万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

郵便不正事件―検察と厚労省が交差する闇

2011年04月12日 15時57分30秒 | 日本政治
元主任検事に実刑判決 証拠改ざん事件 懲役1年6カ月(朝日新聞) - goo ニュース
 本日、郵便不正事件を担当した元主任検事に対して、地裁が、証拠隠滅罪の罪で実刑判決を言い渡したそうです。検察への信頼性を失墜させた、前代未聞の事件とされていますが、もうひとつの重大な犯罪については、何故か、この事件の陰に隠れがちです。

 もうひとつの重大な犯罪、それは、厚労省による偽の証明書の発行です。本来は、こちらの事件の方がメインであったはずなのですが、検察による証拠隠滅と村木氏の冤罪に焦点が移り、国民の関心から遠ざけられてしまいました。政府の行政機関が、偽造文書を発行したことは、検察による証拠改竄と同レベルの重大な犯罪であり、前代未聞であることには変わりはありません。しかも、この事件、「凛の会」のみならず、複数の福祉団体や企業11社が関わっており、大規模な組織犯罪の可能性も否定できないのです。上村元係長の単独犯というシナリオが事実であるならば、偽の証明書は、いとも容易く作成されたことになります。また、単独犯であったとしても、厚労省の責任は重く、当然に、無罪が確定した村木氏にも上司としての監督責任はあるはずです(局長印の管理を含めて・・・)。

 この事件は、検察と厚労省という、二つの政府組織が、国家の信頼を著しく傷つけた重大な事件でありながら、全容は、未だに解明されておりません。国会やマスコミが、何故、この闇に迫ろうとしないのか、不思議でならないのです。

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コメント (10)
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