「だれもが知ってる小さな国:有川浩、村上勉」
内容紹介:
「有川さん、書いてみたら?」その一言で、奇跡は起きた。佐藤さとるが生み出し、300万人に愛された日本のファンタジーを、有川浩が書き継ぐ。
ヒコは「はち屋」の子供。みつ蜂を養ってはちみつをとり、そのはちみつを売って暮らしている。お父さん、お母さん、そしてみつばちたちと一緒に、全国を転々とする小学生だ。あるとき採蜜を終えたヒコは、巣箱の置いてある草地から、車をとめた道へと向かっていた。
「トマレ!」
鋭い声がヒコの耳を打ち、反射的に足をとめたヒコの前に、大きなマムシが現れた――
村上勉の書き下ろし挿画がふんだんに入った、豪華2色印刷。
2015年10月刊行、288ページ。
著者について:
有川 浩(ありかわ ひろ): ウィキペディアの記事
高知県生まれ。2004年10月、第10回電撃小説大賞<大賞>を『塩の街』で受賞しデビュー。同作と『空の中』『海の底』を含めた「自衛隊三部作」、アニメ化・映画化された「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『植物図鑑』『三匹のおっさん』『ヒア・カムズ・ザサン』『空飛ぶ広報室』『旅猫リポート』『県庁おもてなし課』『明日の子供たち』など、著作多数。最新刊は原案・原作を手がけた演劇集団キャラメルボックスの2012年クリスマスツアー<キャロリング>の原作『キャロリング』。また自ら結成した演劇ユニット<スカイロケット>の舞台化を自ら手がけるなど、活躍の幅を拡げている。
村上 勉(むらかみ つとむ): ホームページ
1943年、兵庫県生まれ。1965年、『だれも知らない小さな国』(佐藤さとる作・講談社)の挿絵でデビュー。以来、挿絵、絵本、装幀など、出版美術界と深く関わってきた。主な作品に『おばあさんのひこうき』(小学館絵画賞受賞)、『おおきなきがほしい』、『きつね三吉』、『旅猫リポート』、「コロボックル」シリーズ他多数。
佐藤さとる(さとう さとる): ホームページ
1928年、神奈川県生まれ。『だれも知らない小さな国』で毎日出版文化賞・国際アンデルセン賞国内賞などを、『おばあさんのひこうき』で児童福祉文化賞・野間児童文芸賞を受賞。日本ファンタジー作家の第一人者で作品も多い。
小学生のときに読んで気に入っていた佐藤さとるさんの児童小説「だれも知らない小さな国」シリーズの続編が昨年10月に刊行されていた。書いたのは佐藤さとるさんではなく有川浩(ありかわひろ)という女性。「図書館戦争」シリーズを書いた売れっ子作家である。
タイトルをはじめて見たとき、パロディ本ではないことはわかっていたけれども「二番煎じじゃないの?」とか「元の作品を台無しにしているのでは?」と思ったりして素直に受け入れることができなかった。
元の作品は「だれも知らない~」なのに「だれでも知ってる~」だなんていったいどういうつもりなのだろう。「だれも知らない国」だから大切にしたい世界なんだけど。。。
でもこの本は佐藤さとるさんのお墨付きをもらっているし、佐藤さとる版と同じ村上勉さんが挿絵を描いている。有川さんが続編を書くことになったいきさつは次のページを見ていただくとわかる。
コロボックル物語特設ページ(講談社)
http://kodanshabunko.com/colobockle.html
続編に対する佐藤さとるさんの感想やアマゾンの読者レビューの評価もよい。「これは安心して読めそうだ。僕もコロボックル物語のファンだから読んで感想記事を書いてみたい。」と思って旧作(佐藤さとる版)と一緒に購入した。
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文庫版の帯には有川さんも含め「コロボックル物語ファン」から旧作に寄せる想いが書かれている。重松清さんも夢中になって読んでいたそうだ。
続編を読んで感想を書くつもりだったのだが、いざ書きだすとはたと困ってしまった。小説はみなそうなのだが、特にこの本はネタバレせずに感想を書くのが難しい。これから読む人の楽しみを損ないたくないから、ぎりぎり許されるところで踏みとどまりながら少しだけ紹介することにした。
主人公は小学3年生の男の子。そして同じ年齢の女の子もでてくる。これは佐藤さとる版と同じ。コロボックルもはやい段階で登場する。時代がたっているので旧作とは別のコロボックルだ。
そして読後感。しみじみと心地よかった。大人が読む物語としても楽しめるし佐藤さとる版を真似するのではなく、とても大切にしていることに読み始めてすぐ気が付いた。
