どういう訳か、続けて震災の話しになった。
娘が石巻に研修に行った土産は「萩の月」ともう一つ。「かもむの玉子」があった。ご承知の通り、「萩の月」は仙台銘菓だが、かもめは宮城ではない。三陸、大船渡を本社とする「さいとう製菓」の製品である。
2013年4月、自分は大船渡にいた。震災から2年が経ち、我々の業界がどれだけ復興しているか取材に行ったのだ。けれど、大船渡の街はまだまだだった。駅は土砂に埋まり、瓦礫もまだ残っていた。津波に遭った建物はまだ鉄筋が剥き出しのまま、放置されていた。その中に「さいとう製菓」の直営店があった。
あれから10年か。
実は「かもめの玉子」のことはその後すっかり忘れていた。今回、娘が買ってきた白くて楕円のお菓子を見て、「再び生まれたか」と思った。
カステラよりもしっとりした生地をホワイトチョコでコーティングしたスイーツは洋菓子要素100%。東京の菓子、「ごまたまご」は「さいとう製菓」の子会社が製造する。かもめが黄身餡に対し、ごまはごまの餡だ。餡が結構重厚だから、一つ食べるとかなりお腹がいっぱいになる。とりわけ、おっさんには厳しく、「一口サイズがあればね」とかみさんと言っていたら、しっかりミニも販売されていた。
また大船渡に行く機会はあるだろうか。
その時は新たにオープンしたカフェで玉子をいただきたい。
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