学院のある長野県は一段と冬の寒さになってきました。今回は奥嶋がブログ担当です。
はやいもので、私たち日本聴導犬・介助犬訓練士学院第4期生も入学してから10ヵ月が過ぎました。
今は卒業試験に向けて着々と準備を進めています。(この件につきましては、後日ブログを更新致しますので、ご覧くださいませ。)
そんな中、先日、有馬さんとMAYUMIさんは台湾の聴導犬育成のメンター(相談役)として
私は研修として台湾の南部にある国立屏東技科大学へ同行させていだたきました。
以前、聴導犬ユーザーの岸本さんと聴導犬しん君が行った大学です。
大学で聴導犬を育成しているミーンさんをはじめとするスタッフの方々が台湾を案内してくださいました。
ミーンさんと他のスタッフさんのおかげでたくさんのことを学ばせていただき、さらに台湾の観光から料理まで満喫させていただきました。
台湾は現在、聴導犬は1頭しかいません。
日本のように聴導犬と一緒にスーパーに買い物に行ったり、バスや電車に乗ったりすることもまだできません。
その背景には台湾の野犬の多さや聴導犬育成の業務体制などさまざまな問題がありました。
聴導犬が社会で活躍できるにはただ単に訓練が終了しているだけでなく
周りの環境がきちんと聴導犬が働けるように整えておかなければなりません。
問題のひとつに野犬の多さがあります。
そこで日本でいう保健所のような犬の収容所へ連れて行ってくださいました。
そこはあまりにもショッキングな場所でした。約1000頭もの犬が豚小屋のような場所に相性など関係なくただ入れられているだけでした。
ひとつのゲージに5頭もの犬が一緒に入れられていました。犬舎の見学を始めると1000頭の犬が一斉に私たちに吠えて訴えかけてきました。
ニオイ、犬の数、吠える声、日本ではありえない光景を見ることができました。
そこの収容所に犬をもらいにくる人はほとんどいないと聞きました。そこの犬たちは、死ぬまでずっと閉じ込められたままでしょう。
そんな劣悪な環境の野犬から聴導犬の適性を見抜き、候補犬にすること。
聴導犬と一緒に外に出ると野犬に襲われる危険性があること。聴導犬が活躍するには難しい環境だと感じました。
さらに私は有馬さんとMAYUMIさんのプレゼンテーションもご一緒させていただきました。
英語で会話をされるのですが、私は英語がほとんどできないので、
聞き取れる英単語からどんなお話しをされているのかと想像して聞いていたり、みなさんの顔の表情を見ていたりしました。
プレゼンテーションの中では協会で行っている朝のエクササイズの映像をお見せしました。
屏東技科大学の方々はとても驚かれていました。協会で普段行っているエクササイズは新しく、
珍しい訓練方法のようで、協会に犬舎がないことも驚かれていました。
私たちは協会の訓練方法、協会の環境しか知りません。
今回、屏東技科大学の方々がとても驚かれている様子や大学の犬舎、その犬舎にいる候補犬たちをみて、
協会の育成方法や環境がどれほど素晴らしく誇らしいものかをひしひしと感じることができました。
他にも野生動物保護センターの見学など、本当にさまざまな経験をさせていただきました。
今回の台湾研修で感じることができた、命の尊さ、協会の素晴らしさを今後の学院生活で生かしてゆきたいです。
きちんと自信を持って協会の育成方針を伝えられるように更に勉強をしてまいります。
今回のような貴重な体験をさせていただき、有馬さん、MAYUMIさん、協会の皆様、国立屏東技科大学の皆様、
誠にありがとうございました。心から深く感謝申し上げます。