万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

韓国大統領の不寛容の精神を説く前代未聞の演説

2013年03月02日 15時42分19秒 | アジア
「韓国での日本製品不買、大人の対応必要」 麻生副総理(朝日新聞) - goo ニュース
 昨日の3月1日は、併合時代の独立運動とされる3.1事件が発生した日に当たるため、韓国では、毎年、記念式典が開かれているようです。就任したばかりの朴大統領にとっては、国民にアピールする絶好の機会であったのでしょうが、たとえ国内向けであったとしても、これほど酷いスピーチもないと思うのです。

 朴大統領演説については、既に日本国内では批判の嵐が吹き荒れていますが、批判を浴びたのが、”加害者と被害者という歴史的立場は千年の歴史が流れても変わることはない”というくだりです。日本国は加害者、韓国は被害者であり、この関係は、今後とも変わらないと宣言しているのです。しかしながら、歴史を直視してみますと、日本国は、古代にあっては四度の新羅の入寇を受け、鎌倉時代には二度の元寇で高麗軍の侵略を受けています。対馬に至っては、15世紀の応永の外寇に至るまで、高麗によって何度も国土を踏み荒らされているのです。歴史を俯瞰しますと、神功皇后の三韓征伐や豊臣秀吉の朝鮮出兵など、日本国側が朝鮮半島の国を攻めたり、戦場としたこともありましたが、韓国もまた、加害者であった歴史があります。しかも、近代以降の韓国併合は、併合条約によるものです。慰安婦問題が捏造である一方で、半島からの引き揚げ時における日本人虐殺は事実ですし、竹島もまた、韓国によって不法占拠されたままです。最近では、日本国から盗んだ文化財を返還しないという忌々しき事件も起こしていますが、韓国は、自らの加害行為は都合よく忘れるか、あるいは、被害を捏造しているのです。ヨーロッパの歴史を見ても判るように、国家間の関係とは、相互に攻めたり攻められたりの連続です。また、そうであるからこそ、戦争があっても、講和条約を締結することで、相互の敵対関係をきれいに清算させてきたのです(かつての条約には、”相互恩赦”の条項を設け、復讐の連鎖を防止した…)。近代以降の国際法に照らしてみれば、日韓関係も、講和条約ではないにせよ、日韓基本関係条約を結んだ時点で、全てが清算されているのです。
 

 韓国は、中国の歴代王朝の属国であった歴史の方が、韓国併合35年よりもはるかに長く、1000年の恨みを主張するならば、相手は中国であるはずです。敢えて、日本国にターゲットを絞った背景には、”被害者”という有利なカードを温存し、日本国に対して何らかの請求ができる立場を維持したいのでしょう。しかしながら、それは、国際社会の常識に反すると共に、自国が相手国に与えた被害は棚に上げて相手国の加害だけを糾弾し続ける不寛容の精神と、悪しき利己主義の精神を世界に向けて発信していることになると思うのです。

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コメント (4)
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