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「ソーシャルディスタンス」 と 「4人部屋」 と・・・

 


 今年の流行語大賞第2位は、「3密」か「ソーシャルディスタンス」でしょうね。(新型コロナは固有名詞なので選外として)。ソーシャルディスタンスは国が推奨する「新しい生活様式」にも組み込まれています。たぶんこれからの私たちの日常生活・社会生活に定着するでしょう。そのためには、市民ひとりひとり努力してゆかねばなりません。でも、それだけでいいんだろうかと思います。

 乗り物ひとつとっても、新幹線でも、バスでも、1回あたり少しでも多くの乗客を運ぶために座席数を「かっ詰めて」いますよね。それが「当たり前」になっています。ぜひこれも、国主導で改めてほしいですね。こればっかりでは個人の努力ではどうもなりませんから。

 新幹線はまず3列シートはやめる。前席との距離ももっと離す。北陸新幹線でいえば、12両編成で900人くらい収容力でしょうが、是非これは半分に。北鉄バスの座席の密集度もぜひ緩和してください。これらは個人の努力ではどうしようもありません。国が音頭を取らないと進みません。

 で、一番の「ソーシャルディスタンス」が必要なところが、病院の病室です。ソーシャルディスタンスなんて言うんだったら、まず4人部屋病室をやめてほしいなあ。それをしても病院が十分やっていけるだけのしくみを、厚労省が作ってほしい。

 4人部屋は精神の事由を奪うことを、2年前の夏 体験しました。病気で2週間ばかり、国立病院(正しくは“医療センター”といいますが・・)に入院。最初はICU,次は個室、その後4人部屋でした。

以下は、その時の僕のメモです

「4人部屋は『精神の自由を奪う』ことを実感しました。面会の人が来てくれても、カーテンに囲まれた空間では、面会の人は身の置き場がない。ササッと来て、立ったまま話し、ササッと帰るしかない。患者本人にとっても、検査の時間以外は一日中、ベットの上でTVを見るくらいしかすることない。本を読もうにも、カーテンに囲まれた仄暗い空間では読めない。(入院中に読んだ3冊は すべて個室の時に読了したもの)。こうやって「精神の自由」が萎えて行き、自ずと「病人」らしくなってゆくんでしょう。看護師さんもカーテン向こうの隣のベットの患者さんの点滴台に、腰や足をぶつけながら、僕の点滴交換していました。そもそもこの狭い病室空間に、入院患者が4人いること自体、感染予防的にいかがなものか」


【注】
 冒頭写真は、聖隷浜松病院のHPから転載しました。リアルな見取り図と思います。(ネット上に溢れている4人部屋病室の写真は 自院のパンフレットやHPに掲載されている写真ばかりで、当然プロのカメラマンが撮影した「美術作品」のようなものばかりでしたから。僕はむしろ 聖隷浜松病院の誠実さの表れと受け止めました)

 

 

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