万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日中首脳会談-属国化しなければ満足しない中国

2014年11月11日 15時35分46秒 | その他
尖閣・靖国「棚上げ」=対中修復演出―安倍政権(時事通信) - goo ニュース
 昨日、中国の北京において2年ぶりに開催された日中首脳会談。日中関係改善の転機との事前予測も虚しく、日本国の安倍首相に対して無視を決め込んだ習近平国家主席の大人げない態度に、驚きの声が上がっています。

 中国のご機嫌を損ねたとして安倍首相に対して批判的な論調のマスコミも少なくありませんが、中国首脳が、日本国の首脳を歓迎しないのは当然といえば当然のことです。それは、満面の笑みを以って習主席から歓迎を受けたと報じられている韓国のケースと比較しますと、一目瞭然です。儒教の国では、格上の者と格下の者とが握手をするときには、格下の者が自らの左手を握手している相手の右手に添えるという礼儀作法があるそうです。儒教国の伝統的な序列志向の現れなのですが、習主席と朴大統領が握手している写真を見ますと、朴大統領の左手は、習主席の右手にしっかりと添えられているのです。つまり、韓国は、中国に対して”臣下の礼”を採っているのであり、中国は、属国をアピールする韓国に対して心底満足しているのです。そのうれしさは、習主席の笑顔に確認することができます。一方、日中両首脳の握手の写真はどうでしょうか。安倍首相の左腕はぴたりと下げられたままであり、右手だけで握手をしております。つまり、日本国の首相は、中国の主席に対して両国対等を以って接しているのです。

 中国は、日本国が属国となるまで満足しないのですから、周辺国の属国化を目論む中国を批判こそすれ、中国側の冷たい態度を悲観したり、日中首脳会談は失敗であったと落胆することもありません。むしろ、日中首脳会談は、主権平等の原則を無視してかかる中国という国の本質と、日本国への属国要求を明らかにしたのではないでしょうか。

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コメント (4)
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