「量子テレポーテーション:古澤明」(Kindle版)
3年前に「量子テレポーテーション: 古澤明著」という記事を書いて本書を紹介したのだが、当時は内容を十分に理解できていなかったのと、だいぶ忘れてしまっているので再読してあらためて紹介することにした。
本書以降に出版された「「シュレーディンガーの猫」のパラドックスが解けた!:古澤明」と「量子もつれとは何か:古澤明」で前提知識をおさえたばかりだし、今年のノーベル物理学賞は量子光学の研究者が受賞したので、再読するにはちょうどよいタイミングだ。理解と知識を確実なものにして次のステップに進みたい。
本書の裏表紙では次のように紹介されている。
EPRパラドックスの実験的検証
測定すると簡単に壊れてしまう量子状態を
どうすれば遠く離れたところに伝送できるのか?
その突破口は皮肉にも、アインシュタインが
「spooky(きもい)」と言い放った
「量子もつれ」を利用することだった
EPRパラドックスに決着をつけ、
量子コンピューターへの道をひらく
量子テレポーテーション研究の最前線を紹介する。
表紙には副題として「瞬間移動は可能なのか?」と書かれている。確かに2004年には「原子の量子テレポーテーションの実験が成功」しているし、量子テレポーテーションは原子や分子などの瞬間移動の実現を目指していることは事実だ。
量子テレポーテーションとは「量子のからみあい」という現象を利用した「量子情報(位置と運動量)の伝達=粒子の存在の伝達」を実現する量子光学の理論・技術のことである。
量子的なからみあいの状態にある2つの量子AとBを空間的に離れた場所に準備し、入力量子VをAにぶつける。するとBの粒子の場所からVを生成させることができるのだ。このときAにあったXは消滅する。これが2者間量子テレポーテーションだ。
詳細は次のページの解説をお読みいただきたい。
量子テレポーテーション
http://www.s-graphics.co.jp/nanoelectronics/kaitai/qteleportation/index.htm
量子情報通信
http://www.kurejbc.com/quantum/qic007.htm
「量子のからみあい」という不思議な状態を保つことが「伝達」という目的を実現するために要求されるので、理論と実験にはデリケートでトリッキーな方法が使われる。量子テレポーテーションの伝達速度は最大でも光速を超えないので相対性理論とは矛盾していない。
しかし今のところ著者の古澤先生が研究、実験されているのは量子コンピュータの実現に向けた基礎技術である。例えば2者間だけでなく多者間で量子テレポーテーションを行う量子テレポーテーション・ネットワークなどの研究だ。これは量子コンピュータの「回路」のことである。
今回は本書に書かれていることを100パーセント理解することができた。そして前回どの部分が理解できず、どうして理解できなかったかということも判明した。(ちなみに3年前の理解度は60パーセントほどだった。)本書を100パーセント理解したとは言っても、量子テレポーテーションの全てが理解できたわけではない。古澤先生ご自身「この部分は文章ではどうしても説明できないので「量子光学と量子情報科学:古澤明」という専門書のほうをお読みいただきたい。」のように説明をあきらめてしまっている箇所がいくつも見られるからだ。だから本書を100パーセント理解したレベルというのは、古澤先生が伝えたかった「全体」のうち8割程度に過ぎないのだと思う。
本書の大まかな構成は次のとおりだ。
第1章:「位置と運動量の量子テレポーテーション」:「量子のからみあい」と量子テレポーテーションの基礎的な原理を詳しく説明している。
第2章:「2つの値しかとらない量子テレポーテーション」:「光子の2つの偏光状態を例にとりあげ、「状態の重ね合わせ」についての説明と具体的な計算方法に重点が置かれている。
第3章:「光を用いた位置と運動量の量子テレポーテーション」:無限個の光子の状態を重ね合わせることで一般化を行い、位置と運動量という連続な物理量についての量子テレポーテーションを解説する。実験装置のしくみはここで紹介される。
