万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

「小沢法案」があぶりだす民主主義の危機

2010年02月01日 14時24分00秒 | 日本政治
「小沢法案」に暗雲…国会改革、外国人選挙権(読売新聞) - goo ニュース
 特定の政治家の私的な利害関係によって法律が制定されることは、民主主義国家では、あってはならないことです。何故ならば、立法権は、国民のためではなく、この特定の政治家のためにあることになるのですから。

 民主党の小沢幹事長をめぐる政治資金規正法違反事件は、我が国の民主主義の危うさをもあぶりだしてしまったようです。この事件をきっかけとして、「外国人参政権付与法案」といった、小沢氏が率先して推進してきた法案の行方も、俄かに不透明となってきたからです。このことは反面、国家や国民の命運を左右する重大な法案が、一人の政治家の手に握られていた現実を、図らずも明かすことになりました。つまり、民主党政権下における政治が、衆議院選挙に際して連呼された”国民のため”ではなく、”小沢氏のため”であったことが、はっきりしたのです。国民の誰もが望んでいない法案を、一人の権力者が可決を強要するとすれば、それは、民主主義ではなく独裁です。

 小沢氏が関連する一連の事件は、我が国の政治に大きな教訓を残しそうです。政治とは、国民の見えないところで腐敗するものであり、権力欲に憑かれた一人の野心家の登場は、国家の存立基盤さえ危うくするということを。国民が政治に無関心であり、政治の透明化をはかる努力を怠れば、やがてその災難は、国民に降りかかり、民主主義は泡と消えてしまうかもしれないのです。

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コメント (4)
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