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「姥捨て山」


海ならず たたへる水の 底までも
清き心は 月ぞ照らさむ
菅原道真

仕事上、関わるのは高齢者の方々が多いです。

最近、心に残ることがありました。
寝たきりの方で、ふだん痛みのために大声だしたり、手足をバタつかせたり抵抗が強いのですが。
ふとした瞬間、何かを見つめるような、心の奥底、深淵を見通すような瞳をする時があって。

その時、思うのです。
何も言わないけど、全て理解しているんだ。理解した上で、全てを受け入れ許してくれているんだなと。

介護する側は、ともすると何もできなくなったり、認知症になった高齢者に対して辛くあたることが多い。
介護する側の立場からみれば、そうせざるを得ない現実もあるのは事実。

でも、そのお年寄りが見せたその瞳は、
ひとつの時代を生ききろうとする1つの尊い何かを表してくれていると感じさせるものでした。


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