北朝鮮の大気圏再突入技術は未完成=小野寺防衛相
本日9月9日に建国記念日を迎えた北朝鮮では、労働新聞のトップページにおいて水爆を含む核、並びに、ICBMの保有が強調されたと報じられております。同記事は更なる“最先端武器”の開発にも言及したそうですが、一方のアメリカ国内では、リベラル派を中心に北朝鮮の核保有を認めるべきとする議論も起きていると伝わります。
それでは、アメリカが北朝鮮の核保有を認めるとしますと、その後、どのような展開が予測されるのでしょうか。一説に因りますと、米朝間の対話が開始された場合、交渉の俎上には北朝鮮の核放棄は載らず、専らICBMの開発停止、あるいは、保有ICBMの破棄が合意事項となるそうです。つまり、北朝鮮が米国本土に届くICBMの開発さえ手控えれば、アメリカは北朝鮮の核保有を認めるとする取引です。
この米朝間の“手打ち”の観測に対しては、韓国のみならず、日本国からも既に懸念の声が上がっております。何故ならば、この取引によってアメリカは自国の安全を確保し得ても、北朝鮮の核ミサイルの射程距離に含まれる同盟諸国は、依然、核の脅威に晒され続けるからです。仮に、同合意がなりますと、北朝鮮は、ICBMの保有路線を放棄していることになるため、日本国が核攻撃を受けた場合には、一方的にアメリカからICBMによる核の報復を受けることになります。従いまして、合意が維持されている限り核の傘は有効ですが、それでも、日本国が核による先制攻撃を受け、壊滅状態に陥るリスクには変わりはありません。遅きに失することになるのです。さらに、核を脅しの材料に使った北朝鮮からの恫喝や脅迫、経済・社会などあらゆる面における不当な要求にも晒され続けることにもなります。例えば、所謂‘皇室’の北朝鮮化の容認や経済支援など。
そして、最悪の展開でありながら最も可能性が高いのは、北朝鮮が秘かにICBMの開発を継続するシナリオです。94年の米朝枠組み合意であっても、六か国協議であっても、過去、二度にわたって北朝鮮は相手国を騙しています。今般の危機において米朝間で合意に達しても、合意内容が遵守される可能性は極めて低いと言わざるを得ません。北朝鮮は、日本国を攻撃した場合、アメリカから一方的に核攻撃を浴びる立場を甘受するとも思えません。完全に秘密裏に開発・保有し、突如宣言するか(既に核保有を宣言しているのは、脅しの効果を狙っているからなのかもしれない…)、何らかの口実を見つけ、アメリカに責任を押し付ける形でICBMの保有を実現することでしょう。この状態に至りますと、アメリカも、自国が被爆国となることを覚悟してまで北朝鮮に対して報復攻撃を行うとも思えず、日本国に差し掛けられてきた核の傘は消滅するのです。
米朝間で“手打ち”ともなりますと、相当に高い確率で核の傘が消え、NPT体制も崩壊しかねないのですから、当然に、周辺諸国においては核武装論が沸き起こります。実際に、韓国の世論調査では60%が核保有を支持しているそうですが、日本国でも、核の傘の消滅を仮定して世論調査を実施すれば、大多数の国民は、核保有に賛意を示すことでしょう。北朝鮮の核の脅威に晒され続ける諸国にとりましては、たとえ、アメリカが核の報復を約束したとしても、第一撃を防ぐためには、核武装は有効な選択肢の一つなのです。すなわち、電磁パルス(EMP)のように防衛に使用できるタイプの核保有が実現すれば、核兵器による第一撃を回避することができるのです(特に、同時多発的なミサイル攻撃の阻止には有効…)。
ところが、北朝鮮の核保有を容認するアメリカのリベラル派の人々は、日本国の核保有については否定的なそうです。その理由は、日本国等に核保有を認めれば、核拡散の連鎖が起こり、東アジアの軍事バランスを崩すと共に、偶発的な核戦争の可能性も高まるため、と説明されています。しかしながら、この理由、全く以って説得力がありません。何故ならば、北朝鮮こそ、既に核拡散のドミノ倒しの最初の倒れた一枚となっており、東アジアの軍事バランスを一方的に崩し、かつ、最も偶発的な戦争を起こすリスクの高い国であるからです。これでは、“暴力による現状の一方的変更に対してどう対処すべきか”という問いに対して、“既に暴力によって変更されたのだから、その現状を認めよ”という回答では、答えになっていないどころか、違法行為の事後承認に堕しています。
そして、この事後承認とは、日本国にとりましては、“座して死を待て”ということになりかねないリスクがあります。日本国のミサイル防衛システムの完備には時間を要しますし、たとえICBMの保有にストップがかかったとしても、北朝鮮は、今後とも軍事技術の向上に努めることでしょう。アメリカの北朝鮮核保有容認派は、日米安全保障条約を揺るがしかねい高飛車で理不尽、かつ、不誠実な主張を日本国に対して行っている自覚はあるのでしょうか。それとも、平和主義者を装いつつ、日本国の核保有を恐れる中国の利益ために働いているのでしょうか。
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本日9月9日に建国記念日を迎えた北朝鮮では、労働新聞のトップページにおいて水爆を含む核、並びに、ICBMの保有が強調されたと報じられております。同記事は更なる“最先端武器”の開発にも言及したそうですが、一方のアメリカ国内では、リベラル派を中心に北朝鮮の核保有を認めるべきとする議論も起きていると伝わります。
