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中華さすらい166 - 覚えていてくれた - 「香港居酒屋 恵園」(台東区上野)

2023-03-14 07:00:00 | 中華さすらい

「でん」が不発に終わり、お酒もお腹も満たされず、さてどこへ行こうかと考えて出した結論は、「恵園」だった。安価に紹興酒が飲めて、料理もうまい。混んでる訳ではなく、気兼ねなく飲める。

かくして、7ヶ月ぶりに入店したのだった。

いつもの2人掛けの席に座り、温かい「紹興酒」をオーダーした。この日はものすごく寒い日だったのだ。すると、ターバンを巻いた「紹興酒」と炒ったピーナッツが出てきた。この豆が絶妙にうまい。

何を食べようか、あれこれと思案。

まず一品目を「棒棒鶏」にした。

「棒棒鶏」に限ったことではないが、この料理、店によって結構違う。見栄えから、ポーション、タレの種類まで。がっかりしたこともあるけど、感激したこともある。はてさて、「恵園」はどちらかと思いきや、後者だった。

だって、盛りのいいこと。

しかも統制のとれた芸術品みたいで、いい仕事をしてる。

たれはゴマだれだが、酢とか砂糖とか複雑なテイストが入り混じる。だから単純にうまい。やっぱり、このお店は当たりだ。ただ、何故にお客さんが少ないのかは分からない。

17時過ぎに自分以外皆無だったお客さんは少しずつ増えていった。ただ、毎度のことだけど、満席にはならない。そこがまたこのお店の不思議なことだった。

〆は「五目焼きそば」。例によって「炒飯」にするか、悩んだが、ここでは「炒飯」は何故か食指が伸びない。「紹興酒」を飲むことで、つまみ要素を料理に求めるからだろう。

「五目焼きそば」もまたいとうまし。

一通り食事が終わり、お会計をする段になった時。

お店のお母さんが、「お久しぶりでしたね」と声をかけられた。

え? 7ヶ月ぶりなのに。

しかもこれまで3回しか来たことがないのに。

多分、自分のことなどはっきりとは覚えていないと思う。なんとなく、見たことあるお客さんだ、という程度だろう。でも、こう言われて悪い気はしない。だから、また次があるのだ。

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