旧作が小学生向けで「ひらがな」が多いのにくらべると、大人が使う表現や漢字が多く、やけに物知りで口達者な小学生だなという感じがした。
物語の時代設定は佐藤さとる版が「戦前」であるのに対し、有川版は1990年代前半と思われる。
それは話の中で男の子が「ゲームボーイでテトリスに夢中になっていた。」とか「友だちの間では桃太郎電鉄が人気だった。」、「携帯電話はあまり広まっていなかった。」と書かれているからだ。初代ゲームボーイが発売されたのは1989年、ゲームボーイ版の桃太郎電鉄が発売されたのは1991年である。
ストーリーも自然で、すっと受け止められた。かといって展開を予想するのはちょっと無理だ。だからどんどん読みたくなる。読者の気持をつなぎとめる要素、旧作を思い起こしながら味わう要素がたっぷり盛り込まれている。
「事件」がおきてコロボックルたちの国が危機に陥るので「どうなるのだろう?」というハラハラ感も味わえる。もちろん危機は回避される。危機はなかなか凝ったやり方で解決され、それがこの物語を有川さんがお書きになった意図に結びついていくのだ。(このあたりの説明は読まないとわからないと思う。)
新作を先に読むべきか、旧作を読んでから新作を読むべきか迷っている人もいるだろう。実のところ「どちらでもよい。」というのが僕の考えだ。そのわけは本のタイトルを「だれでも知っている小さな国」とした理由につながっている。
新作を読んだことで旧作を読みたいと思うようになる人もいるし、旧作はすでに読んでいるから新作を読みたい人もいる。どちらでも楽しめ、この本と出会ってよかったなぁと思えるような本。それが有川版の位置づけなのだ。
物語を楽しんだあと、タイトルをなぜ「だれでも知ってる~」にしたかを考えてみてほしい。理由がわかったとき僕はうれしくなった。「新作と旧作のどちらを先に読んでもよい。」と書いた理由と有川さんがこの本に与えた「役割」がタイトルに込められていることがおわかりになるだろう。
有川版は佐藤さとる版を損なうどころか大いに引き立てているのだ。さすがである。
佐藤さとる版について
佐藤さとる版は僕が小学生の頃までに4巻まで、大学生の頃に第5巻と第6巻が単行本として刊行されていた。だから僕は第5巻と第6巻は読んでいない。
1959年:コロボックル物語1『だれも知らない小さな国』刊行
1962年:コロボックル物語2『豆つぶほどの小さないぬ』刊行
1965年:コロボックル物語3『星からおちた小さな人』刊行
1971年:コロボックル物語4『ふしぎな目をした男の子』刊行
1983年:コロボックル物語5『小さな国のつづきの話』刊行
1987年:コロボックル物語6『コロボックルむかしむかし』刊行
「二十年近い前のことだから、もう昔といっていいかもしれない。ぼくはまだ小学校の三年生だった。」で始まるこの物語は少年だった僕の心をわしづかみにした。そして主人公の少年がふとしたことから崖と杉林とで囲まれた宝石のような場所である 「小山」と「三角形の平地」を見つけ、そこは少年だけの聖域になった。
本の冒頭にあるこの地図はその場所を示していて、読む者にとってそこは自分ためだけにある特別な場所になってしまうのだ。
この物語に熱中したことで僕は読書の楽しみを知ったことを思い出した。そして目に見えないものを大切にする気持、空想する喜びが培われていったのだと思う。
子供のころの感性とは違う大人の目から見たとき、佐藤さとる版はどのように映るのだろうか?旧作のほうも、もう一度読んでみることにした。
自分が読んでいた本は姪にあげてしまったので手元にはない。この写真は友達が所有しているものだ。
クリックで拡大
そういえば僕が子供の頃の外箱の絵柄はこれとは違っていたと思い出し、検索したところ見つかった。
第1巻の外箱
第2~4巻の外箱
1959年に第1巻が刊行されたときは、このような外箱と表紙だったそうだ。(左が外箱)
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この他にも、いろいろな表紙の本が出ていたようだ。次のページで見ることができる。
水無月の本・壱:「だれも知らない小さな国」
http://satoru-web.kids-book.info/daremo4.htm
その後、単行本は絶版になり「青い鳥文庫版」として読み継がれていった。(失礼!昔の単行本は絶版にはなっていませんでした。購入される方はここまたはここをクリックしてください。)
そして2010年に文庫版が加わり、今回の有川版が出たことで旧作が青い鳥文庫から飛び立つような形でたくさんの人の目に止まるようになったのだ。
これを機に、ご自身でお読みになったりお子さんに勧めてみてはいかがだろうか?