第4章:「量子テレポーテーションの応用」:量子コンピューター、3者間量子エンタングルメント、9者間量子エンタングルメントの紹介。
本書全体を通じ、先生は苦心を重ねて「くどいほど」詳しく正確に説明を積み上げていらっしゃるのがよくわかる。しかし、どうしても量子力学の前提知識を必要とする局面がでてきてしまうので、螺旋階段を登るように前に書いたことを復習しながら進まざるを得ない。そしてどうしてもあいまいさが残ってしまう箇所もでてくる。読む側は一言一句もらさず意味を理解しながら読みつつ、あいまいな箇所もあいまいな状態のまま覚えておきながら読み進むことが要求される。
他人に物事を伝えるというのは難しいものだ。古澤先生の書き方が悪いのではない。ページ数の制限があるだろうし、正確さ=冗長さ=分かりにくさの間のジレンマは本書を含めてあらゆる「入門書」が抱えている宿命なのだ。
量子力学を教科書で学んでいた僕でも前回の理解度が60パーセントにしか達していなかった理由は主に3つある。このため、途中で煙に巻かれるような気持ちがしながら読み終わってしまったのだ。
1)本書冒頭で説明されている位置と運動量の量子テレポーテーションの説明があいまいであること。不確定性原理=ノイズということなのだが、ノイズの共有や消し去りのからくりの説明は後に記述されている本書の説明では不十分で、他の2冊のブルーバックス本を読んでイメージできるようになった。
2)第3章の「光を用いた位置と運動量の量子テレポーテーション」における、スクイーズド光や光のsin波成分、cos波成分が不確定性原理に従うこと、の説明がわかりにくかった。これらについては他の2冊のブルーバックス本での説明のほうがずっとわかりやすかった。
3)本書全体を通じて「状態の重ね合わせ」についてのイメージが十分わかりやすく書かれていなかった。この点、他の2冊のブルーバックス本でのほうがわかりやすいと思う。この部分はどうしても計算式を使わざるを得ない。物理学の教科書を読んでいない一般の読者には、式展開の意味を伝えられないのが苦しいところ。なんとかうまいたとえ話や高校レベルの数学に押さえた方法を考案できないものだろうか?
量子力学を学んでいない一般の方がいきなり本書を読んだ場合、人によって違うとはしてもおそらく理解度は3割~5割というところだろう。そして他の2冊のブルーバックス本を読んでそれらの理解度が6割に達していたとしたら、本書の理解度は5割~8割に引き上がることだろう。5割理解できれば量子テレポーテーションの全体の雰囲気がつかめるし、分かったような気持ちになれるので、それでよいのではないかと思う。
もちろん、物理学を専攻している大学生ならば9割以上の理解度を目指してほしい。
本書を含めた古澤先生のブルーバックス本は3冊ある。刊行された順番とは逆に読むほうが理解しやすいと僕は思った。つまり次のような順番だ。
「「シュレーディンガーの猫」のパラドックスが解けた!:古澤明」(Kindle版)(紹介記事)
「量子もつれとは何か:古澤明」(Kindle版)(紹介記事)
「量子テレポーテーション:古澤明」(Kindle版)
本書で紹介されている内容は量子光学、量子テレポーテーション、量子コンピュータの基礎となる理論、技術である。量子力学を学んだ後に、これらの勉強もしてみたいという方には、ぜひこの3冊を読んでいただきたい。
古澤先生は次のような専門書もお書きになっているので、ブルーバックス本を読んでさらに詳しく学びたくなった方はお読みになるとよいだろう。場の量子論や超弦理論の教科書よりははるかに易しいので、物理学を専攻し量子力学をひと通り学んだ方にとって、チャレンジしやすい内容だと思う。
「量子光学と量子情報科学:古澤明」(紹介記事)
「量子コンピュータ入門:宮野健次郎、古澤明」(第2版)(紹介記事)
関連ページ:
古澤明先生の研究室のHP
http://www.alice.t.u-tokyo.ac.jp/
固体素子を用いて2ビットの量子絡み合いを初めて実現(理化学研究所)2003年
量子コンピュータの実現に向けて大きく前進
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2003/030220/index.html
