前期高齢者なので、いつでも休みということなのだが、長い間教育現場にいた習い性と来年3月まで夜学に通っているので、一応、7月8月は夏休みということにしている。
で、今年の夏休みの読書は、免疫学者の多田富雄さんの著作を読むことにしている。
夏休みの読書 第一弾。
◎往復書簡
いのちへの対話
『露の身ながら』
多田富雄(免疫学者)×柳澤桂子(遺伝学者)
集英社 1470円
重い病気をかかえ闘病している、免疫学と遺伝学を専門とする二人の学者の往復者間集です。
お二人のいのち対話は本当に魅力的です。
本書から拾ったことば
人類の最後は、恐竜のように隕石の衝突や地球の冷却による死滅ではなく、人間自身の自己破壊による滅亡ではないでしょうか。すべての規範や価値が失われ、欲望と本能だけが支配する世界が人類の最後だと思います。強いものが弱いものを支配し、他人を殺し、奪い、操るようになる。私が脳死移植に問題を感じたのは、他人の継続している生命を犠牲にしてまでも、自分がいきるために利用しようとするやり方は危険だと思ったからです。結局、モラル則など崩れ去ってしまう。どうもその第一歩を踏み出したように思えてなりません。人間はそれを回避する理性を持っていいなかったのでしょうか。 (多田富雄の手紙から)
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