摺友禅の体験があるとお聞きし、何事も経験と参加してみました。摺友禅作家餅原豊氏が手ほどきしてくださいます。
まずは由来からお聞きします。江戸時代、総鹿子(=総疋田)禁止令が出されて総絞りの着物が自由に作れなかった頃「ならば染めで絞りを表そう」としたのが摺友禅の始まりだとか。この摺友禅の原型、「染疋田の型紙」も見せていただきました。型紙は専門の彫り師さんが彫られるのですが、紙を寝かせるところから始めて、和紙と柿渋を重ねては乾かし仕上がるまでに10年かかるとか。そうしてできた型紙は乾燥しすぎると割れてしまうため、湿らせてから新聞紙に包んで保管され、使う時だけ乾かされます。上の写真の型紙は30年以上使われていたものだそうです。
説明を受けた後、体験です。半襟※1と使う型紙を選ぶと先生が位置合わせをして細かい部分を染めてくださいます。
↑葉と茎を摺った所はこんな感じです。同色でも複数の型紙を使い、その濃淡で奥行きを出します。
↑この型紙の場合、体験者は花を赤で摺ります。にじまないように軽く速く手を動かすようにとの助言が。
↑摺り上がりです。この後色止めを施します。
帯や着物に摺友禅を施す時はさらに型紙の枚数を重ねて複雑な色柄を表現します。そして反物は型紙よりはるかに長さがあるため、当然何度も型紙を置き直すのですが、少しずれても反物としての価値はなくなってしまうので大変です。貴重な体験をさせてただきました。
※1 着物の下に着る長襦袢の衿につける汚れ防止兼装飾用の細長い布。
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