今時、駅ナカといえばグルメを指すことが多い。だが、実際様々なものが駅によって機能していたりする。それも鉄道旅の魅力の一つだ。東京駅みたいに豪華なホテルがあるのは別格だが、温泉や足湯が設けられているのは、地方だけの特権だ。そんな駅が日本には度々お目にかかることができる。
「さはこの湯」を出て、さて酒を飲むかという段になり、いわきの復興飲食店街、「夜明け市場」に行ったら、まだ開いている店は皆無で時計を見たら、あと小一時間も待たなければ店は開かないと分かって、東京に帰ることにした。電車の中で一杯やっていくかと。
そこで湯本の駅に入ったわけだが、駅のホームに足湯を見つけた。しかも、立派な足湯である。特急が来るまで、まだ時間がある。どれちょっと入ってみようか。
設備は10~15mはある本格的なもの。早速、靴下を脱いで、颯爽と入った。湯は透明で、香りはあまりしない。「さはこの湯」は硫黄臭が微かにしたが、この足湯は無臭である。湯温は低く、推定40度未満。ぬるめだ。
この湯本という駅はやけに子どもの頃からの記憶に残っている。おばあちゃんチに行く際によく通ったのだ。確か常磐線経由の「はつかり」はこの湯本駅で停車した記憶があるが、あの当時見た駅の記憶よりも、実際は小さな駅だった。いや、自分の体が大きくなったこともありかもしれないが、もう少しスケール感の大きな駅だとばかり思っていた。あれから35年、こういう形で湯本駅に再会できるとは思っていなかった。
足湯は気持ちいいのだが、ただひとつ残念なのが、湯が出てくる口に藻のようなものが張りついており、ゆらゆらと湯の流れに合わせて動いているのが不気味だった。もしやあまり清掃してないのかな。それともたまたまかな。せっかく、「さはこの湯」できれいになったのに。そう思ってたら、もうすぐ特急「ひたち」が入線してくる時間になった。さて、東京に帰るか。
和歌山でも知ってるだけで15ヵ所くらいはありますが、よくもまぁ維持費を工面できるもんだと思います。
おっしゃる通りです。
和歌山は15箇所!
けっこうコストかかっていると思います。
公衆トイレやと同じように維持管理を近隣の人に委託するなどして最小限に抑えているのでは。