慶応大ら、Si半導体中で量子エンタングルメント状態の生成、検出に成功(2011年1月)
http://news.mynavi.jp/news/2011/01/24/096/index.html
世界最高純度量子もつれ光源を開発し、実用的な次世代量子暗号技術の確立に成功(2012年2月)
http://www.oki.com/jp/press/2012/02/z11104.html
ノーベル物理学賞 量子力学の基礎実験の最高峰 光子/イオンの状態を操り、測る
http://www.nikkei-science.com/?p=29310
量子ビットとエンタングルメント
http://www.eng.hokudai.ac.jp/labo/hikari/qit/intro_qbit.html
「シュレーディンガーの猫」のパラドックスが解けた!:古澤明
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/13b6c033f1ea5ef2b647e6eb1e374222
量子もつれとは何か:古澤明
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/34a3c78d568e5df901611df3cbb96557
量子テレポーテーション: 古澤明著
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f1ef06234bdf0a831ee579f26bb2005b
量子光学と量子情報科学:古澤明
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/dff342381e47d90aff6ed91edde198a8
テレポーテーションは実現している。(リンク集)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/cc0bc7e88d02231138f8b6a9f5859c93
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「量子テレポーテーション:古澤明」(Kindle版)
第1章:位置と運動量の量子テレポーテーション
- 量子テレポーテーション史の簡単な紹介
- 量子情報・量子状態とは
- 量子テレポーテーションの簡単な説明
- 重ね合わせの状態と波束の収縮
- 量子エンタングルメント(もつれ)
- 量子テレポーテーションの少し突っ込んだ説明
第2章:2つの値しか取らない量子テレポーテーション
- 2分の1スピンの量子エンタングルメント
- 2分の1スピンの量子テレポーテーション
- 光子の偏光を用いた2分の1スピンの量子テレポーテーションの実験
第3章:光を用いた位置と運動量の量子テレポーテーション
- 光の位置と運動量 --- 波束とは
- 光の波束を用いて量子エンタングルド状態をつくる
- 入力波束とエンタングルの片割れ
- 光の波束を用いた位置と運動量の量子テレポーテーションの仕上げ
- 筆者の行った光の波束を用いた位置と運動量の量子テレポーテーション実験
第4章:量子テレポーテーションの応用
- 量子コンピュータとしての量子テレポーテーション
- 多者間量子エンタングルメントとその応用
付録A:「式変形」詳細
付録B:参考図書
3年前に「量子テレポーテーション: 古澤明著」という記事を書いて本書を紹介したのだが、当時は内容を十分に理解できていなかったのと、だいぶ忘れてしまっているので再読してあらためて紹介することにした。
本書以降に出版された「「シュレーディンガーの猫」のパラドックスが解けた!:古澤明」と「量子もつれとは何か:古澤明」で前提知識をおさえたばかりだし、今年のノーベル物理学賞は量子光学の研究者が受賞したので、再読するにはちょうどよいタイミングだ。理解と知識を確実なものにして次のステップに進みたい。
本書の裏表紙では次のように紹介されている。
EPRパラドックスの実験的検証
測定すると簡単に壊れてしまう量子状態を
どうすれば遠く離れたところに伝送できるのか?