講談社文庫版:佐藤さとる、村上勉:2010年から2012年に刊行
「コロボックル物語1 だれも知らない小さな国」(Kindle版)(紹介記事)
「コロボックル物語2 豆つぶほどの小さないぬ(Kindle版)(紹介記事)
「コロボックル物語3 星からおちた小さな人」(Kindle版)(紹介記事)
「コロボックル物語4 ふしぎな目をした男の子」(Kindle版)(紹介記事)
「コロボックル物語5 小さな国のつづきの話」(Kindle版)(紹介記事)
「コロボックル物語6 コロボックルむかしむかし」(Kindle版)(紹介記事)
青い鳥文庫版は1980年から2005年に刊行された。
講談社青い鳥文庫版: Amazonで検索
新イラスト版:佐藤さとる、村上勉:2015年に刊行
新イラスト版は第3巻までしかでていない。今後、続きが出るのかもしれないが。新イラスト版の判型は有川版と同じだ。
「コロボックル物語1 だれも知らない小さな国」(感想記事)
「コロボックル物語2 豆つぶほどの小さないぬ」(紹介記事)
「コロボックル物語3 星からおちた小さな人」(紹介記事)
新イラスト版: Amazonで検索
「だれもが知ってる小さな国:有川 浩、村上 勉」
第1章 はち渡り
第2章 シナノキの夏
第3章 新しい友だち
第4章 騒がしい夏
第5章 ありがとう
有川浩さんへの手紙―佐藤さとる
有川版についている帯
以下は文庫版(佐藤さとる作)の帯に書かれたコロボックル物語ファンのメッセージ
内容紹介:
「有川さん、書いてみたら?」その一言で、奇跡は起きた。佐藤さとるが生み出し、300万人に愛された日本のファンタジーを、有川浩が書き継ぐ。
ヒコは「はち屋」の子供。みつ蜂を養ってはちみつをとり、そのはちみつを売って暮らしている。お父さん、お母さん、そしてみつばちたちと一緒に、全国を転々とする小学生だ。あるとき採蜜を終えたヒコは、巣箱の置いてある草地から、車をとめた道へと向かっていた。
「トマレ!」
鋭い声がヒコの耳を打ち、反射的に足をとめたヒコの前に、大きなマムシが現れた――
村上勉の書き下ろし挿画がふんだんに入った、豪華2色印刷。
2015年10月刊行、288ページ。
著者について:
有川 浩(ありかわ ひろ): ウィキペディアの記事
高知県生まれ。2004年10月、第10回電撃小説大賞<大賞>を『塩の街』で受賞しデビュー。同作と『空の中』『海の底』を含めた「自衛隊三部作」、アニメ化・映画化された「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『植物図鑑』『三匹のおっさん』『ヒア・カムズ・ザサン』『空飛ぶ広報室』『旅猫リポート』『県庁おもてなし課』『明日の子供たち』など、著作多数。最新刊は原案・原作を手がけた演劇集団キャラメルボックスの2012年クリスマスツアー<キャロリング>の原作『キャロリング』。また自ら結成した演劇ユニット<スカイロケット>の舞台化を自ら手がけるなど、活躍の幅を拡げている。
村上 勉(むらかみ つとむ): ホームページ
1943年、兵庫県生まれ。1965年、『だれも知らない小さな国』(佐藤さとる作・講談社)の挿絵でデビュー。以来、挿絵、絵本、装幀など、出版美術界と深く関わってきた。主な作品に『おばあさんのひこうき』(小学館絵画賞受賞)、『おおきなきがほしい』、『きつね三吉』、『旅猫リポート』、「コロボックル」シリーズ他多数。
佐藤さとる(さとう さとる): ホームページ
1928年、神奈川県生まれ。『だれも知らない小さな国』で毎日出版文化賞・国際アンデルセン賞国内賞などを、『おばあさんのひこうき』で児童福祉文化賞・野間児童文芸賞を受賞。日本ファンタジー作家の第一人者で作品も多い。
小学生のときに読んで気に入っていた佐藤さとるさんの児童小説「だれも知らない小さな国」シリーズの続編が昨年10月に刊行されていた。書いたのは佐藤さとるさんではなく有川浩(ありかわひろ)という女性。「図書館戦争」シリーズを書いた売れっ子作家である。
タイトルをはじめて見たとき、パロディ本ではないことはわかっていたけれども「二番煎じじゃないの?」とか「元の作品を台無しにしているのでは?」と思ったりして素直に受け入れることができなかった。
元の作品は「だれも知らない~」なのに「だれでも知ってる~」だなんていったいどういうつもりなのだろう。「だれも知らない国」だから大切にしたい世界なんだけど。。。
