万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

トランプ前大統領暗殺未遂事件はやはり組織犯罪?

2024年07月17日 11時35分38秒 | 統治制度論
 本日のニュースによりますと、7月13日に米ペンシルバニア州の集会でドナルド・トランプ前大統領の暗殺未遂事件を起こしたとされるトーマス・クルックス容疑者は、過去において、世界最大とされる資産運用会社であるブラックロック社のCMに出演していたそうです。出演とは言っても、教師の背後にいる生徒の一人として映り込んでいるに過ぎないのですが、同情報から、事件の真相あるいは同事件と取り巻く背景の一端が垣間見られるようにも思えます。

 ブラックロック社とは、創業は1988年ですので老舗とは言えないまでも、今日では、世界最大の資産運用会社として知られています。日本国内にもブラックロックジャパンが設立されおり、世界30カ国70都市を拠点として全世界にビジネスを展開するグローバル企業です。先ずもって驚かされるのは、同社の運用資金の規模です。運用資産残高が日本国のGDPの凡そ2倍、即ち、1000兆円を越えるというのですから驚愕の資金力なのです。

 潤沢な資金力は、同社が絶大なるマネー・パワーを駆使し得る立場にあることを意味してもいます。同パワーが政治に及んでいるのは、民主党バイデン政権の顔ぶれを見ても容易に理解されます。現在、同社出身のブライアン・ディーズ氏が国家経済会議委員長に就任しており、アデワレ・アデエモ氏も財務副長官を務めています。前者のディーズ氏は、2008年にヒラリー・クリントン氏の大統領選挙への出馬に際しては同キャンペーンに参加していますし、オバマ政権時代にも、二期に亘り大統領上級顧問等に任命されるなど、筋金入りの民主党支持者でもあります。後者のアデエモ氏は、ナイジェリア生まれで南カリフォルニア育ちという異色の経歴の持ち主でもありますが、ディーズ氏と同様に、オバマ政権時代にポストを得ると共に、2014年にオバマ財団が設立された際には、初代理事長におさまっています。融合しているかの如き民主党政権との強い繋がりは、同社が民主党の大口寄付者、つまり資金提供者であることからも説明されましょう。

 さらに同社には、世界権力の中枢となるユダヤ系人脈のとの繋がりも見出すことができます。同社は、ローレンス・フィンク氏等がブラックストーン・グループの債権部門として設立したところに始まりますが、フィンク氏は、カリフォルニア州ファン・ナイズ市で生まれ育ったユダヤ系アメリカ人です。熱心な民主党支持者であり(2016年の打倒両選挙でヒラリー・クリントン氏が当選した場合、財務長官の職を望んだとも・・・)、温暖化ガス排出ゼロに向けた運動の推進者でもあります。その一方で、サウジアラビアにおける天然ガスのパイプライン事業への巨額投資や森林破壊などが、矛盾した行動として批判されており、ここにも、世界権力と共通する地球温暖化問題を利用した利益誘導が伺えるのです。因みに、フィンク氏と共に同社の共同設立者となったロバート・S・カピト氏やスーザン・ワグナー氏等もユダヤ系アメリカ人です。

 ブラックロック社の桁違いの資金力が、政界での猟官に使われたことは疑いようもないのですが、それは、アメリカ一国の公職の事実上の‘買収’のみではないのでしょう(アメリカ政治の現状は、猟官どころか買官制度のようにも見えてくる・・・)。日本国内でも与野党を問わずに政界がグローバリストの支配下にあるとする批判が起きているように、全世界の政府やメディアに対する‘買収資金’としても使われているのでしょうし、様々な歴史の転換点となるような‘事件’を起こすことも、その資金力からすれば不可能ではないように思われます。そして、ユダヤ系金融勢力によるマネー・パワーによるグローバルレベルの政治への介入は、ブラックロックに限ったことではなく、また、そのパワーは、共和党にも及んでいることでしょう(ユダヤ系金融勢力は、アメリカ政界全体に浸透している・・・)。

 今般のトランプ前大統領暗殺未遂事件にあって犯人とされるクルックス容疑者によるブラックロックのCM出演も、‘たまたま出演していた‘、すなわち、‘偶然’とは思えません。おそらく、同CMに出演した2022年時、もしくは、それに遡る高校時代に理数系優秀者として表彰されたときから、利用し得る‘要員候補’としてマークされていたのかも知れません(暗殺計画に協力して現行犯として逮捕されても、精神鑑定で無罪となると説明?)。あるいは、実のところ、安部元首相暗殺事件の山上容疑者のように、世界権力の下部組織でもある何らかの新興宗教団体の信者、あるいは、その家族であった可能性もありましょう(この場合、教団への批判や反発ではなく、教団の指令、あるいは、目的のために‘犯人役’を引き受ける・・・)。

 同容疑者のブラックロックCM出演は、同事件がクルックス容疑者による単独犯行ではなく、背後にあって世界権力が蠢く組織的犯行であった疑いをさらに強めています。そしてそれは、グローバルなマネー・パワーに易々と支配されてしまうという、今日の統治制度並びに社会の有り様の致命的な欠陥をも明らかにしているように思えるのです。

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