その突破口は皮肉にも、アインシュタインが
「spooky(きもい)」と言い放った
「量子もつれ」を利用することだった
EPRパラドックスに決着をつけ、
量子コンピューターへの道をひらく
量子テレポーテーション研究の最前線を紹介する。
表紙には副題として「瞬間移動は可能なのか?」と書かれている。確かに2004年には「原子の量子テレポーテーションの実験が成功」しているし、量子テレポーテーションは原子や分子などの瞬間移動の実現を目指していることは事実だ。
量子テレポーテーションとは「量子のからみあい」という現象を利用した「量子情報(位置と運動量)の伝達=粒子の存在の伝達」を実現する量子光学の理論・技術のことである。
量子的なからみあいの状態にある2つの量子AとBを空間的に離れた場所に準備し、入力量子VをAにぶつける。するとBの粒子の場所からVを生成させることができるのだ。このときAにあったXは消滅する。これが2者間量子テレポーテーションだ。
詳細は次のページの解説をお読みいただきたい。
量子テレポーテーション
http://www.s-graphics.co.jp/nanoelectronics/kaitai/qteleportation/index.htm
量子情報通信
http://www.kurejbc.com/quantum/qic007.htm
「量子のからみあい」という不思議な状態を保つことが「伝達」という目的を実現するために要求されるので、理論と実験にはデリケートでトリッキーな方法が使われる。量子テレポーテーションの伝達速度は最大でも光速を超えないので相対性理論とは矛盾していない。
しかし今のところ著者の古澤先生が研究、実験されているのは量子コンピュータの実現に向けた基礎技術である。例えば2者間だけでなく多者間で量子テレポーテーションを行う量子テレポーテーション・ネットワークなどの研究だ。これは量子コンピュータの「回路」のことである。
今回は本書に書かれていることを100パーセント理解することができた。そして前回どの部分が理解できず、どうして理解できなかったかということも判明した。(ちなみに3年前の理解度は60パーセントほどだった。)本書を100パーセント理解したとは言っても、量子テレポーテーションの全てが理解できたわけではない。古澤先生ご自身「この部分は文章ではどうしても説明できないので「量子光学と量子情報科学:古澤明」という専門書のほうをお読みいただきたい。」のように説明をあきらめてしまっている箇所がいくつも見られるからだ。だから本書を100パーセント理解したレベルというのは、古澤先生が伝えたかった「全体」のうち8割程度に過ぎないのだと思う。
本書の大まかな構成は次のとおりだ。
第1章:「位置と運動量の量子テレポーテーション」:「量子のからみあい」と量子テレポーテーションの基礎的な原理を詳しく説明している。
第2章:「2つの値しかとらない量子テレポーテーション」:「光子の2つの偏光状態を例にとりあげ、「状態の重ね合わせ」についての説明と具体的な計算方法に重点が置かれている。
第3章:「光を用いた位置と運動量の量子テレポーテーション」:無限個の光子の状態を重ね合わせることで一般化を行い、位置と運動量という連続な物理量についての量子テレポーテーションを解説する。実験装置のしくみはここで紹介される。
第4章:「量子テレポーテーションの応用」:量子コンピューター、3者間量子エンタングルメント、9者間量子エンタングルメントの紹介。
本書全体を通じ、先生は苦心を重ねて「くどいほど」詳しく正確に説明を積み上げていらっしゃるのがよくわかる。しかし、どうしても量子力学の前提知識を必要とする局面がでてきてしまうので、螺旋階段を登るように前に書いたことを復習しながら進まざるを得ない。そしてどうしてもあいまいさが残ってしまう箇所もでてくる。読む側は一言一句もらさず意味を理解しながら読みつつ、あいまいな箇所もあいまいな状態のまま覚えておきながら読み進むことが要求される。
他人に物事を伝えるというのは難しいものだ。古澤先生の書き方が悪いのではない。ページ数の制限があるだろうし、正確さ=冗長さ=分かりにくさの間のジレンマは本書を含めてあらゆる「入門書」が抱えている宿命なのだ。
量子力学を教科書で学んでいた僕でも前回の理解度が60パーセントにしか達していなかった理由は主に3つある。このため、途中で煙に巻かれるような気持ちがしながら読み終わってしまったのだ。
1)本書冒頭で説明されている位置と運動量の量子テレポーテーションの説明があいまいであること。不確定性原理=ノイズということなのだが、ノイズの共有や消し去りのからくりの説明は後に記述されている本書の説明では不十分で、他の2冊のブルーバックス本を読んでイメージできるようになった。
2)第3章の「光を用いた位置と運動量の量子テレポーテーション」における、スクイーズド光や光のsin波成分、cos波成分が不確定性原理に従うこと、の説明がわかりにくかった。これらについては他の2冊のブルーバックス本での説明のほうがずっとわかりやすかった。
3)本書全体を通じて「状態の重ね合わせ」についてのイメージが十分わかりやすく書かれていなかった。この点、他の2冊のブルーバックス本でのほうがわかりやすいと思う。この部分はどうしても計算式を使わざるを得ない。物理学の教科書を読んでいない一般の読者には、式展開の意味を伝えられないのが苦しいところ。なんとかうまいたとえ話や高校レベルの数学に押さえた方法を考案できないものだろうか?
