万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

南北統一は戦争以外の方法で

2010年05月26日 14時20分59秒 | アジア
北、制裁に反発「韓国政府との関係すべて断絶」(読売新聞) - goo ニュース
 韓国の哨戒艦の沈没事件以来、韓国と北朝鮮との関係は、一触即発の状態のようです。ところで、北朝鮮の戦争目的とは、一体、何なのでしょうか。

 北朝鮮の挑発行動が、朝鮮戦争の休戦破棄の意思表示であるとしますと、戦争の目的は、南北統一と言うことになります。しかしながら、もし、本気で、南北の統一を目指すならば、戦争は、唯一の手段ではありません。1991年に、両国は国連に同時加盟をしているのですから、まずは、平和的な解決を目指すのが筋であり、一方的な武力の行使は、憲章違反となります。半世紀前ならいざ知らず、南北とも同一民族の国なのですから、戦争に訴えなくても、平和裏に統一できるはずです。連邦制の案もありますし、双方で民主的な選挙を実施して、統一政府を形成するという方法もあります(もちろん、北朝鮮の体制が崩壊すれば、より容易に選挙による統合ができるのですが・・・)。また、日頃から戦争反対を訴えている平和団体が、この件について、北朝鮮の行動を制止しようとすることなく、押し黙っているのも不思議なところです。

 北朝鮮が、自国の独裁体制を押し付けるために、半島の統一を目指しているとしますと、時代錯誤も甚だしいと言わざるを得ません。北朝鮮は、戦後築き上げてきた国際社会における法の支配を道ずれにして、自滅へと突き進むというのでしょうか。日本国政府は、韓国と北朝鮮に対して、平和裏の統一を求めるべきと思うのです。

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コメント (2)
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