「でん」が不発に終わり、お酒もお腹も満たされず、さてどこへ行こうかと考えて出した結論は、「恵園」だった。安価に紹興酒が飲めて、料理もうまい。混んでる訳ではなく、気兼ねなく飲める。
かくして、7ヶ月ぶりに入店したのだった。
いつもの2人掛けの席に座り、温かい「紹興酒」をオーダーした。この日はものすごく寒い日だったのだ。すると、ターバンを巻いた「紹興酒」と炒ったピーナッツが出てきた。この豆が絶妙にうまい。
何を食べようか、あれこれと思案。
まず一品目を「棒棒鶏」にした。
「棒棒鶏」に限ったことではないが、この料理、店によって結構違う。見栄えから、ポーション、タレの種類まで。がっかりしたこともあるけど、感激したこともある。はてさて、「恵園」はどちらかと思いきや、後者だった。
だって、盛りのいいこと。
しかも統制のとれた芸術品みたいで、いい仕事をしてる。
たれはゴマだれだが、酢とか砂糖とか複雑なテイストが入り混じる。だから単純にうまい。やっぱり、このお店は当たりだ。ただ、何故にお客さんが少ないのかは分からない。
17時過ぎに自分以外皆無だったお客さんは少しずつ増えていった。ただ、毎度のことだけど、満席にはならない。そこがまたこのお店の不思議なことだった。
〆は「五目焼きそば」。例によって「炒飯」にするか、悩んだが、ここでは「炒飯」は何故か食指が伸びない。「紹興酒」を飲むことで、つまみ要素を料理に求めるからだろう。
「五目焼きそば」もまたいとうまし。
一通り食事が終わり、お会計をする段になった時。
お店のお母さんが、「お久しぶりでしたね」と声をかけられた。
え? 7ヶ月ぶりなのに。
しかもこれまで3回しか来たことがないのに。
多分、自分のことなどはっきりとは覚えていないと思う。なんとなく、見たことあるお客さんだ、という程度だろう。でも、こう言われて悪い気はしない。だから、また次があるのだ。
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