雪が多くなって草津は雪国だと実感してしまった。
12時少し前に宿のホテル紅葉に到着、初めての利用で最初にビックリしたのは大勢の帰りバス待ち客がロビーに集合していたこと、バスは当然に往復するとは思ったけれどベルトコンベア方式でお迎えからお送りまでこなさないとこんな料金は維持できませんよね。安いということはお客を呼ぶ第一だと痛感します、稼働率はどの位いっているのか、バスもほぼ満員でしたからねぇ。そういえば予約を入れた一ヶ月前に草津で空きがあるのはこのホテル紅葉だけだったものね。
ホテル紅葉裏露天側
部屋のほうの準備が出来次第呼ばれてキーをもらう、我々は30分ほどロビーで待たされたかな。風呂は午後1時から翌朝は9時までとなっていて、部屋で一服してからすぐに風呂に入る。思ったより大きい内風呂と眺めがいい露天風呂にゆっくりと、洗い場も多くて風呂自体はまずまずなのだが、入口の暖簾はくたびれ、着替室の床張りは浴室入口近くが黒ずんで一部は剥げ、浴室仕切戸のガラリは埃まみれというのがいただけない。ガラスも割れたところをテープで補修していて切られの与三郎だ、こういうのを直すのにそんなにはお金はかからないと思うけれど、それだけのことで温泉気分がずっと良くなるのに惜しいね。
露天前の風景
このあと夕食まではまだかなり時間があるからと、湯畑方面に集中する湯の街ぶらり歩きと、おおるりグループのほかの2ホテル探索に出かける。この時間帯には生憎と雪が降り始めたのだが存外に身体はポカポカで、温泉効果なのか湯畑周辺では地熱があるのかと。もうこの辺りは何回も来ていて様子は分かっているが、やはり草津の温泉街は古くからのよき雰囲気はある、中心部の湯畑(冒頭写真)は一大観光資源なのは確かだね。冬の雪が降る日は西の河原は出向きたくないだろうからなおさらこちらは貴重な場所で、土産物屋などがこの周辺に集中するから温泉地気分を堪能しよう。細い道が入り組んでいるのはこの場所が鍋底みたいになっているから、観光客がこんな天気でもかなり歩いている。その狭い道を遠来からの泊り客らしきの乗用車がウロウロ宿を探すからこれが邪魔、中心部には乗入れ禁止にすればよいのにね。そんな道筋を行きかい3時過ぎに松むら饅頭店前を通ったらもう本日売切れとあった、休日はよく売れるんだねぇ、まぁお土産は明日でもいいからとこの日はブラブラ歩きまわるだけ。
湯滝通り
湯畑最下段
ここには小振りでもちょっとばかり目立つように造られた和風建物の共同浴場が周辺にいくつかあって、そのいずれもが無料というのは剛毅なものだが、今回はそういう無料の共同浴場は入らなかった、どれも熱くては入れるまで薄めるのが大変だからね、それで関連ホテルの湯に入ろうというわけ。
まずはホテル七星で入浴、そしてホテルおおるりでと、どちらもスリッパ客の下足場で雪用ブーツ靴を脱ぐのはウサン臭く見られているんだろうけれど気にしない、でも長居するには時間がないから夫婦交代でそそくさと。ホテルおおるりからはホテル間往復バスで宿泊のホテル紅葉に5時前に戻ってすぐに楽な姿に着替えて食堂に。おそらく時間交代性最初の夕食組となっていて、ほぼ定刻まで数分待たされてバイキング会場に案内される。よほど大勢の客で大変かと予想していたのだが思いのほか行列が短くてスンナリと席につけた。
ということで、3ホテルの温泉に入っての感想は、地蔵の湯を引くというホテル七星は共同湯の雰囲気で狭いものの石造りの浴槽がレトロでいい、湯自体は一番熱めだがやや温い浴槽も連なって上手い配置の風呂だ、ほかに男女交代の岩風呂もあるらしいが露天は無い。ホテルおおるりは大型旅館で広めの内風呂はあるものの洗い場蛇口は少なく、露天の眺めはビルに囲まれて全くダメ、でも湯音は一番温いから長めには入れる、また他にも別に内風呂があるらしいがそちらは入らなかったから分からない。我々が泊まったホテル紅葉は内風呂が大きくて洗い場蛇口も多い、それと西の河原公園側に開けているから露天風呂からの眺望とこの時期は雪見の露天を楽しむことが出来る。
各々の温泉の泉質表示は
・Hおおるり 酸性含硫黄・アルミニウム硫酸塩塩化物泉
源泉温度49.5℃ 使用温度42℃
PH2 蒸発残留分1.77g 総成分量2.01g
・H七星 酸性含硫黄・アルミニウム硫酸塩塩化物泉
源泉温度52℃ 使用温度44℃
PH2 蒸発残留分1.42g 総成分量1.67g
・H紅葉 酸性塩化物硫酸塩泉
源泉温度96℃ 使用温度43℃
PH1.46 蒸発残留分2.82g 総成分量3.73g
それぞれで微妙に違うからどれにも入ってみたいよね、特にホテル紅葉は草津一般とは違うようで、酸性がとても強いから眼に入るとピリピリ沁みる、それとメタ珪酸が多いから一番ヌルリとした肌触りがあるようだ。