でもこの本は佐藤さとるさんのお墨付きをもらっているし、佐藤さとる版と同じ村上勉さんが挿絵を描いている。有川さんが続編を書くことになったいきさつは次のページを見ていただくとわかる。
コロボックル物語特設ページ(講談社)
http://kodanshabunko.com/colobockle.html
続編に対する佐藤さとるさんの感想やアマゾンの読者レビューの評価もよい。「これは安心して読めそうだ。僕もコロボックル物語のファンだから読んで感想記事を書いてみたい。」と思って旧作(佐藤さとる版)と一緒に購入した。
クリックで拡大
文庫版の帯には有川さんも含め「コロボックル物語ファン」から旧作に寄せる想いが書かれている。重松清さんも夢中になって読んでいたそうだ。
続編を読んで感想を書くつもりだったのだが、いざ書きだすとはたと困ってしまった。小説はみなそうなのだが、特にこの本はネタバレせずに感想を書くのが難しい。これから読む人の楽しみを損ないたくないから、ぎりぎり許されるところで踏みとどまりながら少しだけ紹介することにした。
主人公は小学3年生の男の子。そして同じ年齢の女の子もでてくる。これは佐藤さとる版と同じ。コロボックルもはやい段階で登場する。時代がたっているので旧作とは別のコロボックルだ。
そして読後感。しみじみと心地よかった。大人が読む物語としても楽しめるし佐藤さとる版を真似するのではなく、とても大切にしていることに読み始めてすぐ気が付いた。
旧作が小学生向けで「ひらがな」が多いのにくらべると、大人が使う表現や漢字が多く、やけに物知りで口達者な小学生だなという感じがした。
物語の時代設定は佐藤さとる版が「戦前」であるのに対し、有川版は1990年代前半と思われる。
それは話の中で男の子が「ゲームボーイでテトリスに夢中になっていた。」とか「友だちの間では桃太郎電鉄が人気だった。」、「携帯電話はあまり広まっていなかった。」と書かれているからだ。初代ゲームボーイが発売されたのは1989年、ゲームボーイ版の桃太郎電鉄が発売されたのは1991年である。
ストーリーも自然で、すっと受け止められた。かといって展開を予想するのはちょっと無理だ。だからどんどん読みたくなる。読者の気持をつなぎとめる要素、旧作を思い起こしながら味わう要素がたっぷり盛り込まれている。
「事件」がおきてコロボックルたちの国が危機に陥るので「どうなるのだろう?」というハラハラ感も味わえる。もちろん危機は回避される。危機はなかなか凝ったやり方で解決され、それがこの物語を有川さんがお書きになった意図に結びついていくのだ。(このあたりの説明は読まないとわからないと思う。)
新作を先に読むべきか、旧作を読んでから新作を読むべきか迷っている人もいるだろう。実のところ「どちらでもよい。」というのが僕の考えだ。そのわけは本のタイトルを「だれでも知っている小さな国」とした理由につながっている。
新作を読んだことで旧作を読みたいと思うようになる人もいるし、旧作はすでに読んでいるから新作を読みたい人もいる。どちらでも楽しめ、この本と出会ってよかったなぁと思えるような本。それが有川版の位置づけなのだ。
物語を楽しんだあと、タイトルをなぜ「だれでも知ってる~」にしたかを考えてみてほしい。理由がわかったとき僕はうれしくなった。「新作と旧作のどちらを先に読んでもよい。」と書いた理由と有川さんがこの本に与えた「役割」がタイトルに込められていることがおわかりになるだろう。
有川版は佐藤さとる版を損なうどころか大いに引き立てているのだ。さすがである。
佐藤さとる版について
佐藤さとる版は僕が小学生の頃までに4巻まで、大学生の頃に第5巻と第6巻が単行本として刊行されていた。だから僕は第5巻と第6巻は読んでいない。
1959年:コロボックル物語1『だれも知らない小さな国』刊行
1962年:コロボックル物語2『豆つぶほどの小さないぬ』刊行
1965年:コロボックル物語3『星からおちた小さな人』刊行
1971年:コロボックル物語4『ふしぎな目をした男の子』刊行
1983年:コロボックル物語5『小さな国のつづきの話』刊行
1987年:コロボックル物語6『コロボックルむかしむかし』刊行