量子力学を学んでいない一般の方がいきなり本書を読んだ場合、人によって違うとはしてもおそらく理解度は3割~5割というところだろう。そして他の2冊のブルーバックス本を読んでそれらの理解度が6割に達していたとしたら、本書の理解度は5割~8割に引き上がることだろう。5割理解できれば量子テレポーテーションの全体の雰囲気がつかめるし、分かったような気持ちになれるので、それでよいのではないかと思う。
もちろん、物理学を専攻している大学生ならば9割以上の理解度を目指してほしい。
本書を含めた古澤先生のブルーバックス本は3冊ある。刊行された順番とは逆に読むほうが理解しやすいと僕は思った。つまり次のような順番だ。
「「シュレーディンガーの猫」のパラドックスが解けた!:古澤明」(Kindle版)(紹介記事)
「量子もつれとは何か:古澤明」(Kindle版)(紹介記事)
「量子テレポーテーション:古澤明」(Kindle版)
本書で紹介されている内容は量子光学、量子テレポーテーション、量子コンピュータの基礎となる理論、技術である。量子力学を学んだ後に、これらの勉強もしてみたいという方には、ぜひこの3冊を読んでいただきたい。
古澤先生は次のような専門書もお書きになっているので、ブルーバックス本を読んでさらに詳しく学びたくなった方はお読みになるとよいだろう。場の量子論や超弦理論の教科書よりははるかに易しいので、物理学を専攻し量子力学をひと通り学んだ方にとって、チャレンジしやすい内容だと思う。
「量子光学と量子情報科学:古澤明」(紹介記事)
「量子コンピュータ入門:宮野健次郎、古澤明」(第2版)(紹介記事)
関連ページ:
古澤明先生の研究室のHP
http://www.alice.t.u-tokyo.ac.jp/
固体素子を用いて2ビットの量子絡み合いを初めて実現(理化学研究所)2003年
量子コンピュータの実現に向けて大きく前進
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2003/030220/index.html
慶応大ら、Si半導体中で量子エンタングルメント状態の生成、検出に成功(2011年1月)
http://news.mynavi.jp/news/2011/01/24/096/index.html
世界最高純度量子もつれ光源を開発し、実用的な次世代量子暗号技術の確立に成功(2012年2月)
http://www.oki.com/jp/press/2012/02/z11104.html
ノーベル物理学賞 量子力学の基礎実験の最高峰 光子/イオンの状態を操り、測る
http://www.nikkei-science.com/?p=29310
量子ビットとエンタングルメント
http://www.eng.hokudai.ac.jp/labo/hikari/qit/intro_qbit.html
「シュレーディンガーの猫」のパラドックスが解けた!:古澤明
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/13b6c033f1ea5ef2b647e6eb1e374222
量子もつれとは何か:古澤明
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/34a3c78d568e5df901611df3cbb96557
量子テレポーテーション: 古澤明著
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f1ef06234bdf0a831ee579f26bb2005b
量子光学と量子情報科学:古澤明
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/dff342381e47d90aff6ed91edde198a8
テレポーテーションは実現している。(リンク集)
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/cc0bc7e88d02231138f8b6a9f5859c93
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「量子テレポーテーション:古澤明」(Kindle版)
第1章:位置と運動量の量子テレポーテーション
- 量子テレポーテーション史の簡単な紹介
- 量子情報・量子状態とは
- 量子テレポーテーションの簡単な説明
- 重ね合わせの状態と波束の収縮
- 量子エンタングルメント(もつれ)
- 量子テレポーテーションの少し突っ込んだ説明
第2章:2つの値しか取らない量子テレポーテーション
