新型コロナウイルス感染症につきましては、諸外国と比較して日本国内での感染率、重症化率、並びに、死亡率が相対的に著しく低いレベルにありながら、既に国民の凡そ3割程度が二度のワクチン接種を終えているとされています。その一方で、厚労省の発表によりますと、ワクチン接種との関連性が疑われる有害事象の数が7月30日の時点で919名にも上っており、1000を数える日も近づいております。身近な方が亡くなるケースもあり、’ロシアン・ルーレット’とも称されるように、国民にとりましては、ワクチン接種は命がけの危険行為になりつつあります。
もっとも、’ワクチン・リスクはデマ’とする政府の基本的スタンスは変わっておらず、接種促進に邁進こそすれ、ワクチン・プロジェクトを見直す気配は感じられません。また、ワクチン接種の先導役を務めているマスメディアのみならず、ネットにあっても、ワクチン推進派の人々は、盛んに安全性を強調しつつ、ワクチン懐疑派の人々を非科学的な愚か者、あるいは、身勝手で反社会的な人々とするレッテル貼りに余念がありません。こうしたワクチン接種派の人々の主張にあってしばしば目にするのが、’何故、ワクチン懐疑派は、ワクチンを接種すれば不妊になるなどと騒ぎながら、同じリスクを感染に対して言わないのか?スパイク蛋白質のリスクは同じはずなのに、感染時のリスクとしては聞いたことがない。’というものです。
確かに、新型コロナウイルスのエンベロープはスパイクに覆われていますので、スパイク蛋白質に有害性があるとすれば、ウイルスのものでもワクチン由来のものであっても変わりはないはずです。この点において、ワクチン推進派の主張は頷けるのですが、感染率は1%以下に過ぎないにもかかわらず、ワクチン接種のリスクは、健康な人を含めて接種者全員に及びます(100%接種が実現すれば、100倍以上に…)。この他にも、仮に、ワクチン・リスクの方が高い理由があるとすれば、それは、ワクチンの方が、スパイク由来のペプチドに対して特定の抗体が抗原特異的に一度に大量に生成されてしまうことにあるのではないでしょうか(なお、脂質ナノ粒子や人工mRNAを細胞内のTLR等がどのように認識するのかも不明…)。
通常の免疫反応ですと、樹状細胞などのマクロファージは、細胞内で飲み込んだウイルスをペプチドレベルに細かに分解するそうです。つまり、スパイク蛋白部分も抗原となる一方で、他の様々な部位も抗原となり、そのそれぞれに抗原特異的に抗体が生成されることとなります。自然感染の場合には、分解された各種ペプチドを抗原とする様々な種類の抗体が造られますので、スパイク・ペプチドに特化した抗体は全体からすれば一部ということになりましょう(もっとも、全体からすれば少ないものの、スパイク部分も複数の抗原に分解され、ADE抗体を含む数種類の抗体が生成される…)。
そして、ファイザー社を初めとする遺伝子ワクチンを製造する製薬会社がスパイク部分を標的としたのも、同部分が、ACE2受容体と結合し、感染の経路となる部分であったからに他なりません(もっとも、今日では、ワクチンによる感染防止の効果は否定されている…)。スパイク部分のみに特化した人工mRNAをヒトの体内に投与し得る技術を開発したからこそ、同ワクチンは、スパイク部分に免疫反応する大量の抗体を造り出すことに成功したのです(もっとも、同時に’悪玉抗体’のADE抗体も産生してしまう…)。そしてそれは、極めて効率的である故に、人体にとりましては両刃の剣ともなり得るのでしょう。
しかも、ワクチンの場合には、脂質ナノ粒子の高浸透性により、ACE2受容体が存在しない場所の細胞にも人工のmRNAが入り込み、スパイク蛋白質を生成します。体内の細胞から大量に発生した全てのスパイク蛋白質を免疫システムが完全に処理するとは限りませんので、残存してしまったスパイク蛋白質が血栓の形成や臓器への蓄積などにより、それが短期的であれ、長期的であれ、様々な有害事象を引き起こすリスクは否定できないのです。一説によれば、ウイルス由来よりも、ワクチンによって体内に投入された人工mRNAやそれが造り出すスパイク蛋白質の方が分解され難いとも言います(ウイルスの場合、スパイク部分は細胞侵入の際の足掛かりであるため、この役割が終われば速やかに消滅するのでは…)。また、スパイク蛋白を生成する細胞がキラーT細胞やナチュラル・キラー細胞から攻撃されたり、自己反応性T細胞や同B細胞が活性化されれば、自己免疫疾患を引き起こすかもしれません。
加えて、遺伝子ワクチンはピンポイント的な抗原特異性なので、変異株に対して極めて脆弱という弱点もあるのですが、今後、効果の低減や変異株の出現によりワクチン接種を3度4度と重ねるとしますと、スパイク蛋白質等による健康被害や免疫システムの過剰反応のみならず、ナイーブT細胞といった免疫細胞の‘浪費’や‘消耗’という問題も起き得るのかもしれません。加齢による免疫力の低下は、ヘルパーT細胞が慢性感染や持続的な異物の侵入により、過剰な細胞増殖が誘導されることで老化することに起因するとする説もあります。
ファイザー社のワクチンの機序に関する説明からしても、以上のリスクは大いにあり得るのですが、不思議なことに、ワクチン推進派の人々は、誰もこうした素朴な疑問に答えてはくれないのです。Q&A方式にあっても、「○○のようなことはありません」、あるいは、「××は起きないとされています」という表現の回答が殆どであり、言葉だけの否定では真偽の判断も使用がありません(将来のことなので、本当のところは、誰も、安全証明も断言もできないはず…)。国民の多くがワクチンに対して警戒感を抱くようになった今日、政府やマスメディアは、むしろ正直に徹してリスクはリスクとして認めるべきなのではないでしょうか。沈黙や情報の隠蔽は、国民の不安を募らせるのみではないかと思うのです。