それでは、アメリカが北朝鮮の核保有を認めるとしますと、その後、どのような展開が予測されるのでしょうか。一説に因りますと、米朝間の対話が開始された場合、交渉の俎上には北朝鮮の核放棄は載らず、専らICBMの開発停止、あるいは、保有ICBMの破棄が合意事項となるそうです。つまり、北朝鮮が米国本土に届くICBMの開発さえ手控えれば、アメリカは北朝鮮の核保有を認めるとする取引です。
この米朝間の“手打ち”の観測に対しては、韓国のみならず、日本国からも既に懸念の声が上がっております。何故ならば、この取引によってアメリカは自国の安全を確保し得ても、北朝鮮の核ミサイルの射程距離に含まれる同盟諸国は、依然、核の脅威に晒され続けるからです。仮に、同合意がなりますと、北朝鮮は、ICBMの保有路線を放棄していることになるため、日本国が核攻撃を受けた場合には、一方的にアメリカからICBMによる核の報復を受けることになります。従いまして、合意が維持されている限り核の傘は有効ですが、それでも、日本国が核による先制攻撃を受け、壊滅状態に陥るリスクには変わりはありません。遅きに失することになるのです。さらに、核を脅しの材料に使った北朝鮮からの恫喝や脅迫、経済・社会などあらゆる面における不当な要求にも晒され続けることにもなります。例えば、所謂‘皇室’の北朝鮮化の容認や経済支援など。
そして、最悪の展開でありながら最も可能性が高いのは、北朝鮮が秘かにICBMの開発を継続するシナリオです。94年の米朝枠組み合意であっても、六か国協議であっても、過去、二度にわたって北朝鮮は相手国を騙しています。今般の危機において米朝間で合意に達しても、合意内容が遵守される可能性は極めて低いと言わざるを得ません。北朝鮮は、日本国を攻撃した場合、アメリカから一方的に核攻撃を浴びる立場を甘受するとも思えません。完全に秘密裏に開発・保有し、突如宣言するか(既に核保有を宣言しているのは、脅しの効果を狙っているからなのかもしれない…)、何らかの口実を見つけ、アメリカに責任を押し付ける形でICBMの保有を実現することでしょう。この状態に至りますと、アメリカも、自国が被爆国となることを覚悟してまで北朝鮮に対して報復攻撃を行うとも思えず、日本国に差し掛けられてきた核の傘は消滅するのです。
米朝間で“手打ち”ともなりますと、相当に高い確率で核の傘が消え、NPT体制も崩壊しかねないのですから、当然に、周辺諸国においては核武装論が沸き起こります。実際に、韓国の世論調査では60%が核保有を支持しているそうですが、日本国でも、核の傘の消滅を仮定して世論調査を実施すれば、大多数の国民は、核保有に賛意を示すことでしょう。北朝鮮の核の脅威に晒され続ける諸国にとりましては、たとえ、アメリカが核の報復を約束したとしても、第一撃を防ぐためには、核武装は有効な選択肢の一つなのです。すなわち、電磁パルス(EMP)のように防衛に使用できるタイプの核保有が実現すれば、核兵器による第一撃を回避することができるのです(特に、同時多発的なミサイル攻撃の阻止には有効…)。
ところが、北朝鮮の核保有を容認するアメリカのリベラル派の人々は、日本国の核保有については否定的なそうです。その理由は、日本国等に核保有を認めれば、核拡散の連鎖が起こり、東アジアの軍事バランスを崩すと共に、偶発的な核戦争の可能性も高まるため、と説明されています。しかしながら、この理由、全く以って説得力がありません。何故ならば、北朝鮮こそ、既に核拡散のドミノ倒しの最初の倒れた一枚となっており、東アジアの軍事バランスを一方的に崩し、かつ、最も偶発的な戦争を起こすリスクの高い国であるからです。これでは、“暴力による現状の一方的変更に対してどう対処すべきか”という問いに対して、“既に暴力によって変更されたのだから、その現状を認めよ”という回答では、答えになっていないどころか、違法行為の事後承認に堕しています。
そして、この事後承認とは、日本国にとりましては、“座して死を待て”ということになりかねないリスクがあります。日本国のミサイル防衛システムの完備には時間を要しますし、たとえICBMの保有にストップがかかったとしても、北朝鮮は、今後とも軍事技術の向上に努めることでしょう。アメリカの北朝鮮核保有容認派は、日米安全保障条約を揺るがしかねい高飛車で理不尽、かつ、不誠実な主張を日本国に対して行っている自覚はあるのでしょうか。それとも、平和主義者を装いつつ、日本国の核保有を恐れる中国の利益ために働いているのでしょうか。
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イラク戦争に対しましてはその背景を含めまして多々批判はありましょうが、少なくとも、国際法秩序の筋を通したという点においては、評価できるのではないかと思います。今般の北朝鮮問題も、イラク基準を適用すれば、国際法に照らしても対北空爆は容認されるはずなのですが、奇妙なことに、リベラル派は、マスコミも含めて武力制裁反対を訴えております。北朝鮮に何らかの利益を有する人物、あるいは、国際組織の存在が疑われますが、まずは、国際法秩序を維持するためには、原則を曲げてはならず、北朝鮮に対する妥協の先にある悲劇を見通すことが大事ではないかと思います。
いつもご指導ありがとうございます。
私は現在の国際情勢に"ほのかな絶望"を抱いております。
先生ご指摘のアメリカ・リベラルに蔓延する"倒錯した世界観"が北朝鮮を引き金とする第三次世界大戦をも含む、これまで人類が築き上げてきた国際秩序の崩壊をもたらすのでは?と懸念しております。
そういう意味では、種々反論はありましょうが、アメリカが"世界の警察"として機能していた当時のイラク戦争も正しかったのでは?と思えてくるのです。
今後ともよろしくお願いいたします。