万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

つらい決断―行方不明者の捜索期間を決めては

2011年04月25日 15時57分20秒 | 日本政治
26日以降がれき撤去を優先、南三陸町長が方針(読売新聞) - goo ニュース
 南三陸町では、これまで、ご家族の心情を慮り、行方不明者の捜索を優先してきました。しかしながら、一か月を過ぎた今、がれきの撤去のほうを優先するよう、方針を転換したそうです。

 行方不明者の家族の方々にとりましては、自衛隊の捜索活動に一縷の生存の望みを託していたはずです。一日でも長く、捜索を続けてほしい気持ちは、痛いほど分かります。しかしながら、昨日、自衛隊員の方々もまた、極限状態に置かれているとする記事を読み、つらい決断ではありますが、行方不明者の捜索には、ある一定の期限を決めたほうがよいのではないかと思うに至りました。何故ならば、ある時期を過ぎると、生存者の捜索ではなく、ご遺体の収容になってしまうからです。しかも、時間が経過しますと、ご遺体の傷みも激しくなり、収容作業は過酷を極めるそうです。

 こうした点を考慮しますと、地震や津波災害の場合には、閉じ込められた状態で人間が生物学的に生存可能な期間を過ぎた時点で、瓦礫の撤去を始めた方が、瓦礫の下まで探すことができますし、きれいな姿でご家族の元に戻すこともできるかもしれないと思うのです。

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コメント (2)
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