- 2分の1スピンの量子エンタングルメント
- 2分の1スピンの量子テレポーテーション
- 光子の偏光を用いた2分の1スピンの量子テレポーテーションの実験
第3章:光を用いた位置と運動量の量子テレポーテーション
- 光の位置と運動量 --- 波束とは
- 光の波束を用いて量子エンタングルド状態をつくる
- 入力波束とエンタングルの片割れ
- 光の波束を用いた位置と運動量の量子テレポーテーションの仕上げ
- 筆者の行った光の波束を用いた位置と運動量の量子テレポーテーション実験
第4章:量子テレポーテーションの応用
- 量子コンピュータとしての量子テレポーテーション
- 多者間量子エンタングルメントとその応用
付録A:「式変形」詳細
付録B:参考図書
とは言いましても物理は全くの苦手で、
せいぜいTVで通俗解説番組を見る程度でしかありません。
こうした中、最近興味を惹かれたことがあります。
Eテレからの受け売りですが。
(1)人間の意識が素粒子の動向に影響を与えているかもしれない。
大勢の人間の意識が一つの方向に向かうとき素粒子サイコロの動きに偏移が生じるという話
(サイエンスゼロ)
(2)モーガン・アリーマンの「時空を超えて 死後の世界」より。
人が死ぬ瞬間、脳神経細胞内の微小管が活発化し、
それが全宇宙へ伝播(テレポテーションのこと?)するという話。
(2)についてはなぜ微小管だけがという疑問もありますし、
誰が検証し、実証されたのかは不明ですが。
これらが本当のことでしたら、世に言う心霊現象も
「科学的」に説明される日もくるのかなと思っています
その他にも物理には分からないことだらけです。
・膜宇宙はそもそもどうして出来たの?
・重力で『空間のゆがみに沿って動く』光はなぜ曲がったままなの?
歪みが小さくなれば、また元のコースへ戻るのでは?
(重力レンズ現象があるので、これは完全に詭弁ですが、
自分でうまく説明できません(汗)
とまあ、雑談でしたm(__)m
お邪魔しました。
サイエンスZEROのほうは、科学的に検証されたこと、そして比較的ありえそうな科学の未来を扱っていますね。それに対しモーガン・アリーマンのほうは「科学の夢」を語っているわけで、でてくる科学者も超少数派やトンデモな人が多いようです。
・膜宇宙はそもそもどうして出来たの?
-> これは全くわかっていませんね。
・重力で『空間のゆがみに沿って動く』光はなぜ曲がったままなの?
-> 空間のゆがみに沿って光は曲がるので、空間が平坦な領域にまで進めば光は直進しますよ。
歪みが小さくなれば、また元のコースへ戻るのでは?
-> 「元のコース」というのがどういうものかはわかりませんが、曲がった後で重力圏を脱すれば光は直進して進みます。
フリーマンの特集にはトンデモ系も乱入していたのですか!
自分が見ている物以外は存在していない、という科学者も登場して
アレ?と思っていましたが。
光の進行については説明が下手でした。
空間を格子入りの二次元平面に例えた模型を見ていて思ったのです。
空間の歪みに沿って走るのなら、一旦は星に近づいても、
歪みが小さくなったら「格子に沿って」元に戻るのでは?
…ここは素直に重力に引っ張られると考えるべきでした。
しかし、詭弁の渦に巻き込まれると、さらにトンデモ方向に逸れ、
光が空間に属していれば「格子(歪み)」に沿って元に戻る。
光が空間から独立していれば重力レンズのように曲がったままになる
・・・と、ますます混迷します(笑)
お騒がせいたしました。
歪んだ空間での光路の曲がり(そしてふたたび直線に戻る)状況は次の2つのページで視覚的に見て理解するのがよいでしょう。
https://www2.newtonpress.co.jp/search2/sample/img_mhtm/m1999/m199907/m199907p062.html
http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/department/physics/text/labs/yonehara/yonehara.html
次の番組のことですよね。僕も第1回の放送を見始めたのですが、20分くらいしてから「あ、これはダメだ。」とチャンネルを他の番組に切り替えました。
可能性だけを語るのであれば、どんなトンデモ理論でも番組を作れてしまいます。やっかいなのは、番組の中では正しい理論の解説も含まれているので、視聴者はどれがトンデモでどれが検証済みの理論か混乱してしまうことです。
モーガン・フリーマン 時空を超えて
http://www4.nhk.or.jp/P3452/
http://ameblo.jp/yashima1505/entry-12170282885.html