展示会初日。
電源を巡ってちょっとトラブル。テーブル裏側に電源をまとめた箱がほしいとのご要望。イベント会社さんはすぐに対応してくれ、いとも簡単に箱を作ってくれた。本当にすごい。
イベント代理店のDA社の Kわさん曰く、「彼らは今まで大変な修羅場をくぐってきたと思うよ」。
まさにその通り。
小さいトラブルはあったが、なんとかイベントが開幕して、安定軌道に入った。ただ、自分はイベントブースのチェックと取材が重なり、ものすごく忙しい。結局昼飯は食べられなかった。
ただ、その後イベントブースは落ち着いていたため、16時で仕事を終了。
なんか飲んで帰ろうか。
豊洲新市場で贅沢なものでもいただこうかと考え検索したら、「千客万来」という施設がヒットした。へぇ、そんなスポットが出来たのか。知らなんだ。
ゆりかもめの「市場前」で下車したら、なんだか巨大な建物が見えた。いつの間にあんなものができたのか。
さらに調べてみると、どうも立ち飲みがあるらしい。
行ってみることにした。
古風な江戸情緒を意識した、なんだかいかにも! という建物。完全にインバウンド需要に寄せたコンセプトである。メインは食べ歩きで、様々な店舗が軒を連ねる。
その立ち飲みは「千客万来」の一番奥にあった。
和モダンのシャレオツ店舗。白い暖簾と提灯に、そして酒の一斗樽。店内は広く、ゆったりとレイアウトされている。店内中央に一枚板のテーブルがあり、そこで酒を立ち飲む。電灯には升をイメージした傘が備えられ、かなりの投資をしていることがうかがえる。
コンセプトは米らしい。酒とおにぎり、そして発酵。店名にあるとおり、そのあてとSAKEのペアリングを目的にしているようだ。
どれどれ、お手並み拝見。
まずはオーダーするためにカウンターに並ぶ。ところが、これが結構時間を要する。お店の方の熱意は分かるのだが、その後ろに並ぶお客はもう興醒め。この時、前の客は店員と15分は喋っていた。正直、帰ろうかと思った。こっちは仕事帰り。早く飲みたくて仕方ないのに。
ともあれ、この時は時間に余裕があったから待った。ただ、自分はちとイライラした。
やがて、自分のオーダーの番になり、「辛い酒」をリクエストすると「伯楽星」を選んでくれた。値段は高い。確か半合で600円以上した。
あてには、「豆腐の麹味噌漬け」(590円)をチョイス。升に入ったきれいなあてである。
お店を見た瞬間、大体予想はついた。過度に豪華なインテリア、そして恐らく高いであろうテナント料。それを加味してもまだこれだけのコストに抑えているのは少し驚くが、とにかく飲み代は安くない。
「東京クラフトビール」(660円)をチェイサーにして、お酒をいただいた。
目の前には恐らく台湾の人と思われる熟年カップルが日本酒を楽しんでいる。その姿を見て、ちょっとほっこりした。多分、和の様々な仕掛けを堪能したことだろう。もしかすると、昨日食事に誘われた台湾のAL社の社長夫妻かとも思ったが、まさかね。
インバウンドのお客さんにとってはとてつもなくいいお店だと思う。日本の伝統を味わえるのだから。でも、日本の飲兵衛は、ここには来ない。たとえ、来たとしてもリピーターにはならないだろう。もし、そうだとしたならば、このお店はコンセプト通り、日本の伝統を伝えることはおろか、商売としても成立していくことは難しいのではないだろうか。
志は素晴らしいが、結局インバウンドのための刹那的なビジネスなのだと思う。
千客万来ってたしか築地の場外市場の代替的にオープンした施設でしたよね。一食2万円位する海鮮丼「インバウン丼」とか(笑)をニュースで見たことがあるだけなんですが、インバウンド向けで何もかも高いようなイメージで。お店の人は「インバウン丼とか呼ばないで」って言ってました。
が、そこまで想定・対象としている客が露骨にわかってしまう営業は、熊猫さんがおっしゃる通り、長い目で見たらあまりうまくないような気がしますね(笑)。
でも、今は北海道だと、田舎の港町でさえそういう感じがあるんですよね(汗)。
こんにちは。
「千客万万来」、おっしゃる通り、豊洲市場駅にある施設です。
「インバウン丼」、今朝かみさんと話していました。流行語大賞にノミネートされて初めて知ったのですが、なかなかエグいなと。
飲食をはじめ、伝統工芸とかもインバウンドを目当てにしている匂いを感じると、こっちが興醒めしちゃいます。
>今は北海道だと、田舎の港町でさえそういう感じがあるんですよね。
商魂たくましい田舎もいやですね。