秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

菜菜子の気ままにエッセイ   

2009年09月19日 | Weblog
留守番生活、23日目!ただ今、21時30分!今日も行進、頑張ります!
中学時代の同級生の数、103名!
その中で、ずーーーと祖谷で暮らしているのは、2名だと思います。2名の中の一人が、私です。
今は、廃校になってしまいましたが、祖谷分校という、池田高校の農業科がありました。私は、その高校を卒業し、今に至ります
早い話が、エッセイの話の中で、父親が息を引き取るシーンが、ありましたね。あの時の、12才のガキの決意を全うし、そのまま、おばさんになってしまったと言う、寸劇?じゃなく、現実です。
『あなたはいつか後悔します。あなたの人生は、二度とないのよ!親の犠牲になってはイケマセン!悪い事は言いません!祖谷から出て、〇〇高校を出て、立派に成りなさい!』
と昔、叱咤激励して下さった、恩師様。

ありがとうございました。

私、後悔していません!
何故なら、今になって考えたら、何が立派か?だなんて、本人のモノサシで決まるからです。
私の思う『立派な人』と、その他、モロモロの職業の方々の思う『立派な人』とは、全く価値観が違うからです。
ちなみに、暇なんで、『立派』という字を国語辞典で、調べてみました。
さあ~、山のブログがナゼカ、ひとつき限定!の『みんなでお勉強コーナー』
みんなで、お勉強して、立派な人に成ろう!

『立派』とは
①堂々として見事なようす
②すぐれているようす
と書かれています。
これは、やっぱり、私からみれば、祖谷に住み続ける、肥刈りに勤しむ、『老婆の方々』!でしょう。
家の中では、顔色が悪いのに、畑に出せば、地を這う、妖怪のように、生き生きとします。
同一人物か?
と疑いたくなる、身のこなし!

場所は、いつもの叔母さんのお友達の広ーーい、茅畑。暑ーい日中
茅を刈っている、お友達に、叔母さんは用事ができ、私が軽トラに乗せて、いざっ、同行!
『これ、持っていてやるのよ。』
と叔母さんは、手に小さーなヤ〇ルトを持っています。
合計4本!
〈叔母さんと私の分も入れて〉

目の前に広がる、山、山、山

束ねた茅!刈ったばかりの茅!さらに拡がる茅、茅、茅。


の中に埋もれるように二人の老婆。

前略、私は黙って叔母さんの後ろを付いて歩いているだけです。


『おった、おった!やりよるかえ~』

『まあ~、こんがなとこまでこいでも、わたしが、降りていくのに~』

『……』

『ネエサン、足きいつけな、ガイにシシ、悪いことしとるぞよ~』
『……』


『まあ~、菜菜子さんも気の毒なのうや~、見てくれえや、荒い事、穴掘っとろ~』

「うん、スゴイナ!」爽やかに笑う菜菜子
『これ、持ってきたぞよ~♪』
ヤ〇ルトを、高々と上げて、振り回す叔母さん!意気揚々!


『まー、気の毒な、これはおご馳走じゃあ、ありがとうゴザイマス~』


隣で地を這っていた、老婆が、私に気付く。彼女とは、数年ぶり!

『まあ~、〇〇やんの娘さんかえ?、お母さん、元気にシヨルカエ?』

菜「はいっ、ありがとうございます。もう亡くなって、七年です。」

『まあ~、ソウカエ~、知らなんだわ~』


『菜菜子さんは、ムコさんも死んだんぞよ!今おるのは、犬びゃあじゃわ~、のうや~』

祖谷弁のオンパレード!
通訳するのは、面倒くさいので、パス!
『……』は、
叔母さんの無言。
早い話しが、聞こえていない!!!!

最後の会話なんて、都会のアスファルトの住宅街で、言われたのなら、問題発言にも、成り兼ねません!
『この人は、母親もご主人も亡くなって、犬だけが残ったのよ、おー、ホッホッホー!』
なーんて、会話に近い。

しかし、場所は自然のど真ん中!
風は、心地よい山風!
茅、茅、地を這う妖怪?じゃない、老婆!
まったく、楽しく、笑い合えるから、不思議。悪意のない、澄み切った彼女の言葉は、ただ、愉快!

ヤ〇ルトを、チョビチョビと飲んだ老婆三人!
散乱するヒモ、カマ、茶瓶、湯飲み!
いかなる菌も、関係ない!


今日は叔母さんへの一言。
『補聴器は、今買わなければ、いつ買うの』
明日から彼岸エッセイです。
彼岸に向けて 合掌ー