「二十年近い前のことだから、もう昔といっていいかもしれない。ぼくはまだ小学校の三年生だった。」で始まるこの物語は少年だった僕の心をわしづかみにした。そして主人公の少年がふとしたことから崖と杉林とで囲まれた宝石のような場所である 「小山」と「三角形の平地」を見つけ、そこは少年だけの聖域になった。
本の冒頭にあるこの地図はその場所を示していて、読む者にとってそこは自分ためだけにある特別な場所になってしまうのだ。
この物語に熱中したことで僕は読書の楽しみを知ったことを思い出した。そして目に見えないものを大切にする気持、空想する喜びが培われていったのだと思う。
子供のころの感性とは違う大人の目から見たとき、佐藤さとる版はどのように映るのだろうか?旧作のほうも、もう一度読んでみることにした。
自分が読んでいた本は姪にあげてしまったので手元にはない。この写真は友達が所有しているものだ。
クリックで拡大
そういえば僕が子供の頃の外箱の絵柄はこれとは違っていたと思い出し、検索したところ見つかった。
第1巻の外箱
第2~4巻の外箱
1959年に第1巻が刊行されたときは、このような外箱と表紙だったそうだ。(左が外箱)
クリックで拡大
この他にも、いろいろな表紙の本が出ていたようだ。次のページで見ることができる。
水無月の本・壱:「だれも知らない小さな国」
http://satoru-web.kids-book.info/daremo4.htm
その後、単行本は絶版になり「青い鳥文庫版」として読み継がれていった。(失礼!昔の単行本は絶版にはなっていませんでした。購入される方はここまたはここをクリックしてください。)
そして2010年に文庫版が加わり、今回の有川版が出たことで旧作が青い鳥文庫から飛び立つような形でたくさんの人の目に止まるようになったのだ。
これを機に、ご自身でお読みになったりお子さんに勧めてみてはいかがだろうか?
講談社文庫版:佐藤さとる、村上勉:2010年から2012年に刊行
「コロボックル物語1 だれも知らない小さな国」(Kindle版)(紹介記事)
「コロボックル物語2 豆つぶほどの小さないぬ(Kindle版)(紹介記事)
「コロボックル物語3 星からおちた小さな人」(Kindle版)(紹介記事)
「コロボックル物語4 ふしぎな目をした男の子」(Kindle版)(紹介記事)
「コロボックル物語5 小さな国のつづきの話」(Kindle版)(紹介記事)
「コロボックル物語6 コロボックルむかしむかし」(Kindle版)(紹介記事)
青い鳥文庫版は1980年から2005年に刊行された。
講談社青い鳥文庫版: Amazonで検索
新イラスト版:佐藤さとる、村上勉:2015年に刊行
新イラスト版は第3巻までしかでていない。今後、続きが出るのかもしれないが。新イラスト版の判型は有川版と同じだ。
「コロボックル物語1 だれも知らない小さな国」(感想記事)
「コロボックル物語2 豆つぶほどの小さないぬ」(紹介記事)
「コロボックル物語3 星からおちた小さな人」(紹介記事)
新イラスト版: Amazonで検索
「だれもが知ってる小さな国:有川 浩、村上 勉」
第1章 はち渡り
第2章 シナノキの夏
第3章 新しい友だち
第4章 騒がしい夏
第5章 ありがとう
有川浩さんへの手紙―佐藤さとる
有川版についている帯
以下は文庫版(佐藤さとる作)の帯に書かれたコロボックル物語ファンのメッセージ
どうなんだろう?
でも、読んでみよう!
見てみよう!
そんな気持ちになりました。ありがとうございます!
はじめまして。紹介記事がお役に立ったようでうれしいです。楽しんでくださいね。
小説の好みは人によって違うので、なかなか難しいご依頼ですね。
僕のお勧めは次のリンクで記事にしている本です。
小説、文学、一般書
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/c/72da0c01049fe7546304f0aa17d3e98c
特に次のものはお勧めです。
「誰もしらない小さな国」のシリーズ6巻
「妻は、くノ一:風野真知雄」のシリーズ
たんぽぽのお酒: レイ・ブラッドベリ
さよなら僕の夏: レイ・ブラッドベリ
トムは真夜中の庭で : フィリパ・ピアス
はてしない物語: ミヒャエル・エンデ
あと、このような本もよいでしょうね。
絶対に面白い!おすすめ小説名作30選
http://www.kokoro-fire.com/entry/book-osusume20