@東京芸術劇場 中ホール
企画・製作:TSミュージカルファンデーション
演出・振付:謝 珠栄
原作:野田秀樹「贋作・罪と罰」より
出演:香寿たつき・山崎銀之丞・戸井勝海・今拓哉・阿部裕・平澤智
釼持たまき
上演時間:1幕80分 休憩15分 2幕 60分
幕末、坂本龍馬、『罪と罰』でミュージカルってどんな?って
気になったのと、昨年のTSミュージカル『AKURO』が
すごくよかったって聞いていたのもあって
つい足を運んでみた。
東京芸術劇場って、わたしのお膝元にあるわりにお初。
駅から直結してたり、お茶やごはんするところに困らなかったり、
立地的にはいいんだけど、中ホールは傾斜がゆるやかで
ちょっと前の人の頭がじゃまになっちゃう感じ。
ドフトエフスキーの『罪と罰』を原作にした野田秀樹の『贋作・罪と罰』を
もとに創作されたミュージカル。
野田作品って、観たことないんだけど、どうも“難解”なイメージがあって。
この話は、難解っていうんではないけど、
幕末を生きた志士たちを描いているというよりは
“理想と思想”とか“理想のための罪”とか
そんな感じがただよっていたような。
ストーリー的には展開がまどろっこしくて
ちょっと物足りないような感じ。
あくまでわたしの好みの問題だけど。
その分、歌と踊りは素晴らしかった。
女ながら剣術の腕がたち江戸開成所の塾生・三条英を演じていた香寿たつきさん。
セリフの言い回しと歌い方が“ぽいなー”と思ったら
はやり、ヅカ出身の方でしたか。
英の妹役の釼持たまきさん、かわいい~。
出演者のなかで名前を知ってる方が数名。
今拓哉さん、川本昭彦さん、福永吉洋さん。
今さんはちょっとおかしな役だったけど、歌うとやはりすばらさしさピカいち。
川本さん、福永さんは志士たちのなかにいたんだと思うけど
まったく分かりませんでした・・・。
友石竜也さんってお名前も見たことある字ヅラだなーと思ったら、
『ニューブレイン』に出てましたね。
才谷梅太郎さん役の方も、志士のヤマト役の方も、声がとてもステキだった。
一幕終わりあたりの、みんなが自分の心持ちを独唱でうたいあげながら
それがかぶっていって合唱になるところなんかはトリハダもの。
独唱もいいけど、合唱(って言い方あってるかわからんけども)が
迫力あってすごく好き。
それからやっぱりすごかったのが踊り。
民の“ええじゃないか”とか志士たちの立ち向かう踊りがすごい。
立ち回りみたいなスピード感。
和っぽい感じが好き。
飛んだり回転したり。
旗をふりまわしたり。
大きな旗をふりまわしながら歌うってすごい体力。
赤い旗は血の色。
大政奉還のときに白装束で白い旗で踊っていたのが
すごいなー、うまいなー、と思った。
志士たちの歌で江戸城の門の名前がいっぱいでてくるのがおもしろかった。
ドフトエフスキーの『罪と罰』を知ってる人にはそれっぽく感じるところが
あったのかな。
地面に接吻するところは原作にまんまあるらしい。
あと、オケはキーボード、パーカッション、ヴァイオリン、チェロで、
パーカッションの太鼓な感じとかストリングスがせつない感じとかが
よかった。
自分のお気に入り、定番以外を観るのもなかなか楽しいね。