茅野のホテルにチェックイン後、従兄弟と飲みに行くことになった。男ばかり、3人のメンツである。一番年長のFくんと会うのはお袋の葬儀以来6年ぶり。「居酒屋さすらひ」には一度も登場していない。もう一人の従兄弟はSくん。2月以来、10ヶ月ぶり。ちなみに「居酒屋さすらひ」には大船渡の回で2回、その後アメ横でも一回登場した。
20時半にホテルのロビーに集まって居酒屋を目指す。叔父さんが言うにはホテルの周囲に店はたくさんあるとのこと。ホテルからも周囲のお店一覧を貰い、出かけてみた。だが、街道沿いに店はあるが居酒屋は皆無。ホテルで貰った一覧表示には確かに近所に「俺の旅」なる居酒屋があるのだが、一向に着かない。一見近所と思っていたホテルの地図は縮尺が適当で、実はそれほど近くもないというのが分かった。
暗くて寒い夜道をとぼとぼと歩いているうちに諏訪市の看板を潜った。市境を超えてしまったのだ。
歩くこと20分弱。地図にある、「俺の旅」周辺に着いたが、店は一向に見つからなかった。ただ、煌々と光る灯りがあり、行ってみると、「バガボンド」という名の居酒屋があった。
「バガボンド」。
放浪者と訳される英語。日本では井上雄彦氏の漫画の方が有名だ。
駐車場が広大で、店の入口がよく分からない。ようやく入口を見つけて、中に入るけれど店内も格段に広い。入口から30mは続く渡り廊下を抜けるとようやくレジに到達する。そこで検温機が我々を迎えてくれた。
我々3人はボックス席に通された。隣のボックス席が簾越しに見えるが、いずれも若い客が飲んでいる。前にいる男女混合の若者のグループはただただ騒がしかった。
とにかく、土地がある分、店舗の空間作りは贅沢だった。普段、立ち飲みばかり利用している者にとってその店舗作りは逆に新鮮に映った。
メニュー表を繰る。
飲み物メニューもふんだん。とにかくなんでもござれ。だが、それがかえって何を選んでいいのか迷う。
実は我々3人は既に日本酒「真澄」をいただくなど、かなり酒も入っていた。もう少し飲もうかな。そんなスタンスで店に入ったのである。
「レモンサワー」が420円。けっこう高い。
とりあえず、これにしてみようか。だが、値段の高さもさることながら、小さなタンブラーには氷がたくさん入っており、中身は少なかった。5口くらいで飲み干してしまった。
つまみは「枝豆のアーリオ・オーリオ」(280円)。にんにくと唐辛子を加えたものね。
メニューはいろいろと頑張っている感が強いが、実はどれも魅力的には映らない。
結局、「レモンサワー」では値段的にも量的にも満足できず、最もコストパフォーマンスが良さそうなものはと選んだのが、「金麦」の樽生。確か、300円台だったか。
追加のつまみは「野沢菜」。さすが、長野県。
結局、「金麦」を2杯頼んでお開きとなった。
寒い中、20分かけて歩いたが、また元の道を帰らなければならない。「バガボンド」はつまらなかったが、久しぶりに3人集まったことが重要だ。恐らく、この先もうこういう機会はないかもしれない。
そして、ホテルまでの帰路、我々はバガボンドと化して歩いた。
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