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『肉筆浮世絵展 江戸の誘惑』

2006-10-28 19:49:48 | 月イチ美博のこと
@江戸東京博物館



“芸術の秋”ってワケではないけど、行きたい美術展やら展覧会が目白押し。
まずは、先月『始皇帝と彩色兵馬俑展』を観に言った時に気になっていた
『肉筆浮世絵展 江戸の誘惑』に行ってきた。

浮世絵と言えば、お茶漬けの素のパックについていたなぁって
ことくらいしか思い浮かばなかったんだけど、
浮世絵には『版画』と『肉筆』があるっていうことを今日はじめて
知りました。
多くのものは『版画』で、『肉筆』というのは、“版画のための原画”ではなく
一点だけ特別に描かれた“浮世絵のオートクチュール”のようなものらしい。

ボストン美術館には約5万5千点もの浮世絵版画と約700点もの肉筆画を
所蔵しているそう。
そのボストン美術館の所蔵品のなかから、江戸時代に日本に滞在した医師
ウィリアム・ビゲロー氏が寄贈したもの約80点が今回公開されることになった。
それはボストン美術館でも公開されていなくて、明治時代にアメリカに渡って以来
1世紀ぶりの里帰り。
なんで日本の芸術がそんなにいっぱい外国に行ってしまってるんだろうな。
そんな貴重なものがはるばる海を越えて日本へ里帰りしてくるんだから
そりゃもう観ておくべきだろーっと。

展示されている浮世絵は掛け軸になっていたり屏風や巻物になっている。
隅田川のほとりで季節を愛でる人たちが描かれていたり
遊里の風俗を描いたものや、歌舞伎の絵看板など。
どれもこれも300年も前にどうしてこんなに綺麗な色が出せたんだろうという
あざやかさ。
女性の着物の柄のなんとも細かくて繊細なこと。
花の模様や格子柄、ひとつひとつの点や線までも全て手で書いているんだと
思うとたまらない。

人々の姿と一緒に描かれている季節の草木も細かくてきれい。
遊女を描いたものは本当にしなやかで色っぽい。
薄くてきれいな日本の色。

わたしでもその名前を知っている葛飾北斎のもので印象に残ったのは
虎と龍が提灯に描かれた『提灯絵 龍虎』
アメリカに渡るときに提灯から丁寧にはがされて、平面図にして保存されていたんだけど
平面だとその力強さが表現できないと、今回提灯の形に復元。
200年ぶりにもとの形になりその迫力をとりもどしたそうです。

それから、北斎の娘さんである葛飾応為の『三曲合奏図』も色も着物の柄も
綺麗でひきつけられた。

わたしがこういった美術展とかを観るときの楽しみ方は
もし自分が世紀の大泥棒で命がけでこの中のどれかを盗むとしたら
どれをいただくか?というポイントで観てみること。
(人からの受け売りだけど)
今回のその一品は葛飾北斎の『唐獅子図』
これは、ちりめんに描かれた袱紗(ふくさ)
北斎がちりめんに直接描いたなんていう袱紗をふつーに使ってみたいというのがその理由。

この3点のポストカードとチケット入れにも使えそうなクリアファイルをお買い上げ。
でも他にもいいなぁと思う作品がたくさんあったので
迷った挙句¥2200の図録を買ってしまった。
貧乏人なのに・・・
売店コーナーには他にも本展示とは関係ないけど帯柄の布バックとか
和もの好きにはたまらないものがたくさん。
お着物でいらしてる方もいて、やっぱりいいな。素敵。

江戸東京博物館は常設展も気になるんだけど、それはまた今度のお楽しみに。
次は来年の特別展『江戸城』にも行こうっと。

それからこの秋は大エルミタージュ美術館展、仏像展、ミイラと古代エジプト展にも
行きたいんだな。
エルミタージュはハンパじゃなく混んでそう。
早起きして開館とともに入場するか、はたまた20時までやっている金曜夜を
ねらうか・・・だな。


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